【小説・ミステリー】『ハンニバル・ライジング』―レクター博士の誕生
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『ハンニバル・ライジング』トマス・ハリス / 訳:高見浩 / 新潮社
あの超有名なサイコサスペンス「羊たちの沈黙」のレクター博士の幼少期の話。
正直、「羊たちの沈黙」を知らなくても十分楽しめます。
天才の幼少期の特異な過ごし方は、大概どんな人でも面白いものです。
英才教育とそれを受けさせてやれる経済力が親にあったから、というのは大きい。
親の教育方針や、子供の素質を見逃さない観察力も素晴らしい。
絵に描いたような幸せな家族の中で過ごした時期もあったということです。
しかし、ナチス関係者に両親と妹を殺されます。
後半は復讐と、逆に仇たちから狙われるという展開。
たった一人でどうやって復讐を完遂するのか、という所がポイント。
驚くほど容赦しないところは流石です。
世の中から争いが絶えない理由の一つは、復讐が絶えないから 。
でも復讐をやめるべきだとは僕は思いません。
やられたらやり返せ。
やり返されると分かっている相手には、人は手を出さない。
「やり返されるのは嫌だからやめよう」という抑止力になる。
「人間の本性が善」だからやめるのではない。
いじめだって、やり返さないから増長させてしまう。
徹底的にやり返せ。
やり返したなら、それはただの喧嘩になる。
喧嘩はいくらやってもよい。
でなきゃ分かり合えない。
まあ家族を殺されるという取り返しのつかないことに対する復讐なので、
ハンニバルは皆殺しにするわけですが・・・
ドラマ「アンナチュラル」で中堂さんの名言があります。
「殺した者は殺される覚悟をするべきだ。」
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