【マンガ】『ブレイズ・ソー・エッジ』1巻―デザインがカッコ良すぎるファンタジー
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『ブレイズ・ソー・エッジ』吐兎モロノブ / 少年画報社
⇧2019年4月30日発売。
<ダークファンタジー>
ファンタジーの物語には2種類あります。
「ハイ・ファンタジー」と「ロー・ファンタジー」です。
前者は架空の世界を舞台にしたものです。
後者は現実世界を舞台にしながらも魔法や魔物などの特殊設定が登場するものです。
『ロード・オブ・ザ・リング』や『風の谷のナウシカ』は前者ですが、
『魔女の宅急便』は後者です。
『ハリー・ポッター』や『千と千尋の神隠し』は現実世界と地続きな「異世界モノ」のため、前者と後者の中間にあたります。
「ハイ・ファンタジー」にはダークファンタジーが多いです。
ダークファンタジーとはやや暗めの深刻なトーンで悲劇的な展開を描いている作品のことです。
もちろんマンガ作品にもダークファンタジーは数多く存在します。
例えば
・『進撃の巨人』諫山創 / 講談社
・『鋼の錬金術師』荒川弘 / スクエニ
・『ベルセルク』三浦建太郎 / 白泉社
・『D-Grayman』星野桂 / 集英社
などです。
ダークファンタジーは基本的にどの作品でも戦いが描かれています。
人間同士の戦争だったり、異形の怪物が相手だったりします。
この『ブレイズ・ソー・エッジ』もまた、作り込まれたハイ・ファンタジーであり、バトルもののダークファンタジーでもあります。
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<あらすじ>
数多の奇蹟を輩出してきた聖都・アラネアストラ。
そこのタントラ教中央教区本堂には、聖剣・オーナメントブレイズ《象る焔の剣》がありました。
聖人・アンデルセンが振るったとされる聖遺物ですが、台座に突き刺さったまま誰も引き抜ける者がいませんでした。
学校に行かずにピザ屋でバイトしている主人公の少女・アニー。
彼女の友人で壁にラクガキをするのが趣味の青年・ロブ。
ある日の深夜、二人は中央教区の壁にラクガキするために教会に忍び込みます。
しかし運悪く、そこで闇取引をしようと待機していたタントラ教の異端者《無謀の蜘蛛》たちと鉢合わせしてしまいます。
口封じのために殺されかける二人を救ったのは、聖遺物を確認するために教会を訪れていたエリート維術師・ネオンでした。
維術師とは遺物の研究蒐集・管理を担う人達のことです。
ネオンはアニーに興味をもち、教会内を案内してあげることにします。
そこで巨大な異形の魔物・スタフドに遭遇しました。
スタフドは肉体こそこの世の物で構成されてはいますが、その内側にはおびただしい量の「綻び(ほころび)」が詰まっています。
スタフドに単純な物理攻撃を加えると内部の「綻び」が漏れ出し、周辺エリアは異界化され、そこにいる人間は崩れ去ってしまいます。
そのため維術師の専門技術によって封印するか、聖遺物による破壊しか対処法がありません。
一般人であるアニーを逃がすためにネオンは独りでスタフドに立ち向かいますが、苦戦を強いられます。
一時は逃げたアニーでしたが、ネオンを手伝うために聖剣の刺さった台座に向かいました。
そして聖剣はあっけないほど簡単に抜けてしまいまいます。
アニーは聖剣を持ってネオンの元に戻り、スタフドと対決します。
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<まとめ>
架空の世界を描くハイ・ファンタジーでは、存在感のある世界観を作るために細密な設定が必要になります。
それに説得力を持たせるには、作者に高い画力が要求されます。
この『ブレイズ・ソー・エッジ』は設定の作り込まれ度も、著者の画力も非常に高いです。
そして何よりデザインセンスが抜群です。
武器や服装、建造物の外側内側など西洋風ファンタジーを下敷きにした独創性のあるカッコいいデザインが満載です。
敵の怪物のデザインも気持ち悪くて恐ろしいだけでなく、どこかカワイイ要素も含まれています。
スクリーントーンの使用は極力抑えた、白と黒のコントラストが強調された絵柄はデザインのスタイリッシュさをさらに向上させています。
アクションシーンもカッコイイですし、キャラクターも奇抜で面白いです。
ストーリーはシンプルで、世界観設定はかなり凝っています。
文句のつけようがありません!
これぞ少年マンガにおける王道ダークファンタジーです。
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