【広告】

紙の本も読みなよ

読み終わったマンガ、小説、その他の本の中でオススメのものを紹介しています。 ブログのYou Tube動画版(チャンネル名は同じ)もあります ➡ https://www.youtube.com/channel/UCPzX3QHV6x9LM1AMOdme7qw

小説

【小説・ファンタジー】『図書館の魔女』―本格ファンタジーを体感せよ

『図書館の魔女』高田大介 / 講談社 ⇧2016年4月発売。 2013年に出たハードカバー版(上下巻)を、文庫化するにあたって4冊に分けたものです。メフィスト賞受賞作です。 <メフィスト賞> ミステリー好きな方には有名なメフィスト賞ですが、一般には知られて…

【小説・SF】『竜のグリオールに絵を描いた男』―ファンタジー×リーガルサスペンスという斬新さ!

『竜のグリオールに絵を描いた男』ルーシャス・シェパード / 訳:内田昌之 / 竹書房 ⇧2018年8月発売。 SFというかファンタジーです。 表紙の絵がめちゃくちゃカッコイイですね。 『SFが読みたい!2019年版』海外編第2位にランクイン。 ⇩⇩⇩この記事のYou Tube…

【小説・ミステリー】『ガダラの豚』—呪術師が怖い!

『ガダラの豚』中島らも / 集英社 ⇧1996年出版。(全3巻) <呪術師のトリック> あなたは占いを信じていますか? あるいは他人に良くないことをもたらす「呪い」の存在は? または催眠術、テレパシー、透視、超能力はどうでしょうか? 僕は、自分で自分を縛…

【小説・SF】『プレイヤー・ピアノ』—優れたディストピア小説は色褪せない

『プレイヤー・ピアノ』カート・ヴォネガット・ジュニア / 訳:浅倉久志 / 早川書房 ⇧2005年に新装版出版。(現在絶版。古本か電子書籍でのみ入手可能です) <ディストピア小説> SFの中のジャンルの一つとしてディストピア小説があります。 多くは政治や経…

【小説・ミステリー】『青の数学』—数学を解くことを競う意味

『青の数学』王城夕紀 / 新潮社 ⇧2016年7月発売。(全2巻) <社会に出たら数学は使わない?> 皆さんは数学が得意ですか? 僕は苦手です。 そのせいか、数学が出来る人をカッコイイと思ってしまいます。 よく「数学なんて社会に出たら使わないんだから、や…

【小説・文学】『雨・赤毛』―短編にこそ意外なオチを!

『雨・赤毛』サマセット・モーム / 訳:中野好夫 / 新潮社 ⇧1959年出版。短編集です。 <サマセット・モーム作品> サマセット・モームといえば『月と六ペンス』が超有名ですね。 ゴーギャンをモデルとした天才画家の情熱と狂気を描いた作品です。 主人公・…

【小説・文学】『甘美なる作戦』―恋愛小説にもトリックは必要だ

『甘美なる作戦』イアン・マキューアン / 訳:村松潔 / 新潮社 ⇧2014年9月発売。 文庫化はまだされていません。 <後方支援のスパイ> スパイといえばジェームズ・ボンドを連想される方も多いと思います。 彼らは危険と隣り合わせの仕事に就き、華麗でスリリ…

【小説・文学】『幼女と煙草』―弱さをを装うのは暴力だ

『幼女と煙草』ブノワ・デュトゥールトゥル / 訳:赤星絵里 / 早川書房 ⇧2009年10月発売。 絶版にはなっていませんが文庫版はありません。 <卑怯な生存戦略> 現代社会の中で優位な立場で生きていくためにとられる戦略で、卑怯で陰湿なものは何でしょうか?…

【小説・ミステリー】『アンデッドガール・マーダーファルス』—怪物たちの本格ミステリー

『アンデッドガール・マーダーファルス』青崎有吾 / 講談社 ⇧2015年12月発売。 講談社タイガというレーベルから出ている文庫書き下ろしです。 (つまりハードカバー版はありません。) 現在では月刊シリウスからマンガ版も発売されています。 <特殊設定下で…

【小説・ミステリー】『がん消滅の罠 完全寛解の謎』―免疫を使ったトリック!

