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2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【小説・ミステリー】『ホッグ連続殺人』―ある意味究極のトリック

『ホッグ連続殺人』ウィリアム・L・デアンドリア / 訳:真崎義博 / 早川書房 38年前に発表されました。 本当の標的をカムフラージュするために連続殺人を行うのは、今となってはミステリーではよくある手法だが、この小説のトリックはその究極形と言えます。…

【マンガ】『アカギ』(6巻)ー奴は永遠に保留する

『アカギ』福本伸行 / 竹書房 ついに2018年6月に最終巻を迎えましたね。 後半ではもはや鷲巣マンガと化していましたが、前半は色んな敵と対戦します。 (あ、麻雀マンガです。) この巻では浦部との勝負に決着がつきます。 勝負後のセリフにシビれます。 ア…

【小説・ミステリー】『日本核武装』―世界からナメられないために

『日本核武装』高嶋哲夫 / 幻冬舎 文庫化を待っていたのですが、ついに出ました。(2018年4月) 米朝首脳会談を通過したばかりで、めちゃくちゃタイムリーに出版されましたね。 たまたまなのか、販売戦略なのか。 後者ならすごいですが。 ジャンルはミステリ…

【小説・SF】『モナドの領域』―神以上の存在との対話

『モナドの領域』筒井康隆 / 新潮社 筒井康隆氏が天才だということについては論を俟たない。 凡百の作家とは一線を画する発想、ストーリー展開、構成、手法、キャラクター。 ベテランの円熟味を出しつつ、奇抜なアイデア、楽しい文体が読者を本から離れられ…

【マンガ】『バーナード嬢曰く。』(4巻)ーグータラ読書のススメ

『バーナード嬢曰く。』施川ユウキ / 一迅社 読んだ本、読んでいる本のことを仲間4人で図書室で語り合うだけのギャグマンガ。 「読書家あるある」が詰め込まれていて楽しい。 まだ読んだことがない本も、読もうと思っていたけど忘れていた本も、このマンガ内…

【小説・SF】『皆勤の徒』―天才的言語センス!

『皆勤の徒』酉島伝法 / 東京創元社 世界観の設定は、遠未来。 大災害が起こって、地球は現代社会の都市風景からは原形をとどめておらず、人類の形状も大きく変容しています。 人類の姿形は異形の怪物に成り果て、思考も鈍重になっています。 けれど仕事とい…

【哲学・思想】『武士道』―外国人へ向けた丁寧な解説書

『武士道』新渡戸稲造 / 訳:矢内原忠雄 / 岩波書店 岡倉天心の「茶の本」と同様、日本人に向けて書かれたのではなく、外国人に向けて日本文化・価値観を分かってもらいたいという意図で英語で出版された本を日本語訳したもの。 1899年に書かれたものらしい…

【小説・SF】『地下鉄道』―黒人奴隷少女の壮絶な逃亡劇

『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド / 訳:谷崎由依 / 早川書房 史実をもとに、SFの要素を加えて構成された文学作品です。 <あらすじ> 19世紀前半。 アメリカ南部で奴隷として農園で働く黒人の少女(主人公・コーラ)が、ある日同僚に一緒に逃亡する計…

【マンガ】『天国大魔境』(1巻)ー待ちに待った新作!!!

『天国大魔境』石黒正数 / 講談社 ついに出ました!! 石黒正数氏の新刊が!新作が!新シリーズが! 石黒正数信奉者としては数か月前から首を長くして待ち望んでいました。 『それ町』が完結してからはもう悲しくて、抜け殻のような心地でした。 アフタヌー…

【小説・ミステリー】『TOKYO BLACKOUT』―息継ぎできない緊張感がすごい

『TOKYO BLACKOUT』福田和代 / 東京創元社 まさに猛暑の今、読むべき小説。 真夏の東京が舞台。 東都電力管轄内の送電線の鉄塔が爆破される。別の鉄塔はヘリが衝突して倒壊。 合計三ヶ所で実行され、電力が不足し、東京は停電に陥る。 停電テロであると判断…

