【マンガ】『図書館の主』全15巻―児童図書館をあなどるな!
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『図書館の主』篠原ウミハル / 芳文社
⇧2017年6月に15巻が出て完結しています。
<児童図書館について>
児童図書館をご存じでしょうか。
その名の通り、主として子どものために本が揃えられた図書館のことです。
独立施設、または公共図書館の児童書コーナーとして存在しています。
しかし、決して大人が利用してはいけない施設ではありません。
もちろん入館禁止になっていません。
一般図書館よりも、子どもが本に親しみやすく設計されているに過ぎないのです。
児童図書館には絵本しか置いてないわけではありません。
小説、ノンフィクション、雑誌など、他にも色々あります。
また、「児童文学」というジャンルの小説があります。
その名の通り、子どものために書かれた物語です。
しかし、決して大人が読んでもつまらない本というわけではありません。
『ハリー・ポッター』や『指輪物語』(ロード・オブ・ザ・リング) も児童文学ですが、世界中の大人にも読まれています。
結局、児童文学か一般小説かは、「主人公が子どもか大人か」という程度の差しかないのです。
そして、子どもの頃にうっすら聞いたことがある話を読みたくなったとき、児童図書館の方が品揃えが良かったりします。
『指輪物語』や『ハリー・ポッター』『不思議の国のアリス』『十五少年漂流記』『宝島』『ガリバー旅行記』などはすべて、一般書の棚ではなく児童書コーナーにあるはずです。
この漫画では、そんなあまり知られていない児童図書館の世界が、そこで働く司書たちの視点で描かれています。
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<あらすじ>
主人公は、とある私設児童図書館で司書として働く青年・御子柴です。
彼は口が悪く不愛想でしたが、なぜか子どもには人気です。
本を探している者に対しては、態度は悪いままですが、誰よりも真摯に対応するからです。
もちろん図書館にふさわしくない者がやって来た場合は、遠慮なく追い出そうとします。
例えばある冬の夜、宮本というサラリーマンが図書館にやって来ました。
(※私設図書館だから閉館時間はある程度自由に決められます。)
彼は得意先の接待が終わり、暖を取ろうと図書館に入ってきたのです。
そんな彼に御子柴はこう言いました。
「失せろ。酒くさい!ここは酔っ払いを休ませる場所じゃない。とっとと帰れ!」
御子柴は、本を必要としていない人間が図書館に入って欲しくないのです。
御子柴は小学生の頃、地元の図書館によく来ていました。
しかし本を読むわけでもなく、ただ時間を潰していただけです。
それを見かねた図書館の司書の徳さんが、御子柴に声をかけました。
「どうせ何もしないなら、本くらい読んじゃどうだ?」と。
御子柴の両親は本を買ってくれなかったので、彼は家にある夏目漱石などを読んだことがある程度でした。
そこで徳さんは彼のために、冒険ものの本を何冊か見繕ってあげました。
そして館内に荷物が置いてある席があったので、そこに座って読むように言いました。
そこへその荷物の持ち主である高校生がやって来て、文句を言いました。
「ちょっと待てよ。今メシ食いに出てただけだって。
荷物があるってことは、席を取ってるってことだろ!勝手なことすんなよ!
俺らまだ勉強・・・」
即座に徳さんは言い返します。
「何言ってんだ。ここは自習室じゃない。図書館だ。
お前らみたいにここの本を読みもせず使いもせん奴らが席取りしていい試験勉強の場所じゃないんだよ!
本を読みたい人が座るのが当たり前の席なんだ!」
徳さんはやがて異動になって図書館を去っていくのですが、
御子柴は大人になって、徳さんのスピリットを無意識に継いだ司書になったわけです。
彼は今日もまた、本を求めてやって来る人の希望に沿う本を紹介します。
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<まとめ>
ほぼ1話か2話で完結する話が描かれます。
毎回、テーマとなる児童書が一冊紹介されます。
大人になったら正確に思い出せない本ばかりです。
1巻では新見南吉の『うた時計』、『宝島』『幸福の王子』『ニルスのふしぎな旅』、江戸川乱歩の『少年探偵団シリーズ』などが紹介されています。
御子柴のセリフは名言の宝庫です。
たとえば、「児童図書館には子どもの本しかないから読むものがない」と宮本にバカにされた時、彼はこう言いました。
「子供の本が何だ?
お前は「子供向けの本」をバカにできるほど大人だとでもいうのか!
開いたこともない本を馬鹿にするなど愚の骨頂だな!」
児童書をあなどっている全ての人に読んで欲しい漫画です。
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