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【小説・ミステリー】『かがみの孤城』―思い出を残すか、願いを一つ叶えるか【2018年本屋大賞】

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『かがみの孤城』辻村深月 / ポプラ社

 ⇧2017/5/11発売。

まだ文庫化されていません(2020年1月現在)。

2018年の本屋大賞受賞作です。

 

漫画化され、1巻がすでに発売しています。

作画:武富智 / 集英社 / 2019/12/19

 

 

<学校に行かなくなった子供たち>

この物語には、学校に行かなくなった(行けなくなった)7人の中学生が登場します。

不登校になった理由は様々で、いじめられた子もいれば、周囲とうまく馴染めなかった子もいます。

大抵の親は、不登校になった子供が再び学校に通えるようになることを望みます。

だから子供は「学校にまた行けるようになるべきだ」と思うと同時に、「もう学校には行きたくない」という相反する感情を抱えながら苦しむことになります。

 

子供の生きている世界は、学校か家(か習い事)しかありません。

そして目を覚ましている時間の大部分を学校で過ごすので、学校が世界の全てだと信じてしまいがちです。

大人になれば、もっと色んな世界があることが分かって来ますが、それを口で説明しても子供は体感として理解できないでしょう。

不登校になった子供にこそ、それを早く知って欲しいものですが、不登校になるとさらに世界が狭くなりがちです。

 

子供が最も知るべきことは、学校が世界の全てじゃないということです。

「たかが学校」だと考えられるようになること。

学校だけが居場所じゃないと分かること。

そう思えるようになれば、ずっと生きるのが楽になります。

 

この小説は、不登校になってしまった中学生の女の子が、そんな風に成長していく物語です。

 

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<あらすじ>

主人公は中学一年生の安西こころ。

彼女は4月に少し学校に行った後、不登校になりました。

クラスメートの真田美織が首謀者となって、こころに嫌がらせを繰り返したからです。

具体的には無視、陰口、こころと仲良くしない方がいいと他の子に吹聴するといった組織的ないじめです。

真田が嫌がらせをする理由は、彼氏が元々はこころが好きだったことを知ったからです。

 

こころは不登校になってからは外出も出来ず、自分の部屋にこもって生活していました。

ちなみに彼女が不登校になった原因を両親は知りません。

毎朝、こころが学校に行こうとすると腹痛になるので、両親は今の学校に通わせるのは無理だと考えました。

代わりにフリースクールに行くことを勧め、下見まで済ませましたが、いざ初登校の日になるとやっぱりこころは腹痛になり、スクールには行けませんでした。

 

ある日、こころは自室の鏡が光っていることに気付きました。

鏡に手を近づけてみたところ、吸い込まれて別世界にワープさせられました。

目の前には大きな城と、狼の仮面をかぶった少女がいました。

こころは怖かったので一旦は鏡から自室に戻りましたが、気になったので翌日も鏡の中に入ってみました。

すると今度は城の中に飛ばされました。

 

城の中には、狼の仮面の少女の他に、中学生の男女6人が待っていました。

彼らもまた、こころと同じように自室の鏡からワープしてきたのです。

狼の仮面の少女は、7人を集めた目的を説明しました。

 

・城の奥には「願いの部屋」がある。

・「願いの部屋」に入れば何でも一つ願いを叶えてもらえる。

・「願いの部屋」に入るには「鍵」が必要。

・「鍵」は城のどこかに隠されている。

・「鍵」を見つけた者だけが「願いの部屋」に入れる。

・「鍵」の捜索期限は来年の3月末まで。

・城に居ていいのは毎日朝9時から夕方5時までの間のみ

 

その日から毎日城にやって来る者と、不定期にしか顔を出さない者に分かれました。

大抵は皆、リビングのような広間でゲームをして過ごしますが、「鍵」の捜索もこっそり進めていました。

 こころはもし「鍵」を見つけて願いを叶えてもらえるなら、自分に嫌がらせを繰り返した真田をこの世から消してもらおうと考えました。

 

果たして、鍵は誰が見つけるのでしょうか。

こころは再び学校に通えるようになるのでしょうか。

 

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<まとめ>

いじめが原因で不登校になってしまった中学生の女の子が、同世代の友人たちと出会って徐々に強くなっていく物語です。

 ファンタジー要素やミステリー要素もありますが、主軸は主人公たちが救い救われる話です。

誰からも理解されずに嫌がらせに耐える主人公の姿に、読者も苦しむことになるでしょうが、最後はハッピーに終わります。

 

終盤の怒涛の伏線回収ラッシュは楽しいですし、

「 救済の物語」を構造的に完璧に仕上げることになるエピローグには、鳥肌が立ちました。

本屋大賞になるのも納得の一冊でした。

 

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