【マンガ】『アンダーニンジャ』(1巻)―現代に生きるナルト(NARUTO)?
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『アンダーニンジャ』花沢健吾 / 講談社
⇧2019年2月6日発売。
あの大ヒットゾンビマンガ『アイアムアヒーロー』の著者の新作です。
今度は「忍者マンガ」です。
『アイアムアヒーロー』からしてそうですが、狙いがもう世界標準ですね。
(「ゾンビ」や「ニンジャ」は世界でウケやすい。)
世界的にヒットさせてやるという著者の意気込みが伝わってきます。
<舞台設定>
太平洋戦争終結後、GHQは日本政府に「忍者」の人員リストの提出を求めました。
連合軍は「忍者」の存在を恐れ、「忍者」組織はGHQにより解体されせられます。
消滅したかに見えた「忍者の精鋭」たちは、戦後は極秘裏に暗殺や破壊活動に従事していました。
「その他の多くの忍者」たちも日本国内のあらゆる官民組織に潜伏しています。
現在、日本に存在している忍者は20万人とのこと。
ギャグマンガかと思えるようなトンデモ設定です。
設定で笑わせようとしているように見せかけて、登場人物たちはいたって真剣なのが、著者の作品の特徴ともいえます。
ぶざけているのか、マジメにやっているのか分からないのです。
『バクマン』(小畑健・大場つぐみ)で言及されていた、「シリアスな笑い」ですね。
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<ストーリー>
様々な組織に潜伏しているとはいえ、それなりの数がいるので、もちろん職にあぶれた忍者もいます。
主人公・雲隠九郎は、貧乏アパートでニートみたいな生活をしています。
部屋には冷蔵庫もなく、隣の部屋の住人のものを間借りしています。
彼は「下忍」という身分です。
『ナルト』(岸本斉史)でもありましたね。
組織の一番下っ端(末端)の雑兵といったところです。
身のこなしや吹き矢の技術からみて、ナルトのような落ちこぼれではなさそうですが、任務(忍務)=つまり仕事がないので毎日ヒマを持て余しています。
そんなある日、「中忍」の加藤が彼を訪ねて来ます。
大きめのダンボール箱を渡されますが、その中には忍者の現代風隠密コスチュームが入っているだけで、具体的な説明はなされません。(後日、コスチュームで光学迷彩により透明になれることが判明します。)
どうやら高校への潜入任務のようですが・・・?
時を同じくして、町では立ちションしている男性の局部を切り取る「通り魔」が現れます。
彼は忍者になりたいらしく、忍者とコンタクトを取りたがっています。
男性の局部を3本集めると忍者に会えるという知人の話を真に受けて、「通り魔」へとなったのです。
九郎は高校潜入の任務前に、この「通り魔」を3日以内に処理する指令を受けます。
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<妥協を許さぬ作画>
文章で説明するともはやふざけているとしか思えない話ですが、
マンガで読んでいる分には、絵に迫力があって独特の空気感が味わえます。
超マジメなコントといいますか、どこで笑ったらいいのか分からない空気が面白いんです。
子どもが読んでも面白さが分からないかもしれません。
『アイアムアヒーロー』のときからそうでしたが、とにかく絵の描き込みが執念を感じさせるくらい細かくてすごいです。
人物はもちろんですが、背景が特に凄まじい。
集中線などの効果線がほとんど無く、スクリーントーンを貼って背景を埋めるといったサボりテクニックなど一切使わない、妥協を許さない作画姿勢です。
クレイジーすぎます。
ヤングマガジン連載ですが、このクオリティの作画を週刊でやっているならば奇蹟としか言いようがありません。
奥付を確認したところ、どうやら隔週で掲載されているようです。
まあ、そりゃそうだよなと思いました。
もちろん隔週だとしても、高いクオリティを落とさずに連載し続けるのはかなり大変なことです。
『GANTZ ガンツ』(奥浩哉)と同じですね。
『GANTZ』もそのあまりに高い作画のクオリティから、ヤングジャンプに毎週掲載するのではなく、隔週とか間を空けて連載していました。
マンガの絵はどんどんリアル指向になっていきますが、人間の作画スピードにはやはり限界があります。
あまりに高いクオリティを追い求めすぎて、作家の健康が崩れてしまわないか心配です。
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