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【小説・ミステリー】『悪いうさぎ』『依頼人は死んだ』―葉村晶シリーズ【2020年1月~ドラマ化】

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『悪いうさぎ』『依頼人は死んだ』若竹七海 / 文藝春秋

    

⇧両方とも文庫になっています。

 

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【小説】『悪いうさぎ』『依頼人は死んだ』/ 葉村晶シリーズ【2020年1月~ドラマ化】

 

 

<シリーズについて>

「探偵・葉村晶シリーズ」は何冊も世に出ていますが、何をシリーズの最初の一作とするかは少しややこしいです。

長編第一作目なら『悪いうさぎ』。

連作短編を含めるなら『依頼人は死んだ』。

まだ連作短編の主人公になりきれていない頃を含めるなら『プレゼント』になります。

発表順は『プレゼント』『依頼人は死んだ』『悪いうさぎ』です。

その後は『さよならの手口』『静かな炎天』『錆びた滑車』と続きます。

2019年12月5日に新作の『不穏な眠り』が発売されます。

 

 

2020年1月24日からドラマ放送が開始されます。(金曜夜10時~)

ドラマのタイトルは『ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~』。

主演はシシド・カフカさんです。

 

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<『プレゼント』について>

 広い意味でシリーズ第一作といえる短編集です。(8話収録)

葉村晶はまだ主演を務める主人公にはなっていません。

彼女は第1話『海の底』、第3話『ロバの穴』、第5話『あんたのせいよ』、第7話『再生』、第8話『トラブルメイカー』に登場します。

それ以外は小林警部補という人物が主人公です。

8話目で葉村と小林が共演します。

 

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 <『依頼人は死んだ』あらすじ>

 こちらは葉村晶が主人公の連作短編集です。(9話収録)

主演クラスの主人公になったという意味で、シリーズ第一作目といえます。

(※葉村は28歳)

それぞれの話を軽く紹介します。

 

◆第1話『濃紺の悪魔』

探偵を辞めていた葉村が、以前勤めていた長谷川探偵調査所に復職することになります。(※社員ではなくフリー契約)

若い女性の身辺警護の依頼を受けるのですが、彼女にはやたらと敵が多いようです。

自宅のFAXには次々と嫌がらせの文章が送られてくるし、ビルの屋上から植木鉢が落ちてくるし、車に乗り込む寸前に殴り掛かってくる男が現れるし、宅配便で腐った生肉が届けられたりもしました。

ところが依頼人の女は慌てることがなく、葉村はそれに違和感を抱きます。

 

◆第2話『詩人の死』

葉村の親友(相場みのり)の婚約者が、トンネルの入口の壁に車でぶつかって死亡しました。

タイヤ痕から自殺と判断されます。

しかし遺書もなく、知り合いの全員に彼が自殺するような心当たりはありません。

葉村は相場から、自殺の原因を探るよう依頼されます。

 

◆第3話『たぶん、暑かったから』

ある女が会社で上司を刺して、殺人未遂で捕まりました。

しかしその容疑が信じられない母親は、葉村に調査を依頼してきました。

女はよく覚えていないと供述していますが、状況は彼女が刺したことで間違いなさそうです。

さらに彼女が後輩をかばったり、誰かに脅されていた可能性も浮上してきました。

 

◆第4話『鉄格子の女』

大学で書誌学のレポート課題を出された面倒くさがりの青年が、葉村に代筆を依頼してきました。

題材は、自殺した画家の森川早順です。

葉村はその画家を調べていく内に興味がわき、彼の邸宅に行ってみることにしました。

 

◆第5話『アヴェ・マリア』

老婆が教会内で殺害され、そこのマリア像が盗まれる事件が起きました。

 マリア像はその後フリーマーケットで売られていたことが判明しますが、同時期に犯人の家のクローゼットの中にもあったことが分かります。

足の先が欠けているという特徴は共通しています。

一体何が起こったのでしょうか。

 

◆第6話『依頼人は死んだ』

葉村の友人の友人である佐藤まどかの元に、受診しなかった市役所主催の健康診断の結果が送られてきました。

通知書には「あなたは卵巣ガンを発病されている疑いが濃厚です」と書かれていました。

佐藤に相談を受けた葉村は、「ひどい悪戯だ」と一蹴します。

ところが佐藤はその数日後に自殺してしまいました。

周囲はガンを気に病んでのことだと言いますが、とても信じられない葉村は自殺の真相を探ります。

 

◆第7話『女探偵の夏休み』

 葉村は友人の相場みのりの費用持ちで、オーシャンビューの良いホテルに連れてきてもらいました。

相場はやけに気前がよかったので、いつものように妙な依頼人と引き合わせられるのかと葉村は身構えます。

ところがいつまで経ってもそういう展開になりません。

相場の狙いは何なのでしょうか。

 

