紙の本を読みなよ

主に読み終わったマンガ、小説、その他の本についての感想です

【読書術・初心者向け(6)】信頼できる書評家を見つけろ

「何から読んでいいか分からないよ」という方には、

誰かにオススメを紹介してもらうのもいいかもしれません。

小説だけに限らず、何かの勉強をするときは押さえておくべき入門書を詳しい人に聞くのが手っ取り早いし、間違いが起こりにくいです。

 

まず書評家ってどうやって探すの?

と思われるかもしれません。

インターネットで検索してみると、膨大な数の書評サイトが見つかりますよ。

 

新聞の書評欄には何人かの書評家が数冊ずつ新刊を紹介・解説しています。

朝日新聞だと毎週日曜の朝刊にあります。)

大きめの書店には、その新聞の書評をチェックした書店員さんが午前中に揃えてくれているので、専用コーナー(新聞の書評コーナー)に午後から行けば新聞を買わなくても5,6誌くらいのその週の書評が読めますし、気になればすぐ買えるようにしてあります。

 

あるいは文芸雑誌でも本は紹介されています。

ダ・ヴィンチ」はわりと一般大衆ウケを狙って作られているのでとっつきやすく、初心者には馴染みやすいと思います。多くの芸能人が多めのページ数を使って紹介しているので、この人が紹介しているなら読んでみようかなという気にさせてくれます。

 

僕は「本の雑誌」「SFマガジン」を毎号チェックしています。

年末には「このミステリーがすごい」を毎年買っています。

 

ピースの又吉さんは「アメトーーク」で、純文学寄りの文芸誌をチェックしているとおっしゃってました。どれかは忘れました。すみません。

ちなみに文芸誌というのは、「文藝春秋」や「小説すばる」、「オール讀物」、「群像」、「小説新潮」、「小説現代」などの雑誌のことです。

 

こういった様々なメディアで本が紹介されています。

「この人が紹介する本って毎回面白いな」という出会いがあるはずです。

どの書評家が面白い本を紹介するかを、人に聞いても意味がありません。

これは自分の感性と近い書評家を探す行為だからです。

自分で信頼できるキュレーターを見つけられると、面白そうな本を見つけるのがより楽しくなりますよ。

 

あと、書評家も自分の得意ジャンルというのが必ずあります。

何が得意そうなのかは、書評家の経歴を調べれば分かります。

「ミステリー」だったらこの人、「SF」だったらこの人の紹介してるものだったらまず間違いない・・・というのをジャンルごとに見つけられればより強いです。

 

【ノンフィクション】『人間臨終図巻』—コンセプトに脱帽。一家に一冊常備すべし

『人間臨終図巻』山田風太郎 / 徳間書店

世界の(主に日本の)偉人、有名人が何歳でどんな死に方をしたのかを羅列した事典です。(図巻といいつつ図はありません)

10代で亡くなった人から順番に並んでいるので、関係性に脈絡はなく、だからこそ面白い。

 

「この人ってこんなに早くに亡くなっていたんだ」とか

「この人とこの人って同じ歳で亡くなったんだ」とか

ただ眺めているだけで面白い本です。

 

僕が驚いたのは、樋口一葉が24歳で亡くなっていたことです。

5000円札肖像画?からはもっと存命された後に「たけくらべ」を書いたのだと何となくイメージを持っていました。全然違いました。

 

吉田松陰もなんと29歳で亡くなっています。

多くの傑物を輩出した松下村塾を立ち上げた人物ですので、40代くらいまでは生きていたんじゃないかというイメージがありますよね。

 

多くの偉人たちが、若くして亡くなっているのだと知れば、

一体、今の自分は何をやっているんだと奮起のキッカケにもなってくれます。

 

いつでも読み返せて、その時々で注目する人物は違ってくるはずなので毎回違った読み方ができる本です。

 

座右の書の一つとして、常備しておくべき本。

 

【小説・ミステリー】『その女 アレックス』―真実よりも大切なもの

『その女 アレックス』ピエール・ルメートル / 訳:橘明美 / 文藝春秋

これは確実に「大当たり」のミステリー。

(面白いものが海を渡って翻訳されるわけなので、

海外ミステリーに「ハズレ」はそもそも少ないですが。)

 

 序盤で誘拐・監禁モノのサスペンスかなと思っていたら

中盤にさしかかる前に脱出成功。

この脱出劇だけ取っても非常に面白い。

 

一体、物語はどこへ向かうのか。

その後の展開は逆転し、驚愕の結末へ。

 

責められるべきなのは一体誰なのか?

 

シリーズ第2作目ですが、いきなりこの本から読んでも問題ありませんでした。

優れたシリーズものは、どこから読んでも面白いように書かれてあるものです。

この作品はまさにそれです。

 

ミステリーでトリック以外に感動することはあまりありませんが、

これはストーリーにも感動します。素晴らしい! 

 

 真実よりも正義を優先する。

フランスの警察ってのは粋な連中だぜ~!

 

【読書術・初心者向け(5)】複数冊を同時に読め

初心者は1冊読み切ってから次の1冊に移ろうとします。

 でも律義にそんな順番なんて守らなくてもいいんです。

日本人(特に大人)は真面目で頭が固すぎます。

 

1冊読んでても読み通すのが辛かったら

別の本を読んで気分転換すればいいんです。

僕は飽きっぽいので、その理論で5,6冊同時進行で読んでます。

 

混乱しないのか心配になる方もおられるでしょう。

でもやってみれば意外と何の混乱もなく読めるものです。

人間の頭はそれくらいの切り替え機能は備わってます。

 

10冊くらい同時進行させて読んでいたときに

3冊くらいで電車の中のシーンが出てきたので

その時は一瞬混乱しましたが、その程度です。

 

おそらく20、30冊同時進行でも混乱しないはずです。

それくらい、世の中にある本で、似通っているものなんて無いということです。

 

学校の勉強だって、1年生で国語やって2年生からは数学やって・・・

なんて方法はやらないでしょう?

