【マンガ】『水は海に向かって流れる』―遠慮と秘密を抱えた共同生活【このマンガがすごい2020・5位】
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『水は海に向かって流れる』田島列島 / 講談社
⇧1巻は2019/5/9発売。
最新刊の2巻は、2019/12/9に出ました。
『このマンガがすごい!2020』オトコ編・第5位にランクイン。
<ギスギス・シェアハウス生活>
シェアハウスを舞台とした漫画やドラマはいくつもあります。
同世代だけの人間が集まってワイワイ騒いだり、違った年代の人間が揃ったことで友人たちとは違った人間関係が生まれたり、大抵は楽しそうな生活が描かれます。
読者や視聴者が憧れるような、自由で気の許せる仲間たちとの暮らしです。
しかし家族でもない人たちとの共同生活は、そんなハッピーなことばかりではありません。
年齢も価値観も違う見知らぬ人に対しては多少緊張もありますし、トラブルを起こさないように、他の住人達に配慮して生活する必要があります。
もちろん、仲良くなれる人ばかりとは限りません。
目立った嫌がらせを受けるわけではないけれど、先に住んでいた人達同士の結束があり、新参者は重要な情報を教えてもらえなかったりすることもあります。
この漫画の主人公も、シェアハウスに引っ越してきた新参者です。
基本的には住人たちに受け入れてもらえますが、最も重要なことは秘密にされます。
しかし主人公は、思いがけずその秘密を知ることになります。
けれど知ってしまったことを周囲に隠し、気を使いながら生活を続けます。
静かなのにやたらと緊張感のある共同生活の始まりです。
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<あらすじ>
高校進学を機に、叔父の住むシェアハウスで暮らすことになった主人公・熊沢直達。
彼が夜中の電車で最寄りの駅に到着したとき、迎えに来てくれたのは榊と名乗る女性でした。
叔父のニゲミチ(茂道)は今、手が離せない状況にあるため、榊が代わりに迎えに来たのです。
この時、直達は榊千紗(26歳・OL)のことを叔父の彼女だろうと推測しました。
年齢も近そうだし、同じ家に住んでいるからです。
シェアハウスに到着後、直達は叔父の手伝いをさせられました。
叔父は漫画家で、締め切りが間近に迫っていたのです。
そして榊が彼女ではなく、ただの同居人であることも知らされます。
さらにその家には、他にあと二人の住人がいることが判明しました。
女装した占い師の泉谷と、大学教授の成瀬です。
ある日、直達の歓迎会(バーベキュー)が開かれることになりました。
その時に、住人全員が初めて揃って話をしました。
そこで直達が叔父と仲が良いことが話題になりました。
大抵はそこまで親しくないものだと。
叔父はその理由をこう答えました。
「1年くらい一緒に実家で暮らしていたからかなぁ。直達が5~6歳の時。」
それを聞いた直達は叔父に質問しました。
「なんであの時、俺 じいちゃんちに住んでたの?」
その直後、直達以外の全員の空気が固まりました。
実は昔、直達の父親と榊の母親がW不倫をして駆け落ちした事件がありました。
直達の父親はその後、直達の家族の元へ帰ってきましたが、榊の母親は帰って来ませんでした。
そのことは全て直達には隠されていましたが、榊を含めたシェアハウスの住人たちは全員その過去を知っていました。
直達は榊と成瀬がそのことを話している場面に遭遇し、隠れて立ち聞きしてしまいました。
直達はそんな衝撃的な過去を知った後も、叔父や榊に積極的に問い詰めることはしませんでした。
自分が知ってしまったことを皆が知れば、シェアハウスの人間関係がこじれるかもしれないと心配したのです。
榊たちは秘密を明かさず、直達も知ってしまったことを明かしません。
ぎこちなくお互いに気を使い合う共同生活が続いていきます。
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<まとめ>
お互いの親が起こした不倫事件が尾を引いて、その子どもたちの人間関係までギクシャクすることになります。
直達に罪はないので、責めることはできない榊。
母親が戻って来なかった榊に何と言っていいか分からない直達。
いつか爆発しそうな緊迫感を抱えながら共同生活は進みます。
可愛らしい絵柄で、ポップなセリフ回しですが、内容はシリアスです。
一体どういう結末になるのか予測できません。
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