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2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【マンガ】『BLUE GIANT SUPREME』(5巻)ーオレはジャズで勝ちたい

『BLUE GIANT SUPREME』石塚真一 / 小学館 他のどのマンガにもない空気感。 渋い大人の物語構成、視点、テンポを持ちつつ 中身は野心あふれる若者の情熱と、夢に向かって果敢に挑戦する無謀さが描かれています。 世界一のサックスプレイヤーを目指す青年のジ…

【小説・SF】『火星の人』―これぞ純粋でシンプルな極上のSF

『火星の人』アンディ・ウィアー / 訳:小野田和子 / 早川書房 非常に理想的でお手本のようなストーリー構成です。 純粋に科学技術と知識・アイデアのみで過酷な状況を生き延びる主人公。 たった一人、火星に取り残され、生命を出来るだけ長く維持する方法を…

【小説・ミステリー】『ハンニバル・ライジング』―レクター博士の誕生

『ハンニバル・ライジング』トマス・ハリス / 訳:高見浩 / 新潮社 あの超有名なサイコサスペンス「羊たちの沈黙」のレクター博士の幼少期の話。 正直、「羊たちの沈黙」を知らなくても十分楽しめます。 天才の幼少期の特異な過ごし方は、大概どんな人でも面…

【小説・SF】『突変』―自分の住む町は好きですか?

『突変』森岡浩之 / 徳間書店 700ページ超えでまあまあブ厚めですが、リーダビリティが高いのであっという間に読めます。著者は読者を飽きさせないような構成に、かなりこだわって作られたのだと感じました。 ある地域ごと、人々が異世界・異空間に移動して…

【小説・文学】『誠実な詐欺師』―騙されている人間を誰も尊敬したりはしない

『誠実な詐欺師』トーベ・ヤンソン / 訳:冨原眞弓 / 筑摩書房 トーベ・ヤンソンは「ムーミン」の作者です。 小説も書いていたことを知って買いました。 35年くらい前に出版されたようです。 雪に埋もれた海辺の町。 そこに住む絵本画家の老女。 彼女は(お…

【マンガ】『幽遊白書』(18巻)―生きろ。お前はまだ死に方を求める程強くない

『幽遊白書』冨樫義博 / 集英社 一番好きな巻です。 奥付をみたら、もう24年前に出版されていたんですね。 1ミリも色褪せないマンガです。 この巻の前半では、飛影と蔵馬の過去とそれに対比させるように現在を描き、彼らの半生を総括するストーリー構成にな…

【小説・SF】『幼年期の終り』―人類よりも上位の知性とはどういうものか

『幼年期の終り』アーサー・C・クラーク / 訳:福島正実 / 早川書房 SFというジャンルにおける必読書のひとつ。 「SFが好き」と言っておきながらこの作品を読んでいないのなら、その人は確実にモグリだと断言できます。 ファーストコンタクトもの。(人類が…

【小説・ミステリー】『一千兆円の身代金』―あなたはきちんと憤れるか

『一千兆円の身代金』八木圭一 / 宝島社 社会派・憂国の誘拐ミステリー。 物語のひねりが不十分だとか、ありえない展開だとか、筆者の文章力が不足しているだとかの辛口コメントもあるようですが、僕は素直に楽しめました。 著者は日本の財政問題に真っ向か…

【マンガ】『青空エール』―素直に全力で青春に打ちこむ

『青空エール』河原和音 / 集英社 落ち込んでいたり、つらいことがあったとき、 あるいは陰キャと呼ばれる我々のような人種からしたら、 明るい人を見ているのはまぶしくてつらいものがあります。 でもそれは自分よりも相対的に明るい、楽しそう、幸せそう、…

【小説・文学】『闇の奥』―自分の常識が通用しない場所

『闇の奥』ジョゼフ・コンラッド / 訳:黒原敏行 / 光文社 ⇧文庫です。 『PSYCHO-PASS サイコパス』で狡嚙慎也が読んでいた本です。 岩波文庫から半世紀前に出版されていますが、光文社の新訳版は読みやすいです。 コンゴという未開の地、原始の森。濃密な闇…

