【マンガ】『ブルーピリオド』6巻―藝大受験は試験中にも成長する!
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ブルーピリオド』山口つばさ / 講談社
⇧2019年11月22日発売。
『このマンガがすごい!2019』第4位を獲得。
超アツい藝大受験マンガです。
<藝大受験>
一般的な大学入試は、蓄えてきた知識を吐き出すだけのゲームです。
より多くの知識やパターンを記憶してきて、それを制限時間内にミスなくアウトプット出来れば勝ち(合格)です。
単純明快で、合否の判断基準は誰の目にも明らかです。
一方、藝大入試は知識だけで合格が決まるわけではありません。
この漫画の主人公が受験した東京藝大ではセンター試験も必要ですが、それ以上に重要なのが実技試験(二次試験)です。
実技試験は技術だけでなく、与えられた試験課題に対する解釈やアイデア力も試されます。
実技試験は、試験本番になって初めて課題内容を知ることができます。
そこから「テーマ」「構図」「描写」を全部自分一人で考えます。
小論文に似ていますが、絵は言語表現ではないため、出題者に自分の意図を明確に伝えるのが非常に難しくなります。
人は言葉だけならいくらでも上手く嘘を並べることができますが、
絵や演奏はその人の内面がモロに出ます。
受験で審査するのは「その道の専門家」なので、素人の浅はかな嘘や、小手先の技術でごまかそうとしている心理は簡単に見抜かれます。
自然と、受験者は課題を通して自分の内面と真摯に向き合うことになります。
つまり藝大受験は絵の技術を見られているようで、実は受験者の美意識や価値観や哲学を見られているのです。
自分の内面と深く向き合うことで受験者は新たな発見をし、試験を通して成長します。
これが一般の大学受験との大きな違いです。
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<あらすじ>
適当に不良をやりつつも、家ではしっかり勉強して成績優秀な主人公・矢口八虎。
順風満帆だった高校生活も2年目にさしかかる頃、絵を描く楽しさに目覚めます。
これまでは無難な将来設計を予定していましたが、
悩んだ末に、一転して志望大学も東京藝大一本に絞るという方針に変更しました。
八虎はすぐに美術部だけでなく予備校にも通い出し、両親も説得して応援してもらえるようになりました。
予備校では油絵科の講師と何度も面談を重ね、今年の受験での現役合格に向けて足りない部分を強化していきます。
彼は他人よりも量をこなすことで、劇的に技術を向上させ、絵を描くノウハウやコツを身に着けていきました。
受験勉強も佳境に差し掛かり、ライバルたちのメンタルもギリギリになってきます。
睡眠不足と摂食障害で倒れてしまう者。
浪人生の余裕のなさを目にすることで、自分はまだ大丈夫なんだと確認して心の平穏を保とうとする者。
矢虎は両腕にじんましんが出来てしまいます。
そしてついに、一次試験が始まります。
課題は「自画像」の素描です。(鉛筆でのデッサンで、着色なし)
途中で支給された鏡を割ってしまうというハプニングがありましたが、それがキッカケとなって良いアイデアが浮かび、矢虎は渾身の作品を描くことができました。
3日後、一次試験の合格発表の日がやって来ます。
矢虎の通う予備校の油画科のメンバーで合格したのは、矢虎を含めた3人だけでした。
二次試験は5日後。
課題は油彩課題(ヌードモデル)です。
3日間かけて一枚の油絵を仕上げます。
矢虎は二次試験までのわずかな間も、休むことなく絵の練習を続けました。
そして二次試験初日。
体力の限界が近く、緊張がピークに達したことが重なり、試験会場に着くなり、矢虎の眼球に激痛が走りました。
彼は痛みに耐えながら何とか初日を乗り切りますが、圧倒的に作業が出遅れてしまいました。
2日目には少し体力が回復したので、そこから巻き返しを図ります。
果たして矢虎は、藝大受験に現役合格することが出来るのでしょうか。
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<まとめ>
矢虎は絵を描くことを始めたのがそもそも遅めだったので、経験の少なさから常に不安を覚えていました。
必死に練習を重ねて飛躍的に絵が上手くなったとはいえ、ライバルたちと比較すればまだまだ技術不足、表現力不足が否めません。
彼は焦りと自信の無さを抱えて、試験本番に臨みました。
二次試験で、矢虎は考えて考えて考え抜いて絵を描いていきます。
これまでは、自信の無さを補うために努力と戦略を使うことを恥ずかしく思っていましたが、ようやくそれらを武器と呼んでもいいことに気付きました。
この漫画は、主人公が悩み抜いた先に光明を見出す演出が非常に上手いです。
これは藝大受験の話であり、それを通した主人公の成長物語でもあります。
読むと絵が描きたくなる漫画です。
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