【マンガ】『透明なゆりかご』1巻―新人の准看護師から見た産婦人科
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『透明なゆりかご』沖田 ×華 / 講談社
⇧1巻は2015年5月発売。
2018年8月に7巻が出ています。
2018年にNHKでドラマ化されました。
(2019年8月現在再放送中)
主演は清原果耶さんです。
<産婦人科マンガ>
産婦人科を題材としたマンガは、『コウノドリ』が有名です。
◆『コウノドリ』鈴ノ木ユウ / 講談社
⇧1巻は2013年出版。
2019年6月に27巻が出ています。
そしてこの『透明なゆりかご』も産婦人科を題材とした漫画です。
もちろん両者で異なっている点があります。
『コウノドリ』は医者の視点から描かれていますが、『透明なゆりかご』では准看護師の視点から妊娠・出産・中絶にまつわる事例が描かれています。
それなりのキャリアを積んだ経験豊かな医者と、それまで働いた経験もない下っ端准看護師から見える世界は全然違います。
『コウノドリ』では著者が取材したものをベースに描かれていますが、
『透明なゆりかご』では著者が実際に准看護師として働いていた経験をもとに描かれています。
主人公も著者自身(沖田)であり、患者のことも描いていますが、著者がその時感じたこと、考えたことも多く書かれています。
コミックエッセイに近いといえます。
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<あらすじ>
時代は1997年。
主人公は準看護学科に通う高校3年生の沖田×華(おきた ばっか)。
夏休みになり、母に産婦人科でのバイトをすすめられました。
まだ准看護師の免許を持っていない状態でしたが、面接に行くと採用されることになりました。
法律では准看護師は自分の判断で医療行為をしてはいけません。
そのため著者は最初、見習いとして簡単な雑用と介助しかさせてもらえませんでした。
彼女以外にも中学を卒業して准看護師の専門学校に入った学生が実習に来ており、なまじ歳の離れたナースたちよりも学生同士で話が合いました。
ある日、著者は人手不足のために人工妊娠中絶手術の補助につくよう指示されました。
他の学生は現場の光景を見てショックで貧血になったりしていましたが、著者は淡々と仕事をこなし、医師に褒められます。
著者のもう一つの仕事が、中絶後の胎児のカケラを集めて瓶詰めにして、専門の火葬業者に引き渡すというものです。
業者は毎日やって来ます。(つまりほとんど毎日中絶が行われているということ)
看護師たちは、仕事なのでそれを気にとめません。
淡々と作業するだけです。
しかし著者は、この世に出てきて「おめでとう」と言ってもらえない子がそんなにいるなんて思っていなかったので、ショックを受けました。
まだ3日しか働いていませんでしたが、そのうち自分も何とも思わなくなる事を恐れ、ナースたちと仲良くできないし居心地が悪いからもう辞めようかなと考え始めます。
翌日、著者は初めて出産現場に立ち会い、命の誕生に感動しました。
そしていつも中絶している場所で新しい命が生まれることに、不思議な感覚になりました。
さらに、自分のいる職場が、消える命と生まれる命が絶えず交差する場所なんだと気付き、バイトを辞めることにはなりませんでした。
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<まとめ>
たしかに絵は上手いとは言えませんが、極端に簡略化されたその絵柄はハードすぎる内容とうまく中和され、重苦しくなりがちなテーマを読みやすくしてくれています。
絵はシンプルですが話は濃密で、毎話考えさせられます。
著者はバイトをするまでは、産婦人科というのは命の誕生で喜びにあふれている場所だと思っていました。
でも現実は違っていました。
そして産婦人科にいれば、いろんな命のあり方を知ることができると気付きます。
これは別に医療従事者だけでなく、全ての人間が知るべき事なはずですが、一般人にはなかなか知る機会がないのも事実です。
この漫画を読めば、新しい命が生まれることや消えることについての現実を知ることができます。
後世に残すべき漫画です。
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