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【ノンフィクション】『つけびの村』―限界集落での5人の連続殺人・放火事件

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『つけびの村』高橋ユキ / 晶文社

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⇧2019/9/25発売

 

<限界集落の閉鎖性>

「限界集落」という言葉をご存知でしょうか。

過疎化・高齢化が進んで、社会的共同生活の維持が困難になりつつある集落のことです。

山村地域や離島などでよく見られます。

 

限界集落の特徴として、人口が少ないとか高齢者が多いという他に、交通の便が悪いという点があります。

そのため、完璧に外界から隔絶されているわけではありませんが、その地域への人の出入りは極端に限られています。

ミステリー用語でいう「クローズドサークル」に近い環境です。

 

住人の数は少なく、全員が知り合いなので、連続殺人事件が起きようものなら容疑者は簡単に絞られます

犯人は集落から逃亡することも可能ですが、誰がいなくなったのかはすぐバレるので結局捕まります。

都会や人口がそれなりにいる町で殺人を犯すのとは、ワケが違うのです。

 

これから紹介する『つけびの村』では、限界集落で起きた連続殺人・放火事件を扱っています。

ミステリー小説ではなく、実際にあった出来事です。

犯人はすぐに判明しますが、事件の真相はなかなか見えてきません。

 

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<事件の概要>

事件が起きたのは、2013年7月21日。

舞台は山口県周南市・須金・金峰地区の郷集落です。

そこは周りを山で囲まれた、人口わずか12人の限界集落です。

 住民の誰もが知り合いです。

 

その日の21時。

ある夫婦の家が燃え上がるのを目撃した付近の村人は、慌てて119番に通報しました。

電話を切って再び外に出ると、もう一つ別の家も燃えていました。

集落では二軒の家の消火活動が行われ、約1時間後に火は鎮まりました。

焼けた家の中からは、それぞれ住人が遺体で発見されました。

 

二つの家は70mも離れていました。

間に燃え移るものがないことから、放火ではないかと疑われました。

そして翌日の昼頃、燃えた家とは別の2軒の家から、それぞれ住人の遺体が発見されました。

これにより、5人の連続殺人・放火事件だと警察が認定しました。

 

被害者の共通点は、全員撲殺されていたという点です。

遺体には頭部の陥没骨折に加え、足の殴打痕がありました。

そしてその内の3人には、口の中に棒のようなものをつっこまれた形跡がありました。

口の中は血まみれで、前歯を折られている者もいました。

 

集落には昨晩から自宅におらず、連絡もつかない男がいました。

保見光成(ほみ こうせい)という人物です。

事件発生から5日後、警察は彼を林道で発見し逮捕しました。

逮捕当初の彼は「殺害してその後火をつけた。私がやりました」と犯行を認めていました。

しかし裁判員裁判の初公判で突然、「火はつけていません。頭を叩いてもいません。私は無罪です」と無罪を主張し始めました。

 

事件が起きた村には、地元だけではなく東京からも多くの記者が詰めかけました。

彼らが注目したのは、保見の家のガラス窓に掲げられた不気味な貼り紙でした。

貼り紙にはこう書かれていました。

「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」

 

 この貼り紙は、「犯行予告」だとか「放火をほのめかすメッセージ」だとか、テレビや新聞で何度も取り上げられました。

 しかし真相はそのどちらでもありません。

この村には、もっと込み入った背景があったのです。

 

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<まとめ>

 わずか12人が暮らす村で5人もの人間が殺害された衝撃的な事件は、テレビや新聞だけでなく、ネットやSNSでも話題になりました。

 ネットやSNSでは根拠のない憶測が拡散され、「犯人の保見は村人たちにいじめられていた」という見方が強まります。

著者はそういったウワサを信じず、現地を訪れて関係者に聞き込みをして、事件をきちんと背景まで含めて調べようとします。

 

ウワサはすぐにデタラメだったと分かりましたが、犯行動機は曖昧なままで、著者はこの村には奇妙な価値観が存在していることに気付きました。

最後には、なんとも苦い味の真相が解明されます。

 

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