『がん消滅の罠 完全寛解の謎』岩木一麻 / 宝島社 ⇧文庫版は2018年1月発売。 <がんについて> がんは今や、日本人の二人に一人はなると言われています。 そして三人に一人はがんで死ぬとも。 誰もががんになりたくないと願いつつも、長年、日本人の死因第1…

【小説・ミステリー】『FEED』―底辺少女たちの運命の分岐点

『FEED』櫛木理宇 / 新潮社(『少女葬』に改題) ⇧2016年5月発売。 ハードカバーです。 『少女葬』と改題されて、文庫版が2019年4月に発売されました。 <作風紹介> ミステリーでは普通、謎に焦点が当てられてストーリーを牽引していくものですが、 この作…

【小説・文学】『ブッチャーズ・クロッシング』―やりすぎ自分探しの旅

『ブッチャーズ・クロッシング』ジョン・ウィリアムズ / 訳:布施由紀子 / 作品社 ⇧2018年2月発売。 文庫化はまだされていません。 <自分探しの旅> 若い頃には、「自分探しの旅」に出かけていく人もいます。 これから自立しようかという年頃には、 親の庇…

【小説・ミステリー】『人間の顔は食べづらい』―本格ミステリー+スプラッターホラー

『人間の顔は食べづらい』白井智之 / 角川書店 ↑文庫版よりもハードカバー版の方が不気味ですね。 ハードカバー版を買いました。 文庫版は2017年8月発売です。 <奇才のデビュー作> 著者の白井智之氏といえば、『このミステリーがすごい!2019』で 『少女を…

【小説・SF】『アリスマ王の愛した魔物』―数えることに取りつかれた男

『アリスマ王の愛した魔物』小川一水 / 早川書房 ⇧2017年12月発売。 文庫です。ハードカバー版はありません。 <幅広いタイプのSF小説を書き分ける作家> 著者の代表作といえば、今や『天冥の標』シリーズになっていますが、 その他にも数多くの名作を生み…

【小説・SF】『第四の館』―ユーモアと緊迫感は反比例する

『第四の館』R・A・ラファティ / 訳:柳下毅一郎 / 国書刊行会 ⇧2013年4月発売。 アメリカでは1969年に発表された作品です。 <あらすじ> 主人公のフレッド・フォーリーは新聞記者です。 彼は変な記事を書いてばかりいるので、上司にクビにするぞとよく怒ら…

【小説・文学】『一千一秒物語』—美しさ=はかなさ?

『一千一秒物語』稲垣足穂 / 新潮社 ⇧1969年出版の短編集。 表題作は1923年に発表されたものです。 <ピース・又吉さんのおすすめ本> この本は、お笑い芸人のピースの又吉さんがおすすめされていたので買いました。 僕は又吉さんが好きなのですが、本の趣味…

【小説・伝記】『遠き落日』―ビッグマウスの世渡り術

『遠き落日』渡辺淳一 / 講談社 ⇧角川文庫からは1982年に出ていますが、講談社からは2013年に出版されました。 上下巻に分かれています。 <野口英世の異色の伝記> この本は、細菌学で有名な野口英世の伝記です。 「日本の偉人たち」といえば、野口英世の名…

【小説・文学】『奇跡も語る者がいなければ』—奇跡はいつでも起きている

『奇跡も語る者がいなければ』ジョン・マグレガー / 訳:真野泰 / 新潮社 ⇧2004年11月発売。 文庫化はされていません。 タイトルがいいですね! 原題は『If Nobody Speaks of Remarkable Things』。 「Remarkable」は「注目すべき」とか「驚くべき」とか「特…

【小説・文学】『不敗の村』—ベトナム人作家から見たベトナム戦争

『不敗の村』グエン・ゴック / 訳:池上日出夫 / 新日本出版社 ⇧1966年出版。当然ですが絶版。 「世界革命文学選・第28巻」に収録してある版を買いました。 別にこのシリーズを買っているわけでも、27巻まで読んだわけでもありません。 古書即売会に行ったら…

【小説・SF】『Ank:』佐藤究—暴力の感染メカニズム

『Ank: a mirroring ape』佐藤究 / 講談社 ⇧2017年8月発売。文庫版は未発売です。 カテゴリーは「SF」にしましたが、「ミステリー」としても読めます。 それぞれの要素が半々くらいの絶妙なブレンド具合です。 著者が『QJKJQ』で江戸川乱歩賞を受賞したこと…

