【小説・ミステリー】『十角館の殺人』―新本格ミステリーのはじまり
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『十角館の殺人』綾辻行人 / 講談社
僕が初めて叙述トリックというものを知った作品です。
著者のデビュー作でもあり、日本ミステリー界で「新本格」が始まったとされる起点となる作品でもあります。「館シリーズ」第1作目。
物語、設定としてはシンプルで、分かりやすく読みやすい。
スタンダードな「絶海の孤島」モノ。
外界と隔絶されて連絡手段が(ほぼ)なく、「密室」「アリバイ」といったキーワードが出てきて連続殺人が起こります。
「ミステリー脳」、「探偵脳」をもつ人間ならば、そういうキーワードを見ただけでワクワクしますよね。(『それでも町は廻っている』の探偵脳定義によればレベル2くらいでしょうか。)
始まり方もカッコイイです。
著者が力んでカッコつけようとしたんだろうな、とは感じましたが、
後々思い返してみれば、結構なアクセントになっていたなと記憶に残ります。
何といってもラストの叙述トリックに驚かされます。
叙述トリックというものを知らない人がそれに初めて触れたとき、一番驚くことでしょう。ミステリーでは物理トリックはやり尽くされており、まだ考案されていないトリックを考えるのは至難の業です。『十角館』以降の日本のミステリーには叙述トリックが増えてきた印象があります。
叙述トリックも面白いのでいいのですが、物理トリックも盛り込まれていた方がなお嬉しいですよね。
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