【マンガ】『アオアシ』18巻―連携プレーの凄さと面白さ
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『アオアシ』小林有吾 / 小学館
⇧2019年10月30日発売。
ユースという題材を扱ったサッカー漫画です。
ユースとは、プロの選手を育成するための組織です。
高校の部活とは違い、ユースでは整備された専用グラウンドがあり、選手のための寮があり、専門のコーチやスタッフが何人もいて、サッカーだけに集中できる環境が用意されています。
つまり(入団試験をクリアして)ユースに入ることができれば、サッカーのエリート教育を受けられるということです。
<理想的なチーム>
サッカーの攻撃で、理想的なチームプレーとはどんなものでしょうか。
その答えの一つが、この巻で描かれています。
それは数人のメンバーだけでなく、11人全員の意識が共有されている状態で実現できます。
「全員が他のメンバーのプレーの意図を理解できている状態」といってもよいです。
なぜ今、そのポジションにいるのか。
なぜそのパスを出したのか。
「なんとなく」ではなく明確な理由(意図)があり、それを口に出して説明するのではなく、ジェスチャーやアイコンタクト、ボールを持っていない時(オフ・ザ・ボール)の動き方によって瞬時にメッセージを送ったり受け取ったりするのです。
「そんな神業みたいなことができるのか?」と素人の我々は考えてしまいますが、実際にプロはやっているそうです。
今回、18巻で紹介されている戦術は、「5レーン・アタック」という方法です。
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<5レーンとは>
サッカーのフィールドはセンターと左右アウトサイドの3つのレーンに分かれます。
(⇩下図参照)
サッカーではこの3つのレーンの概念で戦術が組み立てられますし、解説もされます。
しかし3つしかレーンがないというのは、単なる思い込みです。
この漫画では、センターとアウトサイドの間を「ハーフレーン」と名付けて、レーンを5つに区分することが提唱されます。
(⇩下図参照)
得点に直結しやすいのはセンターレーンなので、攻撃側も守備側もセンターを支配するように動きます。
センターレーンにいる選手は、後方から自分にパスを出してくれる選手とゴールを同時に見ることが難しいです。
一方ハーフレーンにいれば、後方と敵とゴールを同時に視野に入れやすくなります。
とはいえ今までなんとなく出来ていたし、わざわざ「ハーフレーン」と名付けてまで言うほどの事かと、主人公のアシトは疑問を口にします。
そして「名前を付けて意識することが大事なんだ」とヘッドコーチに言われます。
アシトは実際に試合に出て「5レーン」という考え方のもとでプレーしてみて、これまで自分が大味なパスしか出せていなかったことに気付きました。
もちろんパスを受けるときも同様です。
3つのレーンしかないと、お互い細かい指示ができないからです。
アシトの所属するチーム・エスペリオンでは、「トライアングル」というボール運びの基本戦術が徹底されています。
トライアングルとは、(基本的には縦のラインの)3人でお互いをカバーしながらボールを前線に運ぶという考え方です。
この18巻の試合では、「トライアングル」と「5レーン」を組み合わせた戦術が描かれます。
詳細は省きますが、笑えるほど複雑です。
けれど非常に知的で面白いです。
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<まとめ>
この漫画では、連携プレーの面白さと凄さを徹底して描いています。
個人技に優れた選手を活躍させるサッカー漫画は数多くありますが、ここまで理論立ててチーム戦術を魅力的に描いている作品は他にないでしょう。
個人技だけでは味わえない、連携プレーだからこその強さと感動があります。
主人公・アシトは、フィールドを俯瞰で見ることが得意な選手です。
「5レーン」はそんな彼に最も適合した戦術です。
彼のために生み出されたのではないかとすら思えるほどです。
ここしばらくは、他のチームメンバーに焦点が当てられがちでストーリーが進んでいましたが、この18巻ではアシトが活躍します。
彼の能力がどんどん開花していく様子は、本当にワクワクします。
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