【小説・ラノベ】『されど罪人は竜と踊る』―生ぬるいファンタジーなどお断りだ!
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『されど罪人は竜と踊る』浅井ラボ / 角川スニーカー文庫→小学館ガガガ文庫
SFとファンタジーのハイブリッド。
ライトノベルだからと侮るなかれ。
最初の数ページを読みさえすれば、それだけで著者の恐るべき才能・センスが分かります。この文体で最後まで行く気か?と著者のこだわりに驚嘆しつつ、ニヤリとさせられる表現がまたニクい。
何といっても一番の魅力は「咒力」という設定です。
このエネルギーを使って魔法詠唱とかをするわけですが、現実の科学理論を下敷きとした魔法システムなので、その分野を勉強している学生さんならニヤっと笑えるところですし、知らなくても「かなり高度な理屈の設定だな」と設定の頑強さを感じられることでしょう。
専門用語のネーミングもカッコイイ。
マンガと同様、ラノベは「キャラクターが命」といっても過言ではありません。
(もちろんそれだけではダメですが、キャラクターがダメなら他が良くても人気は出ないのは確実です。)
当然のことながらこの小説のキャラクターは立っています。
ガユスとギギナの主人公コンビ。
前者が魔法使い系、後者が剣士系。二人のかけ合いが楽しい。
それにしても、読後は物理・化学・生物学を勉強したくなること請け合いです。
よくこれだけ複雑な設定にしたなと思うほど高度です。
著者は勉強家であると同時に設定マニアなのだと予想します。
マンガ『映像研には手を出すな』の浅草のような性格なのでは?
学生時代に読んだら、勉強が楽しくなるはずです。
「なんのために勉強するの?」という学生さんにはこう答えたい。
「こんなすごい小説が書けるかもしれないよ」
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