【小説・ミステリー】『数字を一つ思い浮かべろ』―冷静な緻密さと狂気が同居した執念のトリック

『数字を一つ思い浮かべろ』ジョン・ヴァードン / 訳:浜野アキオ / 文藝春秋 ↑表紙がカッコイイ! 『このミステリーがすごい!2019』第9位。 著者のデビュー作だそうです。 <数字を言い当てるトリック> トランプのマジックで、数字と絵柄を当てるネタがあ…

【小説・文学】『堆塵館』―想像力の飛翔

『堆塵館』エドワード・ケアリー / 訳:古屋美登里 / 東京創元社 ↑表紙は一見不気味ですが、ジッと見ているとなんだか味わいが生まれてきます。 著者は作家であると同時に挿絵も自分で描いています。(表紙も) 2016年のTwitter文学賞で2位獲得。 この本を手…

【小説・ミステリー】『血の探求』—ほぼ盗み聞きだけで構成されたミステリー

『血の探求』エレン・ウルマン / 訳:辻早苗 / 東京創元社 ⇧5年前の本なのに文庫にはなっておらず、現在、新刊状態でも入手不可です。 中古でのみ入手可能です。 「殺人事件」が起きて、「探偵」が「推理」して、「犯人」を当てるものだけが 「ミステリー」…

【小説・SF】『犬の心臓』―ロシア風「アルジャーノンに花束を」

『犬の心臓』ミハイル・A・ブルガーコフ / 訳:水野忠夫 / 河出書房新社 ⇧ハードカバー版の表紙の方がカッコイイ! <あらすじ> 雪が降る極寒の冬。ロシア革命が終わった頃(1920年くらい)。 モスクワでは未だ人々は困窮していました、 人間だけでなく、道…

【小説・文学】『俺の職歴』—ロシア版・筒井康隆

『俺の職歴』ミハイル・ゾーシチェンコ / 訳:クーチカ / 群像社 <久々にジュンク堂に行ったときに、この本を見つけました。> 何かのフェアに含まれていました。 大型書店の魅力は、街の中小書店には並んでいない珍しい本に出会えることです。 Amazonにも…

【小説・ミステリー】『イデアの影』―思わせぶりな小説

『イデアの影』森博嗣 / 中央公論新社 ↑2018年11月文庫化になりました。 <著者の森博嗣氏はミステリー作家です。> 他のジャンルの作品や新書も出版されていますが、著作の大半はミステリーです。 だから著者の本を手に取る方は、「これは小説だし、たぶん…

【小説・SF】『ダールグレン』―たまには歯ごたえのある小説を

『ダールグレン』サミュエル・R・ディレイニー / 訳:大久保譲 / 国書刊行会 ↑真っ黒な表紙に、黒い文字でタイトルと作者名が入っています。 カッコイイのですが、かなり見にくい(;^_^A デザイナーさん、攻めすぎでしょ。 <滅びの都市ベローナ> 主人公の青…

【小説・ミステリー】『13・67』―リバース・クロノロジー(逆年代記)の手法がカッコ良すぎ!

『13・67』陳浩基 / 訳:天野健太郎 / 文藝春秋 ⇧文庫は今のところ未発売です。 去年『このミステリーがすごい』海外編で第2位を獲得しました。 <安楽椅子探偵> 「安楽椅子探偵」という言葉をご存知でしょうか? ミステリーにおける「普通の探偵」は、事件…

【小説・ミステリー】『碆霊の如き祀るもの』―提示される70個もの謎!

『碆霊の如き祀るもの』三津田信三 / 原書房 ↑表紙怖すぎ!『このミステリーがすごい!2019』第6位。 「碆霊」は「はえだま」と読みます。 読んでから知ったのですが、これはシリーズものです。 刀城言耶(とうじょうげんや)シリーズの9作目らしいです。 別…

【小説・SF】『アンダーグラウンド・マーケット』―仮想通貨に関する先見性に脱帽!

『アンダーグラウンド・マーケット』藤井太洋 / 朝日新聞出版 この小説はもともと短編(中編?)として発表されました。 同じ舞台と同じキャラクターたちの二つの物語が合わさった形で文庫本として構成されています。第1話、2話ととらえてもよいです。 第1話…

紙の本も読みなよ / A-key-Hit