【マンガ】『ソウナンですか?』―サバイバルは本来面白いもの
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ソウナンですか?』岡本健太郎・さがら梨々 / 講談社
⇧1巻は2017年8月発売。
2019年5月末現在で4巻まで出ています。
2019年7月からアニメ放送が開始されます。
<無人島サバイバルもの>
「非日常でのサバイバルもの」というジャンルのマンガ作品は数多くあります。
・『Dr.STONE』(稲垣理一郎・Boichi / 集英社)
・『7SEEDS』(田村由美 / 小学館)
・『自殺島』(森恒二 / 白泉社)
・『山賊ダイアリー』(岡本健太郎 / 講談社)
・『MASTER キートン』 (浦沢直樹ほか / 小学館)
(⇧サバイバルものではないですが、様々なサバイバル術を知ることができます。)
・・・など数え出したらキリがありません。
海外ドラマでも『LOST』をはじめとしてサバイバルものは人気ジャンルです。
「サバイバルもの」と一口に言っても様々なタイプがあります。
ゾンビや未知の生物が人類を襲ってきて、それと戦いながら生き延びるもの。
災害(天災や危険なウイルスのパンデミック)によって日常生活が奪われてしまうもの。
異世界(遠い未来や過去も含む)へワープさせられ、そこで生き抜くことを余儀なくされるもの。
人間関係の本質を浮き彫りにするようなリアルなものから、コメディタッチのものまで色々あります。
この『ソウナンですか?』は、無人島に流れ着いた女子高生たちが、救助が来るまでサバイバルするという話です。
コメディ寄りですが、サバイバルの知識は圧倒的な量が描かれています。
無人島に流れ着くことなんて、現代社会で生きていれば起こりえないと思うかもしれませんが、災害によって都市部が破壊されたら似たような生活になりえます。
・食糧の確保の仕方
・飲める水の作り方
・人はどれくらい水分を失うとどういう症状が出るのか
など
知っているだけで、その状況になったときに精神的な安定度がかなり違うでしょう。
行動力も変わってくるし、もちろん生き延びる可能性も上がります。
サバイバルものは、今の平和で安定した生活が突如失われたら自分は生き延びられるかという思考実験でもあり、訓練にもなるのです。
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<あらすじ>
女子高生の3人(鈴森明日香、九条紫音、天谷睦)は、飛行機の翼の残骸の上に乗って海に浮かんでいました。
360度見渡す限り海しか存在せず、陸地は近くに無いようなのでどちらにも向かえず、彼女たちは途方に暮れていました。
そうなった原因は、修学旅行の飛行機が海に墜落してしまったからです。
彼女たちは救命胴衣をつけていたおかげで助かったのでした。
彼女たちは他の生存者を探し、一人の少女(鬼島ほまれ)を見つけます。
目を覚ましたほまれは状況を把握した後、近くを泳いでいたトビウオを捕獲します。
そしてシャツを脱いでトビウオを包み、圧搾することで魚に含まれている体液を飲み干しました。
人間は食糧よりも水分不足でまず体調が悪くなるので、ほまれは水分を摂取しようとしたのです。
理由が分かったあとも、3人は彼女の奇行に困惑します。
実はほまれは、元軍人の父親にサバイバル術を叩き込まれたサバイバルエリートだったのです。
トビウオがいるということは近くに陸地があるということです。
彼女の指示通りに陸地を目指して泳ぐ3人。
なんとか陸地にたどり着いたものの、そこは無人島でした。
ほまれの知識と行動力を中心にして、4人は食糧や水源の確保に乗り出します。
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<まとめ>
サバイバルものにありがちな、リアリティを追求した末に生じる主人公たちの悲愴感はほとんどありません。
ポップな遭難サバイバルです。
ほまれのサバイバル的常識と一般人である3人の常識との様々なギャップに笑いながら、サバイバルの知識を多く知ることができるマンガです。
例えば、
ライターなしで火を起こすときは、木の棒と板をこすり合わせて種火を作るのではなく、ペットボトルに水をためてレンズとして使い、おがくずを加熱した方が早いそうです。
知ったつもりになっている間違ったサバイバル知識(常識)も訂正してもらえます。
21世紀になってもキャンプという文化が全く廃れないことが証明しているように、本来サバイバルは面白いものです。
「サバイバルもの」の多くの作品は、状況が人々を悲しませ苦しませるために、読者はサバイバル自体にマイナスの印象を抱きがちです。
それは誤解なのです。
このマンガでは遭難事故をライトに描くことで、サバイバルの面白さだけが抽出された楽しい作品になっています。
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