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【マンガ】『颯汰の国』1巻―江戸幕府に反旗を翻した男

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『颯汰の国』小山ゆう / 小学館

⇧2019年9月30日に、1、2巻同時発売されました。

 

 

<改易とは>

「改易」という言葉をご存じでしょうか。

 鎌倉や室町時代にもありましたが、江戸時代にもありました。

江戸時代における改易とは、幕府が大名から身分を剥奪して、家禄(かろく)や居住する城(屋敷)を没収することを指します。

つまり領地の取り潰しです。

 

関ケ原の戦いや大阪夏の陣などで豊臣側についた大名はもちろん、江戸時代になってからも謀反の兆候ありと見られた大名たちは改易されました。

 実際は謀反を起こす意図がなかったとしても、幕府の都合でいくらでも「改易」処置にされてしまいます。

それまでが長く続いた戦国時代だったこともあり、徳川家は権力維持のために反乱の芽を速やかに摘もうとしたのです。

家康、秀忠、家光の三代に渡って、幕府の意に沿わないと見なされた多くの大名たちが改易されてしまいました。

 

改易されると大名は切腹させられ、その家臣たちの大勢が路頭に迷います。

つまり改易されるということは、不名誉なだけでなく、経済的にも貧しくなり、住む場所も奪われ、最悪死ぬしかないということなのです。

絶望的な指令です。

 

この漫画は、そんな理不尽な改易命令が下された土地で暮らす青年が、仲間たちとともに独立国を作り、幕府に立ち向かう話です。

 

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<あらすじ>

 徳川家康の死から5年後(1621年)。

伊豆地方のとある領地で、主人公の颯汰(そうた)は暮らしていました。

彼はまだ5歳です。

父親は関ケ原の戦いで戦死し、母親も颯汰を産んですぐに亡くなりました。

そのため今は、村の和尚の家で世話になっています。

 

 颯汰は和尚から毎日剣術の手ほどきと、学問を教わっていました。

しかし日に日に体調が悪化していく和尚は己の余命を悟り、颯汰に別れを告げます。

それから颯汰は、子どもが出来ずに悩んでいた佐々木夫婦のもとで暮らすことになりました。

 

12年後。

18歳になった颯汰は、村一番の剣術使いに成長していました。

 彼の通う剣術道場では乱戦の訓練もしていますが、そんな時でも彼に触れられる者は一人もいません。

 

 ある日、颯汰の暮らす領地に、幕府から改易命令が下されました。

領地内にある金の鉱脈は掘り尽くして枯渇していたのですが、新たに見つかった鉱脈を幕府に報告していなかったことが改易の理由です。

「隠していたのは謀反の意志があるからだ」ということでしたが、本当の理由は家康の大勢いる息子の誰かに資源が豊富な領地を与えたいというだけでした。

 

領地の民は皆、理不尽に何もかもが奪われる処置に納得がいかず、悔しがりました。

颯汰の道場仲間たちの間でも議論が交わされます。

「皆で籠城して明け渡しにやって来る兵士たちととことん戦って、命を散らしてでも自分たちの無念さと意地を見せつけるべきだ」と主張する者もいれば、

「絶対に勝ち目がない。結局は全滅させられるだけだ」と言う者もいます。

 

そうこうしている内に、幕府から改易手続きの見届け人として指示された隣国の大名・横山宗長とその軍勢が城に入ってきました。

横山の残虐ぶりは有名だったため、「籠城して戦おう」と主張していた者達の意気も消沈していき、明け渡し期日を待たずして領地を出ていく者達が続きました。

数日後、颯汰の国の主君は切腹してしまい、その娘の琴姫が横山に連れ去られてしまいました。

 

果たして颯汰は、こんな絶望的状況からどうやって国を立て直すのでしょうか。

 

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<まとめ>

とある大名に江戸幕府から改易命令が下され、領地が取り潰されたことで、そこで暮らす人々が悲劇に見舞われます。

その理不尽な指令に立ち向かう青年たちが描かれます。

 

 これまでの時代もののセオリーなら、幕府から理不尽な命令が下されれば、主人公たちはそれに憤慨し、命を捨ててでも強大な権力と戦って散っていく様が描かれるのが王道パターンでした。

 しかしこの作品は、権力に玉砕をかけるのではなく、適度な距離感を取りながら自由の道を探す様子が描かれます。

読者の意識が変わってきたということでしょうか。

 

誇りのために死ぬのではなく、自由のために生きる。

新しいタイプの時代ものです。 

 

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