【マンガ】『本好きの下剋上』―本をゼロからつくる
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません』鈴華・香月美夜 / TOブックス
⇧1巻は2016年6月発売。
2019年10月からアニメ放送が開始されます。
「このライトノベルがすごい!2018&2019」で2年連続1位という化物級の作品です。
<前情報>
原作は小説です。
今回は漫画化された方の作品を紹介します。
一見、小さい女の子向けの本なのかなと思わせる表紙ですが、見た目にだまされてはいけません。
大人でも男性でも十分楽しめるほど、緻密な世界観が設定されています。
今流行のいわゆる「異世界転生もの」にあたりますが、「ハイハイ、そういう系統には別に興味ないよ」と言う方にこそ読んでもらいたい作品です。
異世界転生ものは、転生前の現実世界での記憶をそのまま転生後に持ち込み、その知識や技術を使って無双状態になるという展開が、お約束といってもよい王道パターンです。
しかしこの作品はそういうチート展開にはなりません。
現代の知識を使おうにも物資が圧倒的に不足しており、主人公は平民の幼女であり、超虚弱体質(無力)だからです。
そこが非常に面白いのです。
原作小説は現在第四部の終盤です。
第一部「兵士の娘」はⅠ~Ⅲまでの3冊。
第二部「神殿の巫女見習い」はⅠ~Ⅳまでの4冊。
第三部「領主の養女」はⅠ~Ⅴまでの5冊。
第四部「貴族院の自称図書委員」はⅠ~Ⅶまでの7冊が出ており、9月10日にⅧ(8巻)が発売されます。(そこで完結かは不明)
漫画版は第一部が7巻まで出ており、完結しています。
現在は第二部と第三部が別の作画担当者に分かれて同時に進行されており、どちらも1巻が発売されています。
(第二部の担当は第一部と同じ鈴華さん。第三部の担当は波野涼さん。)
ちなみにkindle unlimitedなら3巻まで無料で読めます。
サブタイトルにある通り、主人公の少女が異世界で司書になるために奮闘する物語です。
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<あらすじ>
主人公は本好きの女子大生です。
彼女が本に生き埋めになって死んでしまうところから物語は始まります。
彼女は病弱な少女(5歳)・マインとして異世界に転生します。
中世ヨーロッパっぽい架空の世界が舞台です。
科学技術も発達しておらず、平民階級も城壁で囲まれた城下町で暮らしてはいるけれど、生活環境は過酷でした。(冬は雪で外出できなくなるので、夏の間に冬の食糧も確保して冬支度を済ませるというサイクルで生活しています)
何よりマインを困惑させたのは、民衆の識字率が低く、本が日常生活でほとんど目にしないレベルで数が少ないことです。
紙も貴重品なため、本自体の価格も平民では手が出せないほど高額なものでした。
つまりマインが読める本は、その世界には一冊もないということです。
転生前も転生後も、マインの夢は変わりません。
本に囲まれた生活をするということです。
しかし転生後の世界でその夢を実現するのは、非常に困難だと分かってきました。
とはいえ本好きのマインは本が全く読めない状況に耐えかねて、ついに自分で本を作ることを決心しました。
「本がないなら作ってしまえばいい」というワケです。
彼女は現代社会で生きていた時の知識を掘り起こし、うろ覚えながら本づくりの歴史を辿っていきます。
紙の代替品として、まずはエジプト文明のパピルスを作ろうとします。
植物の茎の繊維を編み込んで平面状にするのですが、あまりに時間がかかるので挫折しました。
次はメソポタミア文明の粘土板です。
森で粘土を確保できたものの、焼成で失敗して割れてしまうので挫折しました。
本を作るための道は険しく最初から失敗の連続ですが、彼女は諦めません。
マインは本づくりを進めると同時に、生活を向上させるために現代知識を活かしてシャンプーやホットケーキや髪飾りなどの作り方を周りの人達に教えていくことで、存在感をアピールしていきました。
すぐに寝込む病弱な少女という見方は変わりませんが、非常に役に立つ知識も持っていることに周囲は驚き、彼女の評価を改めていきます。
この世界で使われている文字は日本語とは違うので最初から覚える必要がありましたが、数字は似ていたのでマインは計算だけは問題なくできました。
父の職場で会計役の手伝いをしながら文字を教えてもらい、本づくりのためのコネを作っていきます。
城壁の外の世界に憧れ、旅商人になる夢をもつ幼馴染の少年・ルッツと親しくなり、
マインはお互いの夢のために協力し合うことを約束しました。
果たしてマインは紙の本を作ることができるのでしょうか。
本にまつわるワクワクのファンタジーの幕開けです。
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<まとめ>
ゼロの状態から本づくりをするファンタジーです。
魔法も少し登場しますが、基本的な設定は現実世界と変わりません。
本の数が少なく、印刷機もなく紙もインクも高価で買えないとなれば、「自分で作るしかない」という結論に至ることは分かりますが、パピルスから作ってやろうという根性はなかなか発揮できませんね。
主人公・マインの奮闘ぶりが可愛くて楽しくて面白くて勉強になるという、最高の描かれ方をしています。
本づくり以外でも、マインが現代社会での生活の知恵レベルの知識を披露して、それを知らなかった皆の態度が変わっていくのも面白いです。
生活感のリアリティが圧倒的で、それは細かな設定に支えられています。
めちゃくちゃ手間のかかった作品です。
原作者も作画担当者も楽しんでいることが伝わってきます。
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