【小説】『くるみ割り人形とねずみの王様』―梓澤廣一が読んでいた本【PSYCHO-PASS 3】
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『くるみ割り人形とねずみの王様』E.T.A. ホフマン / 訳:種村 季弘 / 河出書房新社
⇧1996年1月発売。
現在絶版になってますが、他の出版社から新訳版が出ています。
◆翻訳:大島かおり / 光文社 古典新訳文庫 / 2015年発売
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【小説】『くるみ割り人形とねずみの王様』―梓澤廣一が読んでいた本【PSYCHO-PASS 3】
<『PSYCHO-PASS 3』で読まれていた本>
アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』の放送が終了しました。
そして、映画『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』が2020年春に公開されることが発表されました。
アニメではまだ、物語の核心が明かされませんでした。
核心とはつまり、慎導灼(しんどう あらた)の父親の事件や、常守朱が収監されることになった理由についてです。
劇場版を本番にするため、最初からアニメは序章として作られていたとも言えます。
アニメの最終話(第8話)で、ラスボス的存在である梓澤廣一(あずさわ こういち)が読んでいた本があります。
『くるみ割り人形とねずみの王様』(河出書房新社版)です。
梓澤は彼の協力者であるクラッカー・小畑千夜に向かって、この本の内容を少し話します。
「戦争シーンがいいんだよ。
くるみ割り人形は悪いネズミと戦う兵士。
魔法で醜い姿にされた姫を助けるため、世界一固いクラカトゥクくるみをカチ割らないといけない。
クラカトゥクは何のメタファーだと思う?
・・・公安局が今の俺のクラカトゥクさ」
もしかすると、このセリフは今後の展開のヒントになっているのかもしれません。
劇場版の予習も兼ねて、この記事では梓澤の読んでいた小説を紹介します。
⇩梓澤廣一(ファースト インスペクター)
シビュラシステムに感知されない大規模な犯罪の立案者。
様々な肩書きを持つ、捉えどころのないニヒリスティックな自信家です。
主人公・慎導灼の所属する公安局刑事課一係に、次々と罠を仕掛けてきます。
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<あらすじ>
舞台はドイツ。クリスマス・イヴ。
医事顧問官シュタールバウム家の子どもである、7歳の少女・マリーが主人公です。
彼女と兄のフリッツは、サンタからもらえるプレゼントが何なのか気になって、朝からソワソワしていました。
そんな彼女の家に、上級裁判所顧問官のドロセルマイアーがやって来ました。
ドロセルマイアーはシュタールバウム家に時々顔を出します。
彼がやって来た時は、必ず子どもたちが喜びそうなものをポケットに忍ばせています。
クリスマスとなると別格で、いつも素晴らしく凝った細工品を手間ひまかけて作ってくれます。
今回は、フリッツには栗毛の馬と騎兵隊の人形を、マリーには可愛らしい人形と道具セットをくれました。
マリーはドロセルマイアーが持ってきたくるみ割り人形に特に興味を示しました。
くるみ割り人形は当初はシュタールバウム一家が使うためのものでしたが、あまりにも彼女が気に入ったようなので、彼女の人形コレクションに加わることになりました。
人形は子ども達のおもちゃ専用のガラス戸棚の中に置かれました。
真夜中が近くなりましたが、マリーは独り、ガラス戸棚の前から離れませんでした。
そして家族が寝静まった頃、地下世界から7つの頭をもつネズミの王が、大勢の配下を従えて現れました。
マリーは驚き動けなくなりましたが、くるみ割り人形が騎兵隊たちを率いて応戦しました。
ところが、くるみ割り人形たちは連携が取れておらず窮地に陥ります。
マリーは自分の靴をネズミの王に向かって投げつけ、ネズミたちを一旦撤退させることに成功しました。
一夜明け、マリーはドロセルマイアーにくるみ割り人形の来歴について聞きました。
彼は「ピルリパート姫」にまつわるおとぎ話をしてみせます。
とある国の王女(ピルリパート姫)は、寝ている間にネズミに顔を食べられ、醜い姿になってしまいました。
時計師ドロセルマイアーは、姫が元の姿に戻るための研究を重ね、ついにその方法が判明します。
それは「世界一固いクラカトゥクくるみを姫の前で噛んで割ってみせ、それを姫に与えた後、目をつぶって7歩後退できればよい」というものです。
ドロセルマイアーはクラカトゥクくるみを探す旅に出ます。
果たして、クラカトゥクくるみはどこにあるのでしょうか?
そのクラカトゥクくるみを歯で割れる若者は、どこにいるのでしょうか?
くるみ割り人形の正体は何者なのでしょうか。
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<まとめ>
読めばすぐ分かりますが、この小説は子ども向けに書かれたメルヘンです。
『不思議の国のアリス』のように、荒唐無稽な展開になっても、いちいちツッコミを入れないことが大切です。
くるみ割り人形とネズミたちとの戦争シーンだけは、梓澤の言う通り妙にリアルで、戦争経験者ならではの描写といえます。
物語の前半の構成が直線的ではなく凝っているので、大人が読んでも面白く感じられるはずです。
ちなみに 『くるみ割り人形とねずみの王様』は、バレエの「くるみ割り人形」の原作となった小説なんだそうです。
余談ですが、アニメ『PSYCHO-PASS』では槙島聖護と狡嚙慎也も作中で本を読んでいました。(以下で紹介しています。)
知的なキャラクターが読んでいる本は読んでみたくなりますね。
槙島が読んでいた本①
◆『あらかじめ裏切られた革命』
岩上安身 / 講談社 / 1996年出版(現在絶版)
⇧ソ連からロシアへ移り変わる歴史的転換点を現地で取材したノンフィクションです。
槙島が読んでいた本②
◆『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』
フィリップ・K・ディック / 訳:浅倉久志 / 早川書房 / 1977年
⇧多くの生物が絶滅し稀少となったため、生物を所有することが一種のステータスとなった世界。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けます。
槙島が言及した「バルニバービの医者」が出てくる本
◆『ガリバー旅行記』
ジョナサン・スウィフト / 訳:山田蘭 / 角川文庫 / 2011年
⇧童話で描かれる小人の国だけでなく、巨人の国、空飛ぶ島の国(ラピュタ)、人間並みの知性をもった馬の国も登場します。どちらかと言えば、後半の国がこの小説の白眉です。
狡嚙が読んでいた本①
◆『闇の奥』
ジョゼフ・コンラッド / 訳:黒原敏行 / 光文社文庫
⇧船乗りのマーロウは、象牙交易で絶大な権力を握るクルツを救出するため、アフリカの奥地へ旅に出ます。
狡嚙が読んでいた本②
◆『失われた時を求めて』
マルセル・プルースト / 訳:鈴木道彦 / 集英社文庫
⇧狡嚙がシーズン1の最終話のラストで読んでいた本です。
超長いです。
『PSYCHO-PASS 3』の小説版やコミカライズも進行中です。
◆『PSYCHO‐PASSサイコパス3〈A〉』
吉上亮 / 集英社文庫(小説) / 2019年11月発売
漫画版は「少年ジャンプ+」で連載中ですが、まだコミックは発売されていません。
劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』に向けての予習本の一つとして、『くるみ割り人形とねずみの王様』もご一読ください(^0^)/
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