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【小説】『七つの魔剣が支配する』―剣と魔法はどちらが強いか論争

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『七つの魔剣が支配する』宇野朴人 / KADOKAWA

 

⇧2018年9月発売。

最新刊のⅣ巻は、2019年10月10日に出ました。

電撃文庫です。

『このライトノベルがすごい!2020』第1位を獲得しました。

 

漫画化もされています。

1巻が2019年10月10日に発売されました。

作画:えすのサカエ / KADOKAWA

 

 

<剣と魔法はどちらが強いか>

バトル系ファンタジーでは、剣や魔法が登場します。

その世界では、剣士や魔法使い、あるいは魔法剣士が共存しています。

彼らが戦うことになれば、「剣」と「魔法」のどちらが有利でしょうか。

 

単純に考えれば、飛び道具である「魔法」の方が圧倒的に強いように思えます。

銃や大砲と同じだからです。

現実世界では、銃を構える相手に剣(ナイフ等)で勝負を挑む者は、ほとんどいないでしょう。

銃を使えば遠くからでも殺傷可能ですし、そもそも銃弾と人間は動く速度が違い過ぎます。

 

バトル系ファンタジーでは、この問題を解決する設定が必要です。

魔法使いが強すぎれば、剣士の存在価値がなくなるからです。

多くの作品では、魔法を使うには長い詠唱が必要で、その間はスキが出来るとか、

剣士が魔法と同等レベルの速さで動くことが出来るとか、

魔法使いと剣士の強さのバランスが調整されます。

 

この『七つの魔剣が支配する』の世界では、

「剣の間合いになれば、魔法が発動するより剣の方が速い」という設定で、剣士の存在価値が認められています。

さらに魔法と剣を融合させた「魔法剣」という戦い方があります。

魔法剣の世界には、「魔剣」と呼ばれる奥義があります。

それは使い手が発動させれば、どんなに格上の相手だろうと斬り伏せることができるチート技です。

「魔剣」の種類は使い手によって様々です。

「魔剣」には世界で6人の使い手がいますが、その詳細は誰も知りません。

 

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<あらすじ>

主人公は15歳の少年・オリバー。

彼は魔法を学ぶため、イギリスにあるキンバリー魔法学校にやって来ました。

今日は入学式です。

オリバーは学校の正門に向かう途中で、同じ新一年生であるカティ、ガイ、ピート、ミシェーラたちと知り合いました。

 

 入学式に参加する大人数の生徒の中で、一人の少女が目立っていました。

彼女だけが支給された制服を着ておらず、腰に刀剣を差しており、東洋人(日の国)だったからです。

彼女の名前はナナオ。

受験で合格したわけではなく、特別推薦枠で入学することになった人間です。

 

この世界には亜人種が多くいます。

例えば、エルフ、ドワーフ、ケンタウロス、トロール、コボルド、セイレーン、ゴブリン、ハーピー、小人族などです。

この中で「人権」を認められているのは、エルフとドワーフとケンタウロスだけです。

それ以外は奴隷同然の扱いで使役されています。

もちろんそういう慣習を許せないと考える人達もいて、カティはそういう「人権派」に属していました。

 

入学式の見世物には、調教された魔獣やトロールなどのパレードがありました。

突如、その中にいたトロールが生徒たちの行列に向かって突進してきました。

同時に、何者かの魔法によって、カティの足は勝手にそのトロールに向かって走り出しました。

カティの足は巨大なトロールの目前で停止しましたが、彼女は腰を抜かしてしまいました。

 

 このままでは、カティがトロールに踏みつぶされてしまいます。

ガイやピートが遠くから攻撃魔法を撃っても、トロールはビクともしません。

その時、トロールの前にナナオが立ちはだかりました。

どうやら一人でトロールを撃退しようと考えているようです。

それは無謀だと判断したオリバーは、ガイたちに協力してもらい、頭脳的な魔法の使い方でトロールのスキを作り出そうとします。

 

 果たして、オリバーの作戦とはどんなものなのでしょうか。

 

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<まとめ>

 剣や魔法や魔獣が登場する、王道バトルファンタジー小説です。

「魔法学校もの」なので、『ハリー・ポッター』好きな人はすんなりと物語に入り込めるでしょう。

 

亜人種たちが多数存在し、人権を認められているものと、認められていないものがいます。

彼らのぞんざいな扱われ方を見ていると、人種差別や動物実験や遺伝子操作などについて考えさせられます。

種の違う生物に対して許される行為と許されない領域は、時代と共に変化していきます

だから、自分の価値観を定期的にアップデートする必要があるのです。

 

 1巻では「魔剣」が2つ登場します。

今回それらが戦うことはありませんでしたが、どちらも無敵といっていい技です。

 最強の技と最強の技が対決すれば、どちらが勝つのか。

タイトルからして最終的にはそれが7つ登場するはずなので、今後が楽しみです。

 

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