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【小説】『ワン・モア・ヌーク』―2020年の東京で原爆テロ【SF・ミステリー】

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『ワン・モア・ヌーク』藤井 太洋 / 新潮社

 ⇧2020/1/29発売(文庫)

 

 

<テロを題材にした小説>

テロを題材にした小説では、二つの謎がストーリーを牽引します。

どうやってテロを実行するのか」と、「なぜテロを起こそうとしたのか」という疑問です。

「誰が」「いつ」「どこで」「どういう」テロを起こすのかは、犯行声明が出されるので大体すぐに分かります。

 

テロは愉快犯とは違って、必ず目的があります。

目的とは「社会への何らかの訴え」です。

それは政治的イデオロギーや宗教、貧困など様々です。

その手法も人質、爆弾、自爆、核、バイオ(生化学)、サイバーテロなど多岐にわたります。

テロの方法は、その目的によって効果的なものが選択されます。

 

この小説では原爆を使ったテロが計画実行されます。

その詳細な方法は物語前半に語られ、動機が後半に語られます。

つまり前半がSFで、後半がミステリーです。

 

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<あらすじ>

イラクの核物理学者・イブラヒムは、小さな集落の地下にある核燃料の濃縮施設で、イスラム国の庇護の下、核兵器開発を行ってきました。

彼はアメリカを始めとした、彼の祖国を滅ぼした「持てる国々」に怒りを募らせており、仕返しをする機会を望んでいました。

そして2018年8月。

1年半をかけて分離した濃度70%のプルトニウム239が完成しました。

 

2020年3月。

イブラヒムはプルトニウムと一緒に東京にやって来ました。

彼は原爆を造ろうとしていたのですが、日本人女性・但馬樹(たじま いつき)がイブラヒムが想定していたよりも精度の高い設計を提案してきたため、彼女の案に乗ることにしたのです。

但馬はある目的のために、東京で原爆を造って爆発させる計画を練っていました。

 

但馬はモデルをやりながら、オーダーメイド衣料販売ベンチャーも経営しています。

彼女は英語もアラビア語も不自由なく話せます。

そして、過去に日本に落とされた原爆よりも精密な設計を、3Dプリンタで作り上げました。

但馬と空港で合流したイブラヒムは、才色兼備で何もかも持っている但馬が、なぜ原爆テロを起こそうなどと考えたのか不思議に思いました。

 

警視庁公安部外事二課の警部補・早瀬隆二に、中国政府からテロの注意喚起がありました。

対象人物の名前は、ムフタール・シェレペット。

彼女は中国の新疆ウイグル自治区出身で、2年半前から東京の警備会社で働いていました。

ウイグル人なら親戚の誰かは独立運動に参加しているに決まっているので、早瀬はテロ情報はガセネタだろうと推測しました。

 

早瀬はシェレペットを調べていくうちに、彼女の腕に注射痕があり、麻薬中毒のような痩せ方をしていることに気付きました。

そしてシェレペットは但馬と親しくしているようで、但馬に麻薬使用の様子は見られません。

不審に思った早瀬は但馬のことも調べ始め、但馬が原爆テロを計画していることに気付きます。

 

国際原子力機関(IAEA)の技官・舘埜健也とCIAのエージェント・シアリーは、日本に入る前からイブラヒムの動きを追跡していました。

そしてイブラヒムが但馬と接触して原爆を完成させた事を知り、原爆がどこで爆破されるのかと、爆発したらどれほどの規模で被害が及ぶのかを計算し始めました。

もちろん原爆の解体方法や、起爆装置が作動しても爆発させない方法も探ります。

 

テログループ、警察、研究者の3つの視点から原爆テロの様子が描かれていきます。

果たして、どうやって爆発を阻止するのでしょうか。

 

「プルトニウム 画像」の画像検索結果

 

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<まとめ>

 2020年3月、東京で原爆を使ったテロが計画実行されます。

 原爆を造る方法は詳細に描かれています。

専門家が集まれば、けっこう簡単にできることが分かります。

非常にリアルで怖いです。

 

この小説で重要なのはテロの方法ではなく、犯人がテロを起こした動機です。

日本人の危機意識の低さや、政府やマスコミのいい加減さについて考えさせられる作品です。

 

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