【マンガ】『ヘテロゲニア リンギスティコ』―言語学は人間の視野を広げる【このマンガがすごい2020・17位】
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『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』瀬野反人 / KADOKAWA
⇧1巻は2018/12/4発売。
最新刊の2巻は、2019/10/4に出ました。
『このマンガがすごい!2020』オトコ編・第17位にランクイン。
<異種族言語学とは>
「言語学」という学問をご存知でしょうか。
世界中にある言語の構文や意味などを、科学的に研究する学問のことです。
「科学的」というのは、法則性や制約、あるいはそれらの発生原因を明らかにするという意味です。
現代言語学では、現存する言語に優劣をつけていません。
ただそれぞれの言語の関連性や違いに注目するだけです。
言語学では、人が話す言語を取り扱います。
とはいえ、人だけが言語を使っているわけではありません。
他の動物にも簡単な言語が存在すると言われています。
鳴き声や特定の行動などを示すことで、同種族間ならすぐに意味が分かるメッセージになっているのです。
情報伝達の手段を「言語」とするなら、人以外の生物も言語を使っていると言えます。
この漫画では、人以外の生物(魔物)の言語について研究する様子が描かれます。
つまり「異種族言語学」です。
対象となる生物は架空の生き物たちですが、数少ない情報だけを頼りに、未知の言語を少しずつ解明していく過程は、実際の言語学に通じるものがあります。
類推力や想像力、自分の常識を疑う力が非常に重要なことが分かります。
人間のちっぽけな固定観念を壊してくれる漫画です。
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<あらすじ>
言語コミュニケーションの研究者である青年・ハカバ。
彼の師事する教授が体を壊したため、教授が取り組んでいた現地調査を引き継ぐことになりました。
「現地」とは魔界のことでした。
魔界は気球で来れる場所にあるのですが、世界地図のどこにあるのかは不明です。
気球から魔界に降り立ったハカバは、現地ガイドと合流するために、指定された集落へ向かいました。
ガイドを務めるのは「ワーウルフ」というモンスターです。
もちろん人間の言語は話せません。
人間がワーウルフの言葉で話しかけて会話するのです。
ワーウルフの集落に到着したハカバは、ガイドのススキを紹介されました。
ススキは人間とワーウルフのハーフで、人間の言葉も話せます。
彼女はまだ子どもでしたが、どちらの言葉も通訳できるので、ハカバのフィールドワークに適した人材なのです。
ハカバもワーウルフの言葉を多少話せますが、彼らの文化や価値観についてはほとんど知りません。
ススキにワーウルフの村を案内してもらいながら、ハカバは彼らと挨拶をしていきます。
彼らは獰猛だというウワサがありましたが、実際は礼儀正しい種族でした。
そして彼らが親愛を示すボディランゲージは、顔をなめ合うというものでした。
ハカバは戸惑いながらも村のワーウルフ全員と顔をなめ合い、口の中が毛だらけになってしまいました。
ススキの家に宿泊させてもらったハカバは、一夜明けて妙なことに気付きます。
昨日仲良くなったはずのワーウルフたちが、挨拶をしても無視するのです。
しかもハカバに対してだけではなく、ワーウルフたち全員がお互いに無視し合っているようなのです。
コミュニケーションの冷え切った村なのかと勘違いしそうになるハカバでしたが、しばらくすると真相にたどり着きました。
果たして、ワーウルフたちがお互いに無視し合っていた理由は何なのでしょうか。
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<まとめ>
人間ではなく、異種族(魔物)を対象とした言語学の漫画です。
学者の青年・ハカバが現地調査をして、様々な種族の言語形態を解明していきます。
よく分からない鳴き声や行動の意味が少しずつ解き明かされていく過程は、人間がいかに凝り固まった思い込みに支配されているのかを気づかせてくれます。
つまり、人間はコミュニケーションで視覚と聴覚を重視しすぎていて、それが全ての生物で当たり前のことだと思っているのです。
読めば、自分の視野を広げることができる漫画です。
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