【新書】『思考の補助線』―青臭い情熱

『思考の補助線』茂木健一郎 / 筑摩書房 何かと批判にさらされる茂木健一郎氏ですが、この本の内容は面白いです。 とにかく青臭い(いい意味で)。 自分がこれまで学んできた知識と身に付けてきた知性を以って、自分という存在をこれから世に問うてやるぜ!…

【小説・SF】『know』―天才性とはこういうことだ

『know』野崎まど / 早川書房 野崎まど氏は、天才を天才として描ける作家だそうです。 この作品をちょっと読めばそれが理解できます。 すごい。 キレキレの西尾維新氏をさらにSF寄りにしたような文章、という印象です。 ある天才(主人公)がいて、それは世…

【小説・ミステリー】『九杯目には早すぎる』―ヴィダーインゼリー的ミステリー

『九杯目には早すぎる』蒼井上鷹 / 双葉社 短編集。 世の中にはガッツリとした骨太のミステリーだけでなく、軽いミステリーも存在します。この本は後者です。 ところで、ミステリー中毒者は常に何かしらのミステリーを読んでいないと落ち着かない気分に陥っ…

【読書術(8)】冷暖房は快適すぎない方がいい

読書は大抵、室内で行います。 その際、寒すぎ or 暑すぎという状態ではもちろん読書どころではないでしょう。 僕の集中力が弱いせいもありますが、そんな部屋では10分ももちません。 しかし、逆に快適すぎる環境もよくありません。 スタートはOKですが、す…

【マンガ】『探偵犬シャードック』(1-5巻)ー主人公がワトソン役の倒叙型ミステリー

『探偵犬シャードック』安藤夕馬・佐藤友生 / 講談社 シャーロック・ホームズが現世に犬(シャードック)として転生し、主人公・尊(たける)と出会い謎を解決していくお話。 もちろん探偵役は犬だが、言葉を話せない。 唯一会話のできる尊が伝言役となって…

【マンガ】『百万畳ラビリンス』(上下巻)ー史上最高の脱出ゲーム

『百万畳ラビリンス』たかみち / 少年画報社 『それでも町は廻っている』の空気感はそのままに、SF要素とミステリー要素の濃度を上げて、日常感を薄めたような読み味。 SFとミステリーの違和感のない融合。 作画技術、キャラクター、ストーリー構成、「謎」…

【マンガ】『黒博物館 ゴーストアンドレディ』(上下巻)ーカッコイイ男とは

『黒博物館 ゴーストアンドレディ』藤田和日郎 / 講談社 灰色の服の男・グレイ(幽霊)とナイチンゲールの話。 ナイチンゲールはある日、グレイに会いに行く。 自分の無力さを嘆く彼女は、彼に自分を殺してくれと依頼する。 (クリスチャンなので自殺できな…

【マンガ】『猫瞽女 ネコゴゼ』(1-2巻)ー晴眼(めあき)は鼻先にある道理が見えちゃいねえ

『猫瞽女 ネコゴゼ』宇河弘樹 / 少年画報社 1950年代。 ソ連に占領された日本という架空の設定の世界観。 盲目の女芸者・夜梅と少女行者・鶯が旅をする。 共産主義化を目論む勢力と戦いながら。 非常に面白い設定だが、著者の描きたいことが詰め込まれ過ぎて…

【マンガ】『あひるの空』(32巻)ー他人の時間を奪ってきた人間が、自分だけ有意義な時間を過ごせると思わないでね

『あひるの空』日向武史 / 講談社 バスケマンガ。 「黒子のバスケ」のような、超人がスーパープレイを連発する設定ではない。 インターハイを目指しているけれど、NBAやプロが目標なのではない。 それぞれの登場人物の悩み、不安、苦しみ、日常のささいな心…

【マンガ】『蟹に誘われて』ー(水木しげる+つげ義春)みたいな感じ

『蟹に誘われて』panpanya / 白泉社 不思議な読み味のマンガです。 人物はラクガキのようなデフォルメされたキャラクターなのに、背景は水木しげるのように濃厚で存在感があります。 ヒロインの少女が、街を探索するだけ?(謎のバイトもする)のマンガです…