◆第8話『わたしの調査に手加減はない』

葉村の元に、妙な依頼人がやって来ます。

「昔親しかった友人の夢を最近見るようになった。 友人は何か自分に伝えたいことがあったのではないか。それを調べてくれ」というムチャな依頼です。

調査の結果、依頼人に都合の悪い結論だったとしても、葉村は遠慮なく真実を告げました。

 

◆第9話『都合のいい地獄』

親友を殺害して逮捕された水谷という男が、精神病院で自殺しました。

遺書はありません。

葉村は1年前に面会に行ったきりでしたが、病院の面会記録には、水谷が自殺する数日前まで何度も訪ねて来ていたことになっていました。

おそらく葉村になりすましたその男が、水谷の自殺の引き金になったと思われます。

男の正体や目的は何なのでしょうか。

 

 

いずれの話も大胆なトリックというものはなく、依頼人の奇妙さ犯行動機の意外性が肝になっています。 

 

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<『悪いうさぎ』あらすじ>

 こちらが葉村晶が主人公の長編第一作目です。

 『依頼人は死んだ』から3年後の話です。(※葉村は31歳)

 「不運すぎる探偵」という肩書きは、この本から本領発揮されます。

 

葉村は長谷川探偵調査所と契約したフリーの調査員として、仕事を続けていました。

人手が必要になったら電話がかかって来て、それに応じて駆けつける要員です。

収入には大きな波が出来てしまいますが、彼女にはお金を稼いで良い家に住みたいとか、良い服を着たいとか、安定した会社に就職して働きたいという願望はありません。

 

そんなある日、長谷川所長から仕事の電話がかかってきました。
中堅の探偵会社・東都総合リサーチからの応援依頼です。

仕事内容は、家出中の女子高生(平ミチル)を家に連れ戻すというものです。

さっそく葉村は現場(ミチルが彼氏と同棲しているマンション)に駆け付けます。

 

現場で葉村を待っていたのは、東都リサーチの顔なじみの桜井と、新人社員の世良でした。

女子高生のミチルの説得には、男二人で当たるよりも女の方が適任だという判断で、葉村が呼ばれたのでした。

桜井は慎重に事を進めようとしていますが、世良は口と態度が悪く、不良娘なんか力ずくでさっさと連れていけばいいという乱暴な姿勢を崩しません。 

 

目的の部屋の前に到着した葉村は、インターホンを鳴らしてミチルに事情を伝え、彼女の警戒心を解こうと努めます。

ようやく部屋の扉を開けてもらい、中に入ろうとしたその時、葉村は世良に引きずり倒され、世良が部屋に一気に侵入しました。

世良はそのままミチルの彼氏を嬉しそうに締め上げます。

葉村と桜井はやめさせようとしますが、世良はビクともしません。

葉村はまな板で世良の頭を殴りつけてなんとか彼氏を救出しますが、世良の反撃に合って脇腹をナイフで刺されてしまいました。

 

葉村は、ナイフが肋骨に当たったことで運良く死ぬのを免れました

一方警察に連れていかれた世良は、親のコネを使って、逮捕されることなく釈放になりました。

病院から退院した葉村は、世良からの逆恨みを恐れて特殊警棒を持ち歩くようになりました。

 

退院して怪我が完治する間もなく、葉村にまた仕事依頼がやって来ました。

内容は、家出した女子高生を探して家に連れ戻して欲しいというものです。

解決したミチルとは別件です。

葉村は長谷川所長と一緒に、依頼人の家に向かいました。

 

依頼人の娘・滝川美和は、10日前から行方不明になっていました。

なんと美和は、ミチルの友人でした。

依頼人や家政婦の話だけでは事態が掴めなかったので、葉村はミチルに事情を聞きに行きます。

しかし彼女は肝心な事を何か隠しているようです。

 

その後、ミチルと美和の共通の友人である柳瀬綾子が、井の頭公園で扼殺死体となって発見されました。

すぐに犯人は捕まりましたが、警察署内で自殺してしまいました。

さらにミチルと美和には「カナ」という年上の友人がいて、「カナ」もまた行方不明になっていることが分かります。

 

一体、少女たちはどこへ消えたのでしょうか。

彼女たちの背後には何が起きているのでしょうか。

 

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<まとめ>

 『悪いうさぎ』も『依頼人は死んだ』も、葉村の一人称で物語は進みます。

非常にテンポがよく、無駄のない気持ちのいい文章です。

葉村は辛くても余計に悩みませんし、仕事の進め方も的確で、「仕事のデキる探偵」の見本のような動き方をします。

一方で、依頼人のバカさ、面倒臭さ、頑固さ、理不尽さなども際立っており、彼らに対して葉村が心の中でツッコミを入れるのが面白いです。

 

 『悪いうさぎ』も『依頼人は死んだ』もスカッとするトリックや真相は登場せず、関係者の心情犯行動機の方が重視されています。

つまり人間の多面性や、人間社会のやりきれなさ、人間関係の複雑さが丁寧に描かれているのです。

 

大人のミステリーといえます。

 

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