【マンガ】『戦争は女の顔をしていない』1巻―独ソ戦争に参加した女性たち
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『戦争は女の顔をしていない』小梅 けいと / 原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ / 監修:速水 螺旋人 / KADOKAWA
⇧1巻は2020/1/27発売
独ソ戦争で、前線に参加した女性たちの話です。
この漫画の原作は、2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんです。(訳:三浦みどり / 岩波現代文庫)
<独ソ戦争について>
独ソ戦争とは、第二次世界大戦のうち、ドイツとソ連の間で展開された戦争のことです。(1941年6月~1945年5月)
もともとドイツとソ連は、1939年に独ソ不可侵条約を結んでおり、お互いに戦わないことにしていました。
しかし1941年6月に突如ドイツが条約を破り、ソ連に侵攻してきたことで戦争は始まりました。
ドイツの侵攻は不意打ちとなり、ソ連領の奥深くまでが戦場になりました。
最終的にはソ連はこの戦争を耐え抜き、ドイツの首都ベルリンを攻略し、ナチス・ドイツを倒すに至ります。
しかしその犠牲は極めて大きく、ソ連は軍人・民間人を合わせて2700万人が亡くなりました。
一方、敗戦国側のドイツの戦死者の数は800万人でした。
当時のソ連軍の特徴として、前線に女性兵士も多数参加していました。
男女同権を唱える社会主義の理想がそれを後押ししたのです。
そして彼女たちは男性と違って徴兵されたわけではなく、自らの意志で戦場に向かいました。
動機は愛国心や敵への憎悪など様々です。
とはいえ男性と同じように動けるはずもなく、非常に苦労されたようです。
この漫画では、そんな独ソ戦争の前線に参加した女性たちの体験談が描かれています。
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<あらすじ>
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍しました。
看護婦や軍医だけでなく、兵士として戦争に参加した人達も大勢います。
戦後、そういった戦争体験は隠され、語られることはありませんでした。
しかしジャーナリストであるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんの聞き取り取材により、500人にのぼる証言が集められました。
この漫画の1巻では7話が収録されており、
洗濯部隊、軍医、狙撃兵、衛生指導員、看護婦、高射砲兵、通信兵、一等飛行士、機関士など様々な役職に就いた女性兵たちが登場します。
いずれも過酷なエピソードが語られています。
その中の通信兵の話を以下で紹介します。
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マリヤ・セミョーノヴナ・カリベルダ軍曹は、通信兵として前線に参加しました。
彼女は長く「女であること」でバカにされ続けていたので、男の兵士に劣らないことを証明しなければならないと考えていました。
「やっぱり女は・・」と言われないために、男たちよりも頑張って働きました。
暑い夏、毎日 30kmの行軍がありました。
200人の女性兵士の後を、200人の男性兵士が歩いています。
マリヤたちが通った後には赤いシミが砂に残りました。
生理の血です。
ソ連軍には女性用下着はもちろん、脱脂綿や包帯すら不足していたので、女性兵士たちはズボンを血だらけにしながら歩くしかなかったのです。
血が乾ききったズボンはガラスのようになり、さらに内側の皮膚を傷つけます。
マリヤたちが渡河点に着いた時、ドイツ軍の空爆が始まりました。
男たちは急いで物陰に隠れましたが、女たちは爆撃の音もかまわず河に向かって走り出しました。
一刻も早く水の中に入って、ズボンの血を洗い落したかったからです。
数人の女性兵士たちは、そのまま水の中で空爆を受けて亡くなりました。
生き残ったマリヤは後に語ります。
「恥ずかしいって気持ちは、死ぬことより強かった」
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<まとめ>
独ソ戦争で前線に参加した、女性兵士たちのエピソード集です。
男性兵士たちももちろん過酷な戦場で苦労してはいますが、女性兵士ならではの苦労もあります。
洗濯部隊の現場の悲惨さなどは、他ではあまり知ることのできない話です。
日本以外の戦争にも興味を持っている方におすすめです。
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