【マンガ】『川島芳子は男になりたい』1巻―男の冒険に憧れる女【愛新覚羅顕㺭】
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『川島芳子は男になりたい』田中 ほさな / 講談社
⇧1巻は、2020/1/9発売
<性別の入れ替わり>
漫画やアニメでは、主人公の意識や記憶はそのままで、性別が入れ替わる作品が数多くあります。
例えば、 『らんま1/2』『君の名は』『山田くんと7人の魔女』『思春期ビターチェンジ』『WHITE NOTE PAD』『オレが腐女子でアイツが百合オタで』などです。
自身の性別が変更されるだけの場合もあれば、他の人物と身体が入れ替わる場合もあります。
性別入れ替わり漫画の特徴は、主人公たちがそういう体質や境遇を不本意だと思っている点です。
つまり、なりたくて性別を変更しているわけではないのです。
彼らは仕方なくそういう状況を受け入れて、周囲の人間に気づかれないように気をつけたり、以前までの自分に近づけた生活を送ろうとします。
身体が変わってしまった自分と本来の自分とのギャップが、このジャンルの作品の面白さと言えます。
一方、これから紹介する『川島芳子は男になりたい』の主人公は、性別を変更したいと積極的に考えています。
「周囲の人間にバレないように・・」といった心配は一切しません。
逆に、自分は男であると名乗るほどです。
珍しいタイプの漫画です。
ちなみに、川島芳子(1907~1948)は実在の人物です。
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<あらすじ>
1924年11月。
17歳になった川島芳子は、日本から上海に渡ってきました。
すべてが手に入るというこの街で、長年の夢を叶えてもらおうと考えたのです。
それは、「男になる」という望みです。
川島芳子は、上海の【王】がいるサスーン商会を訪れました。
【王】と面会が叶い、自分の望みを伝えたところ、事情を話すよう言われました。
川島芳子には二人の父がいました。
愛新覚羅善耆(あいしんかくら ぜんき)と川島浪速です。
前者は清の粛忠親王(皇族)で、後者は満蒙独立運動の先駆者です。
芳子は二人の薫陶を受けて育ちましたが、自分が女であることから、その教えに従って生きられないことを悔しく思っていました。
本当は国家の大業を担うような冒険がしたくて、父たちが誇れるような男になりたかったのです。
事情を聞いた【王】は、芳子の願いを叶えてあげることにしました。
まずはお試し期間として、一時的に男になる施術が提案されます。
完全に女を捨ててから後悔しても、取り返しがつかないからです。
芳子は覚悟を見くびられたようで少々不服でしたが、本手術は費用が高いこともあって渋々承諾しました。
そして彼女は催眠術によって、ある条件を満たした時のみ男の身体になる体質になりました。
【王】は芳子に、施術の代価としてある仕事を要求しました。
清朝最後の皇帝・溥儀を、紫禁城から逃がそうとしている軍人の手伝いです。
清が滅んでから溥儀はずっと軟禁されており、彼を自由の身にすることが、芳子に課せられたミッションです。
国家の大業や冒険に憧れていた芳子にとって、それは願ってもないことでした。
芳子はさっそく手伝いをする人物・田中隆吉と合流します。
そして自分が、清朝の皇族・第10
芳子は自分が溥儀救出作戦の役立つはずなので、田中の弟子にしてくれるよう頼みました。
しかし田中は「女には危険すぎる」と言って、芳子が作戦に参加することを断りました。
芳子は諦めきれず、田中の後をこっそり付け回します。
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<まとめ>
国家の大業を担うような冒険に憧れる主人公・川島芳子。
彼女は条件を満たせば男の身体になれる手術を受け、清朝最後の皇帝・溥儀を救出する作戦に参加します。
芳子が憧れているのは男の肉体ではなく、男の生き方や社会的役割です。
女として差別されることがなければ、女として生きていたでしょう。
彼女は男であり女でもある体質をうまく使って、スパイとして立身出世していきます。
川島芳子は実在の人物なので、今後史実をどう解釈して描かれていくのか楽しみです。
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