【マンガ】『シャーマンキング』(8巻)ーオイラは無理はしない。だから無理じゃない。

『シャーマンキング』武井宏之 / 集英社 もう読まなくなった本を売りにブックオフに行ってきました。 査定中に当然のことながら立ち読みしていました。 もうすでに完結し、完全版まで出ている『シャーマンキング』。 通常版の8巻は18年前に出たようです。(2…

【マンガ】『憂国のモリアーティ』(2巻)―シャーロック・ホームズ登場

『憂国のモリアーティ』 竹内良輔・三好輝 / 集英社 主人公・モリアーティ教授と宿敵・ホームズとの邂逅。 お互いの職業当てのシーンが面白い。(基本ですね。) 見ただけで他人の職業を当てるのはホームズの得意技?なので、誰もが読んでいてニヤリとさせら…

【ノンフィクション・自伝】『ジュリアン・アサンジ自伝』―ここまで行動できるか

『ジュリアン・アサンジ自伝』訳:片桐晶 / 学研 ウィキリークスの創設者。オーストラリアのジャーナリスト。 著作権の権利問題に無知だったり、本の作者に一言断りを入れるなどのやるべき一手間に思い至らなかったりと、少々非常識なところがあります。 し…

【マンガ】『地獄楽』(1巻)ー凶悪犯たちのバトルロイヤル

『地獄楽』賀来ゆうじ / 集英社 抜け忍の主人公・画眉丸が、得体の知れない島で腕に覚えのある凶悪犯罪者たちと「不老不死の仙薬」をめぐって殺し合う。 ただ一人の生き残りを賭けたバトルロイヤル。 ストーリー自体はシンプルですが、「得体の知れない島」…

【マンガ】『憂国のモリアーティ』(1巻)ー闘えるの?この大英帝国と。

『憂国のモリアーティ』竹内良輔 ・ 三好輝 / 集英社 ホームズの宿敵・モリアーティ教授を主人公にしたマンガです。 現在でもまだ身分制度が残っているイギリスが舞台。 イギリスのことを僕はほとんど知りませんので、現在が昔と比べて差別意識がどう変化し…

【ノンフィクション・伝記】『ソロス』―イングランド銀行を打ちのめした男

『ソロス』M・T・カウフマン / 訳:金子宣子 / ダイヤモンド社 伝説の投資家、ジョージ・ソロスの伝記です。 ブダペスト生まれ。ユダヤ人であり、幼少期は家族とともにナチスの侵攻からの逃亡生活を送る。 17歳で単身イギリスに送り込まれ、本当にゼロからの…

【ノンフィクション】『あらかじめ裏切られた革命』―皆、ただ今日を生き延びるのに必死なだけなんだ

『あらかじめ裏切られた革命』岩上安身 / 講談社 ⇧1996年に出版されました。 文庫化も2000年にされていますが、絶版になっています。 入手するには中古市場を探すしかありませんが、今Amazonで確認したら、一番安いものでも6000円以上しました。市場価値がメ…

【ノンフィクション・自伝】『トランプ自伝』―運命の日

『トランプ自伝』ドナルド・トランプ / 訳:相原真理子 / 筑摩書房 約30年前に出版されました。 この頃は、著者本人もまさかアメリカ大統領選挙に出馬して大統領になるなんて思ってなかったでしょう。 本の内容は、もちろん政治の話は出てきません。 今週は…

【小説・ミステリー】『IQ』―ロサンゼルスのシャーロック・ホームズ

『IQ』ジョー・イデ / 訳:熊谷千寿 / 早川書房 ↑「このミステリーがすごい!2019」海外編第3位 「IQ」とは主人公アイゼイア・クィンターベイのイニシャルです。 もちろん探偵役なのでIQは高いのでしょうけど。 本家シャーロック・ホームズはイギリスなので…

【マンガ】『Dr.STONE』(6巻)ーケータイを作る!

『Dr.STONE』稲垣理一郎・Boichi / 集英社 日常のささいな悩みなど忘れて、壮大な物語の海に没入できる。 シンプルにワクワクドキドキが詰まった、ザ・少年マンガ。 読むたびに、科学の面白さを教えてもらえます。 勉強したくなります。 高校時代に読んでい…

紙の本も読みなよ / A-key-Hit