【マンガ】『AIの遺電子』―人工知能専門の医者がヒューマノイド達を救う
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『AIの遺電子』山田胡瓜 / 秋田書店
⇧全8巻で完結しています。
続編の『AIの遺電子 RED QUEEN』は、2019年8月に5巻が出て完結しました。
<ヒューマノイドとは>
「ヒューマノイド」という言葉をご存じでしょうか。
人間に似せたロボットという意味で、「アンドロイド」とほぼ同じです。
どちらもSF用語であり、明確な定義はありません。
つまり、どのレベルまで人間と似ていれば「ヒューマノイド」と呼ぶのかは、作品次第だということです。
この漫画で登場するヒューマノイドは、外見からは人間と区別できないほど似ています。
容姿はもちろんのこと、感情表現や表情の作り方、運動能力、食事、恋愛など、あらゆる点で人間に似せた反応が設定されています。
アイザック・アシモフが提唱した「ロボット三原則」(人間への安全性、命令への服従、自己防衛)は採用されていません。
ヒューマノイドが人間と同じような権利を持つことを、社会で認めているからです。
つまりヒューマノイドが人間を傷つけることも起こりますし、人間に逆らうこともあります。
この漫画では、ヒューマノイドの肉体も人間と同様に歳を取りますが、若い体に乗り換えることもできます。
だからヒューマノイドの実際の年齢は、外見からでは判断できません。
また、脳のバックアップ(コピーや交換)だけは違法だと定められています。
例えば、犯罪に利用されやすい人格は、オリジナルが死んでも永遠にコピーされ続けてしまう可能性があるからです。
技術も法整備も、現代社会よりも圧倒的に進歩している世界ですが、まだまだ人間とヒューマノイドの間にトラブルは起きています。
この漫画は、そんな人間とヒューマノイドが共に暮らす社会を舞台とした、SF医療漫画です。
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<あらすじ>
国民の1割がヒューマノイドとなった近未来。
主人公の須藤は、人工知能(ヒューマノイド含む)専門の医者として暮らしていました。
彼は人間であり、助手の看護師・リサはヒューマノイドです。
須藤の医者としての腕は良く、闇医者としての顔も持つことから、正規の医者には診せられない患者たちは彼の元を訪れます。
ある日、須藤は依頼を受けて、とあるヒューマノイド夫婦の自宅を訪れました。
実は妻は1か月前、階段でつまづいて派手に頭を打っていました。
心配した夫は、違法と知りつつ妻のバックアップデータを取っておきました。
妻の頭が支障を来した場合の、予備の人格です。
そして昨日から妻の体の震えが止まらなくなり、須藤に治療を依頼したわけです。
須藤はすぐに違法なバックアップが行われたことを見抜きました。
妻がウイルスに感染していて、あと半月もすれば抜け殻になってしまうことも。
感染の原因は、バックアップ時の外部接続です。
違法な手段に安易に手を出した夫を軽蔑する須藤でしたが、感染していないバックアップデータを今の人格と入れ替える手段を夫婦に提示しました。
今の人格のまま治療をするのは不可能だからです。
バックアップデータと入れ替わると、バックアップを取った時から現在までの記憶(思い出)は、当然ですが全部失われます。
とはいえ、今のままだとまもなく人格が死滅してしまいます。
夫はバックアップと入れ替えることを望み、妻もその意見に賛成しました。
しかし妻は、今の自分の人格が消されてしまうことに恐怖を覚えました。
また、そのヒューマノイド夫婦には、養子である人間の娘がいました。
彼女もバックアップと入れ替えるしかないことを理解しましたが、その人格は、今のウイルス感染しているママと同じママだと言えるのかと不安を覚えます。
果たして、バックアップと入れ替わった後の妻は、家族からどういう反応をされてしまうのでしょうか。
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<まとめ>
人間とヒューマノイドが共に暮らす近未来を舞台とした、SF医療漫画です。
あまりにもヒューマノイドが人間に似てしまったので、人間もヒューマノイドも、お互いの些細な違いが気になるようになってしまいました。
生物ではないヒューマノイドが、感情や独立した意志を持っているように振る舞うため、心とは何か、感情とは何か、独立した意志とは何かといった問題が、より強烈に読者に投げかけられます。
主人公の須藤は患者に高額な治療費を請求するわけではありませんが、人間やヒューマノイドの愚かさをシニカルに受け入れつつ、困っている依頼人を結局見捨てはしない所は「ブラック・ジャック」と似ています。
切ないラストを迎える話もあれば、ハッピーエンドの話もあります。
題材は「AI」ですが、人間の感情について考えさせられる作品です。
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