【小説・ミステリー】『殺戮にいたる病』―この叙述トリックは見抜けない

『殺戮にいたる病』我孫子武丸 / 講談社 ミステリーというよりサイコサスペンスもの。 中盤まではよくある連続殺人犯の犯行を描くだけで、凡庸です。 薄っぺらい犯罪心理学の講義を聞かされているかのような、B級ホラー以下の展開。 「ハズレかな~」と思い…

【読書術・初心者向け(6)】信頼できる書評家を見つけろ

「何から読んでいいか分からないよ」という方には、 誰かにオススメを紹介してもらうのもいいかもしれません。 小説だけに限らず、何かの勉強をするときは押さえておくべき入門書を詳しい人に聞くのが手っ取り早いし、間違いが起こりにくいです。 まず書評家…

【ノンフィクション】『人間臨終図巻』—コンセプトに脱帽。一家に一冊常備すべし

『人間臨終図巻』山田風太郎 / 徳間書店 世界の(主に日本の)偉人、有名人が何歳でどんな死に方をしたのかを羅列した事典です。(図巻といいつつ図はありません) 10代で亡くなった人から順番に並んでいるので、関係性に脈絡はなく、だからこそ面白い。 「…

【小説・ミステリー】『その女 アレックス』―真実よりも大切なもの

『その女 アレックス』ピエール・ルメートル / 訳:橘明美 / 文藝春秋 これは確実に「大当たり」のミステリー。 (面白いものが海を渡って翻訳されるわけなので、 海外ミステリーに「ハズレ」はそもそも少ないですが。) 序盤で誘拐・監禁モノのサスペンスか…

【読書術・初心者向け(5)】複数冊を同時に読め

初心者は1冊読み切ってから次の1冊に移ろうとします。 でも律義にそんな順番なんて守らなくてもいいんです。 日本人(特に大人)は真面目で頭が固すぎます。 1冊読んでても読み通すのが辛かったら 別の本を読んで気分転換すればいいんです。 僕は飽きっぽい…

【小説・経済】『銭の戦争』――読むと投資がしたくなる

『銭の戦争』(全10巻) 波多野聖 / 角川春樹事務所 相場師の話。 現代において、株やFXをやって勝っている人たちはどこかクレイジーな部分を持っていると僕は思っています。 相場の世界は9割が負けると言われていますので、1割の勝者たちは一般大衆とは異なっ…

【FX】激動の1週間

FX

今週は本当に大イベント連続の毎日でしたね。 米朝首脳会談から始まり、 FOMCの政策金利発表と今後の利上げペース想定、 ECB(欧州中央銀行)の政策金利発表と量的緩和終了の発表、 日銀の政策金利発表、 アメリカの中国に対する関税の詳細発表と報復関税の…

【マンガ】『ACCA 13区監察課』(全6巻)―俺は部下たちのことは優秀じゃないと思うことにしてる

『ACCA 13区監察課』オノナツメ / スクエニ お菓子を食べるマンガではありません。 もらいタバコのジーン(主人公)が監察のために各地を訪れ、問題を解決しながらも世界規模の陰謀に巻き込まれていくお話です。 各区のエピソードも面白い。 現実の世界にお…

【マンガ】『ゆうやみ特攻隊』―最凶の勧善懲悪バトル

『ゆうやみ特攻隊』押切蓮介 / 講談社 奇才とはこの著者のためにある言葉である。 現代では、小さな子供でも絶対的正義なんてないことを分かっている。 他人が間違っているように見えても、それなりの事情や信条があるんだろうなと考えるのが大人の考え方で…

【スポーツ】『パスコースがない?じゃあ、つくればいい。』―好きなことをとことん追求する

『パスコースがない?じゃあ、つくればいい。』小柳ルミ子 / 東京書籍 少し前、「アメトーーク」の「仮バラシ芸人」でパンサーの尾形さんが 「サッカー番組に仮押さえで入っていたのにバラされた。代わりに出演していたの誰だと思います?小柳ルミ子さんだっ…

