【小説・ミステリー】『死刑にいたる病』―シリアルキラーへの憧れ
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『死刑にいたる病』櫛木理宇 / 早川書房
<あらすじ>-------------------------------------------------------------
逮捕後の未決囚であるシリアルキラー(大量殺人犯)が、就活前の普通の大学生に手紙を送ってきた。「なぜ俺に?」
20人以上の殺人を犯したとされるが、立件できたのは9つのみ。
そのうち8つは容疑を認めているが、最後の1つは冤罪だと主張する犯人。
真犯人を見つけてくれという依頼を受ける。
日常に鬱屈していた大学生の主人公・筧井雅也は、シリアルキラー・榛村との面会を重ねるにつれ、その魅力に取り込まれていく。
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古今東西、「シリアルキラー」はサイコサスペンスをはじめ色んな小説や映画で題材として描かれてきました。
サイコパスというのはどこか不気味で怖いというイメージがありますが、物語の中で登場するサイコパスのシリアルキラーは得てして魅力的なキャラクターが多いものです。(知的で美形が多いのも特徴?)
この本を読んでいて『サイコメトラーエイジ』の沢木晃を思い出しました。
もちろん大量殺人は許されざる犯罪なわけですが、犯人は時として平気な顔をして日常生活を送り、社会に溶け込んでいるものです。
彼らがそうなってしまった過去・背景を知れば同情の余地はあるのですが、被害者側(遺族)からすればそんなことは関係なく許せないでしょう。
サイコパスというのは共感能力は低いにもかかわらず、平気で嘘がつけるためにどんな人格をも演じることができます。(知能が高ければ)
そのことに罪悪感を抱かないので、他者を思い通りに行動させる(操る)のはもはやゲーム感覚です。
我々はそんな彼らの人格をミステリアスだったり魅力的だと受け取ってしまって、彼らの手の平の上で踊らされることになります。
それを自覚できたとしても、気付いた時には沼から抜け出せない心酔状態に陥ってしまっているわけです。
怖いけど弄ばれたいような気持ち。
非日常感を求めている人は魅了されやすいのかもしれませんね。
自分がまさにそうです。(;^_^A
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