同じことです。

複数の別ジャンルのことを同時進行でやるからこそ、各個の理解もより深まるし、シナジー効果も生まれやすい。

ある本を読んでいるとき、別のジャンルの本を読み始めたら同じ言葉や概念、事象が語られていたりするセレンディピティがたまに起こる時があります。1年に2回くらい起きます。奇跡的な偶然に出会うと嬉しくなりますよね。そういうのは記憶に残りやすいですし、1冊1冊順番に読んでいたら起こりえないことなので、複数同時読みの醍醐味でもあります。

 

そして複数同時進行の方が、読むのにかかる合計時間は1冊ずつ読むよりも短くなるんです。嫌々読み進めているわけではないので、集中してる時間が結局長くなるからでしょうか。

 

メリットだらけで、デメリットはない(ように思えます。)

お試しあれ。

 

大体、通学通勤時、皆さんはハードカバーの本をカバンに入れているのでしょうか?

ハードカバーは重いしかさばるので、出来れば文庫本の方がいいですよね。

そうすると通学通勤は文庫、家ではハードカバーになって、自然と複数冊同時読みになってしまうと思うのですが・・・僕だけでしょうか?

通学通勤時は電子書籍が当たり前の時代なんでしょうか。

でも紙の新聞を広げている方もまだ散見されますよ。

 

ちなみにカバンの中に本が1冊も入っていないという状況は想定しておりません。

そんな方本当にいます?

 

【小説・経済】『銭の戦争』――読むと投資がしたくなる

『銭の戦争』(全10巻) 波多野聖 / 角川春樹事務所

相場師の話。

現代において、株やFXをやって勝っている人たちはどこかクレイジーな部分を持っていると僕は思っています。

相場の世界は9割が負けると言われていますので、1割の勝者たちは一般大衆とは異なった視点・考え方・精神性を持っているのではないか。

そういったものを垣間見せてくれる作品。

相場で勝つということはどういうことなのか。

 

著者の経歴では金融業界におられたそうで、説得力のある描写がなされています。

 相場の空気感というのでしょうか。

 

10冊と聞くと大長編のように思われますが、実際は1冊250ページくらいの薄い本なので、読みやすいです。

だから全部で2500ページくらい。

京極夏彦の「京極堂」シリーズ2作分ほどしかないのですぐですよ。

 

時代背景は明治~大正昭和初期まで。

世界大戦あり、世界恐慌あり。動乱の時代。

インターネットも、仮想通貨も、AIも、携帯電話すらない時代。

情勢の読み方、相場への仕掛け方、相場心理の読み方。

アナログだけど、本質的なことが書かれています。

 

へうげもの』(山田芳裕講談社)を読めばよくわかりますが、「茶の湯」と「相場」の対比を論じてあるのはこの小説だけでしょう。

着眼点がいいですね~。

 

 

【FX】激動の1週間

今週は本当に大イベント連続の毎日でしたね。

 

米朝首脳会談から始まり、

FOMC政策金利発表と今後の利上げペース想定、

ECB(欧州中央銀行)の政策金利発表と量的緩和終了の発表、

日銀の政策金利発表、

アメリカの中国に対する関税の詳細発表と報復関税の貿易戦争懸念。

 

相場から目が離せなくてかなり疲れました。

中でも、ユーロの量的緩和終了の期待感から1週間前から上昇を始めていたのに、

いざ発表があったら暴落したのには驚きました。

最近、ユーロ円のボラティリティが高くて心臓に悪いです。

 

この1週間を終えて、各通貨の方向性も定まってきましたね。

来週からはユーロドルが下落しそうで、かなり期待してます。

 

まあ米中の関税のかけ合いがあるので、

来週序盤はドルが少し下げる(つまりユーロドルは上昇する)も

週末にかけては下落していくのではないかと予想しています。

 

来週が楽しみですねぇ(^_^)

 

【マンガ】『ACCA 13区監察課』(全6巻)―俺は部下たちのことは優秀じゃないと思うことにしてる

『ACCA 13区監察課』オノナツメ / スクエニ

お菓子を食べるマンガではありません。

もらいタバコのジーン(主人公)が監察のために各地を訪れ、問題を解決しながらも世界規模の陰謀に巻き込まれていくお話です。

 

各区のエピソードも面白い。

現実の世界において各国いずれも、監察員が来たら管理職は都合の悪いこと(藪蛇になりかねないことも)は隠すし、現場の人間は知っているけど上層部までは報告が届いていなくて、「そんな事実はない」と管理職の人間は言うけれど、実際は異なることもよくあることです。

 

監察員は疑うのが仕事。

部下の報告を鵜呑みにしていたら現実は把握できない。

だから「部下のことは優秀じゃないと思うことにしている」のだ。

本当は優秀だと思っている裏返しともとれる。

 

オノナツメ作品はどれもがそうですが、ミステリアスで色気ある男たちを描くのが上手いですね。男でも憧れるでしょう。

こういう謎めいたオーラを醸し出すにはどうしたらいいんでしょうね。