【小説・ミステリー】『微笑む人』―犯行動機が読めない犯人【2020年3月・ドラマ化】
【広告】
紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『微笑む人』貫井 徳郎 / 実業之日本社
⇧2015/10/3発売(文庫)
2020年3月1日にドラマ放送されます。
(夜9時~テレビ朝日<日曜プライム>)
主演は松坂桃李さんです。
⇩⇩⇩この記事のYou Tube動画版です⇩⇩
【小説】『微笑む人』/ 犯行動機の読めない犯人【2020年3月ドラマ化】
<動機の読めない犯人>
夫が妻を(妻が夫を)殺すような家庭内殺人が起きたとき、世間やマスコミは分かりやすい動機を探そうとします。
・普段からケンカが絶えなかった
・金銭トラブルを抱えていた
・どちらかが浮気をしていた
・仕事で問題を抱えていた
などです。
そしてそれらが見当たらない場合、犯人の人格形成に原因を求めがちです。
・幼少期に親から虐待を受けていた
・学校でひどくイジメられていた(あるいはイジメの主犯格だった)
・貧しかった
・トラウマを抱えるようなショッキングな出来事があった
・動物虐待などの猟奇的兆候があった
などです。
真実はそんなに単純なものではないはずなのに、多くの人は分かりやすい理由を求めます。
早く答えを手にして納得したいからです。
モヤモヤした気持ちを解消するため、お手軽な答えで済ませようというわけです。
とはいえ、世の中には上記のどれにも該当しない犯人もいます。
この小説の犯人がまさにそうです。
犯行動機を供述してはいますが、常人にはおよそ理解できないものです。
主人公は事件を取材し、犯人の本当の動機を探ろうとします。
【広告】
<あらすじ>
主人公の「私」の本業は小説家ですが、次の作品はノンフィクションを書いてみることにしました。
マスコミが報道していた、とある家庭内殺人の犯人に興味を持ったからです。
犯人とされた仁藤俊実は、すでに逮捕されて犯行動機も自供していました。
しかしそれがあまりに常識からかけ離れていたため、世間も「私」も、供述は嘘なのだろうと考えていました。
事件のあらましは以下の通りです。
2009年4月11日。
神奈川県の安治川で水難事故が起こりました。
娘が川に流されて、それを救おうとした母親も溺れたようです。
通報を受けた救急隊が現場に駆け付けたとき、夫である仁藤俊実は妻に人工呼吸をしていました。
その後、救急隊が手を尽くしましたが、仁藤の妻と娘は蘇生できませんでした。
仁藤は遺体を自宅に搬送し、葬儀の手続きをしました。
ところが近所の葬祭場の枠がいっぱいで、火葬は3日後だと言われました。
これが完全犯罪になりかけた仁藤の運命を分けました。
火葬の前日に、仁藤の犯行の目撃者が現れたのです。
目撃者は事件当日、仁藤が妻の頭を川の中に押し付けている様子を見て、怖くなって逃げ出しました。
彼は何かの見間違いだと思い込もうとしますが、ニュースを見て現実だと分かり、通報を決意したのでした。
最初は犯行を否認していた仁藤でしたが、妻の爪の間から仁藤の皮膚が発見された後は、犯行を認めて自供しました。
彼が妻と娘を殺害した動機は、なんと「本が増えて家が手狭になったから」というものでした。
妻や娘がいなくなれば、その分部屋が空き、本が置けるようになるというわけです。
実際仁藤は読書家で、家には本があふれていましたが、警察もマスコミもその説明では納得できませんでした。
「私」は仁藤の仕事先や近隣住民や学生時代の友人たちに、仁藤の人柄や言動を聞いて回りました。
すると、誰もが口をそろえて彼を褒めたたえました。
仁藤は仕事は出来るし、後輩に偉ぶることもなく、誰にでも親切で、適度な冗談も言うし、いつも穏やかで笑顔を絶やさない人物のようです。
感情的になることは全くなく、殺人を犯すような人間では決してないという評価です。
彼が自供した後でも、彼の知り合いたちの中には「冤罪ではないか」と疑っている者が多くいました。
「私」は取材を重ねるたびに、仁藤の犯行動機の異常性と、彼の知人が語る人物像とがあまりにも違うことに困惑していきます。
【広告】
<まとめ>
「家が手狭になったから」という理由で妻と娘を殺害した男。
そんな理由では納得できない警察と世間。
小説家の「私」は、本当の動機を探るために取材を重ねます。
男はトラウマを抱えているわけでもなく、暴力的なわけでもありません。
浮気や金銭的トラブルもなく、職場でも全く問題がありません。
人を殺す動機が一切見当たらないのです。
果たして、本当の犯行動機とは一体何なのでしょうか。
⇦クリックするとAmazonに飛べます
⇩⇩⇩⇩⇩
⇧⇧⇧⇧⇧
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
⇩⇩⇩You Tube動画ver⇩⇩