【マンガ】『映像研には手を出すな!』3巻―我々にはまだ遊びが足りない【アニメ・実写映画化】

『映像研には手を出すな!』大童澄瞳 / 小学館 ⇧2018年6月発売。 最新刊の4巻は、2019年5月10日発売。 『このマンガがすごい!2018』にランクインし、 『マンガ大賞2018』にもノミネートされた作品です。 2020年1月からアニメ放送が開始されます。(NHK) 20…

【マンガ】『ワンパンマン』(14巻)―ギャグなのに最高のカタルシス

『ワンパンマン』ONE、村田雄介 / 集英社 基本的にギャグマンガなのに、この巻は特に感動モノです。 ラストに向けての演出、構成が憎らしいほど見事。 圧倒的な力の差。 怪人の強さに対する恐怖、全く歯が立たない自分の武力。 勝つことなんて不可能で、逃げ…

【マンガ】『3月のライオン』(1巻)―闘い続けるということ

『3月のライオン』羽海野チカ / 白泉社 著者が全身全霊をかけて丹精を込めていることが伝わってくる作品。 それは棋士の将棋との向き合い方に似ている。 もうそれしかないんだ。 これに人生賭けているんだと。 久々に読み返していました。 最近の巻よりも初…

【小説記事一覧】(1)~(100)2019.03.02更新  

もくじ 兼 発表記事リンク一覧 ( )内番号は発表順です。[ ]のジャンルは厳密ではありません。 〈あ行〉 (57)『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー / 早川書房 [ミステリー] ――あまりに有名な殺人事件 (59)『阿部一族』森鴎外 / 新潮社 [文学]…

【小説・ミステリー】『イニシエーション・ラブ』―驚愕の叙述トリック

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ / 文藝春秋 「ただの青春恋愛小説やん」という感想をラストページ直前まで持ち続け、 ラスト2行で世界が反転します。 この作品は有名になってしまったので多くの方が知っているかもしれません。 でも、何も知らずに読ん…

【小説・ミステリー】『十角館の殺人』―新本格ミステリーのはじまり

『十角館の殺人』綾辻行人 / 講談社 僕が初めて叙述トリックというものを知った作品です。 著者のデビュー作でもあり、日本ミステリー界で「新本格」が始まったとされる起点となる作品でもあります。「館シリーズ」第1作目。 物語、設定としてはシンプルで、…

【マンガ】『約束のネバーランド』(9巻)―やっぱり生きてた!(ネタバレ)そして紙の本の存在意義発見

『約束のネバーランド』白井カイウ・出水ぽすか / 集英社 ノーマンが生きてましたね。 一番好きなキャラクターだったので、序盤で舞台から退場したのは残念でした。 このマンガは、週刊少年ジャンプということもあってか、設定上はかなり絶望的なサバイバル…

【マンガ】『マロニエ王国の七人の騎士』(2巻)―壮大なファンタジーがはじまる

『マロニエ王国の七人の騎士』岩本ナオ / 小学館 この作家さんは大好きで、全作品持っています。 少女マンガ界で独特の個性を放っている奇才です。 言葉のチョイス、題材の設定と切り口、細かく丁寧な手のかかった背景、コマの中の空気感、話の展開のテンポ…

【マンガ】『マイホームヒーロー』(4巻)ーこの夫婦賢すぎ!絆強すぎ!

『マイホームヒーロー』(4巻)朝基まさし / 講談社 大切な人(娘)を守るということは、他の誰か(恭一)を犠牲にするということ。 それは正しいことではないかもしれない。 でも「正しさ」だけでは大切な人を守れない。 この巻では鳥栖夫婦が覚悟を決める…

【小説・ミステリー】『絡新婦の理』―目から鱗が落ちすぎて怖い

『絡新婦の理』京極夏彦 / 講談社 京極堂シリーズ第5作目。 (未読の方はいきなりこれから読んでも問題ありません。僕がそうでした。 優れたシリーズものは、どこから読んでも面白いように著者が配慮してあるものです。最初から読んでいる方はよりすんなりと…

紙の本も読みなよ / A-key-Hit