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【小説】『紅蓮館の殺人』―クローズド・サークル×時間制限【このミステリーがすごい2020・6位】

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『紅蓮館の殺人』阿津川辰海 / 講談社

 ⇧2019年9月20日発売。

文庫です。ハードカバー版はありません。

 『このミステリーがすごい!2020年版』で国内編第6位を獲得しました。

 

 

<クローズド・サークル×時間制限>

ミステリーには、「海上の孤島」や「吹雪の山荘」を代表とした「クローズド・サークルもの」というおなじみのパターンがあります。

「外界と隔絶されたエリア内で(殺人)事件が起きる」という環境設定のことです。

 

なぜこの設定が好まれるかというと、

警察という物語の進行上邪魔な存在を一定期間排除し、

・犯人(容疑者)と被害者の数を限定し、

・登場人物達がとることができる行動も制限できるからです。

これにより緊迫感が高まりますし、読者は物語の筋を理解しやすくなります。

容疑者の数は少ないし、全員の行動履歴もある程度明白だし、誰もエリア外に逃げられないので、警察が来なくても探偵役が一人で事件を解決することが可能となります。

 

この小説の舞台は、「陸の孤島」のクローズド・サークルです。

普通のミステリーならそれだけですが、この物語では、さらに「タイムリミット」が加わります。

山火事によって外界と隔離された館で殺人事件が起き、そこへ火が延焼してくるのです。

冒頭から「館焼失まであと35時間」と書かれており、カウントダウンされながら物語は進みます。

 

つまり時間制限がある中で、事件の真相解明を優先するのか脱出を優先するのかという選択が、主人公たちに迫られるわけです。

ありそうで無かったタイプのサスペンスミステリーです。

 

関連画像

 

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<あらすじ>

 主人公は進学校に通う高校2年生の田所信哉。

毎年彼の学校では、夏休みに軽井沢の山奥にこもって、四泊五日の勉強合宿が行われています。

合宿のしおりを見た彼は、泊まる宿舎の近くに「財田雄山」という小説家の屋敷があることに気付きました。

彼は財田の小説の大ファンだったのです。

 

田所には葛城輝義という同級生の親友がいました。

二人ともミステリー小説が大好きで、もちろん財田の作品も読んでいました。

彼らは合宿の合間に宿舎を抜け出して、財田の屋敷に行ってみる計画を立てました。

そして合宿3日目に、計画を実行に移しました。

 

慣れない山道を登っている途中、田所たちの近くで落雷がありました。

一応、落雷ポイントを確認するために来た道を少し引き返したところ、乾燥したススキ野原が火の海になっていました。

火の勢いが強く、突っ切って下山するのは不可能だと判断した二人は、山を登って屋敷の中に避難させてもらうことにしました。

途中で小出という謎の女と出会い、三人はなんとか屋敷に到着しました。

 

屋敷には、寝たきり状態になった雄山の他に、彼の息子の貴之と、その息子の文男と、娘のつばさがいました。

田所たちが屋敷に到着した後、屋敷の近所の家で暮らしていた久我島と、保険員の飛鳥井も避難にやって来ました。

山火事に気づいた救助隊がやって来るとしたら、まず雄山の屋敷になるだろうと推測したからです。

その後、屋敷の近くは風が強すぎる地形なため、救助ヘリは着陸不可能だと判明しました。

 

彼らは食糧と水の備蓄を確認しましたが、火の手が徐々に屋敷に迫ってきていることを知り、山からの脱出方法を模索します。

雄山は屋敷に様々な仕掛けを設計していたので、山の麓に通じる隠し通路もあるのではないかと思われたからです。

しかし全員で探しても見つかりませんでした。

 

夜になって、全員が個室で休むことになりました。

翌日の朝、つばさが吊り天井の下敷きになって圧死している姿で発見されます。

 吊り天井の部屋は真っ暗で、中には何もありません。

つばさはなぜ夜中にそんな所にいたのでしょうか。

そして、なぜ天井が下がって来るのが分かっているのに、部屋から逃げ出さなかったのでしょうか。

もしこれが事故ではなく殺人だったとしたら、なぜそんな殺し方をする必要があったのでしょうか。

 

 田所と葛城は、事件の真相を解明したがります。

一方、他の大人たちは、事を荒立ててお互いに疑心暗鬼になることを避けるため、「生きて脱出する方法を探すことを優先すべきだ」と主張します。

火の手がすぐそこまで迫って来ているので、当然の発想です。

 

 果たして田所たちは、タイムリミットまでに真相にたどり着けるのでしょうか。

 

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<まとめ>

 山火事による炎に囲まれた屋敷内で、殺人事件が起こります。

火の勢いが強くて脱出できないので「クローズド・サークル」です。

屋敷がやがて焼失することは、冒頭から読者には分かっています。

 

 脱出方法を探すのか、事件の真相を解明するのか。

 時間が限られているので、どちらを優先するのか選択しなければなりません。

主人公たちはミステリー好きなので、真相を解明しようとします。

 

真相解明もそうですが、それが間に合うのかという点も重要になってきます。

時間制限つきという珍しいタイプのミステリーです。

 

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