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【小説】『騙す衆生』―詐欺稼業で人生逆転を狙え【このミステリーがすごい2020・7位】

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『騙す衆生』月村 了衛 / 新潮社

⇧2019/8/27発売(バードカバー)

『このミステリーがすごい!2020年版』国内編・第7位にランクイン。

 

 

<豊田商事事件>

 この小説は1980年代前半に起きた「豊田商事事件」がモデルになっています。

 豊田商事事件とは、豊田商事による組織的詐欺事件のことです。

高齢者を中心に全国で数万人が被害に遭い、被害総額は2000億円といわれています。

これは日本で史上最大規模の詐欺事件です。

この詐欺事件は社会問題化し、豊田商事会長はマスコミの目の前で殺害されました。

 

詐欺で用いられた手法は、現物まがい商法です。

顧客は金の地金を購入する契約を結びますが、会社は現物の代わりに証券を引き渡しました。

顧客は現物を確認できず、最終的には効力を持たない紙切れ同然の証券が手元に残るだけです。

被害に遭った多くの老人たちは、この詐欺で老後の蓄えを失ったそうです。

 

ちなみに豊田商事は、トヨタ自動車とは全く関係ありません。

豊田という社名にすることで、トヨタ自動車の関連会社であると錯覚させようとしたのです。

 

この小説は、豊田商事会長が殺害された後の、豊田商事の残党たちの物語です。

会長の死亡により豊田商事は倒産することになりますが、詐欺で荒稼ぎした快感が忘れられない元社員たちは、新たに詐欺会社を設立して再び大儲けを狙います。

 

(※小説内では豊田商事の社名が、横田商事に変更されています。)

 

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<あらすじ>

主人公は横田商事の末端営業マン・隠岐隆。

彼は横田商事が悪辣な詐欺商法を働いていると知っていながら、高い給料に惹かれて入社してしまいました。

ところが彼が入社して5ヶ月後、社長がマスコミの前で殺害されました。 

これにより、すでに社会問題になっていた横田商事は倒産しました。

 

5年後の平成2年。

隠岐は小さな事務用品メーカーの営業マンとして、妻と二人の娘を養っていました。

隠岐の営業成績はいつまで経っても上がらなかったので、同僚からはバカにされ、隠岐自身も虚しさを抱えながら仕事をしていました。

とはいえ、詐欺稼業から足を洗ってまっとうな仕事に就けたことに、安心もしていました。

 

ある日、隠岐は居酒屋で因幡という男と再会しました。

因幡は元横田商事の社員です。

彼は隠岐に、二人で会社を立ち上げようと提案してきました。

因幡が手掛けようとしているのは、茨城の山奥の広大な土地を「値上がりする」と偽って売りつける原野商法(詐欺)です。

二度と詐欺に手を染めるつもりはなかった隠岐でしたが、今の会社にいても先行きが見えないので、因幡の提案に乗りました。

 

隠岐と因幡は、県庁の地域計画課の課長を巻き込み、次々と資産を持つ一般人と契約を結んでいきます。

本物の県庁職員の話なので、みんな面白いように騙されていきます。

隠岐は、事務用品の営業をしていた時には感じられなかった興奮を覚えました。

まっとうな仕事よりも詐欺の方が、明らかに才能があったのです。

やがて県庁の課長が末期ガンで亡くなり、隠岐たちは原野商法から手を引きました。

 

次に隠岐たちが考えた詐欺は、和牛商法です。

顧客は牛を購入し、年間の配当をお金ではなく牛肉で受け取ります。その牛が売れればその売上げももらえるという仕組みです。

実態は一頭の牛に何十人もの顧客を重複させているだけで、個人が所有している牛は存在しません。

しかしわざわざ遠くの牧場まで自分が購入した牛を確認しに行く顧客はいないので、詐欺が露見することはありません。

 

和牛商法でも順調に利益を生み出していく隠岐と因幡。

彼らの周りには、かつて横田商事で働いていたメンバーが集まって来て、会社の規模はどんどん大きくなっていきます。

 

果たして、彼らの行きつく先はどんな場所なのでしょうか。

 

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<まとめ>

 昭和の大規模詐欺事件を起こした豊田商事の残党たちが、再起をかけて新たに詐欺ビジネスを始めます。

 登場する詐欺師たちは全員クズなのですが、主人公の隠岐だけは老人を喰い物にする詐欺だけはしないとこだわりを持っています。

しかし隠岐も莫大な借金を抱えており、家族の生活を守るために詐欺行為から抜けられません。

運悪く(運よく?)隠岐に詐欺の才能があったがゆえに、詐欺ビジネスは上手くいってしまいます。

 

果たして詐欺で大儲けして、人生を逆転することが出来るのでしょうか。

終着点が気になる、ノンストップ・サスペンスです。

 

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