【マンガ】『淡海乃海』1巻―弱小大名の生き残り術
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『淡海乃海 水面が揺れる時』もとむらえり・イスラーフィール / TOブックス
⇧2019年3月25日発売。
原作は同名の小説です。
2019年から漫画化されることになりました。
小説の方は2019年8月10日に6巻が発売されます。
戦国時代の話です。
⇩小説版の最新刊表紙(6巻)
<朽木元綱について>
朽木元綱(くつき もとつな)をご存じでしょうか。
この漫画の主人公です。
歴史に名を遺す場面で功績を上げながら、信長からも秀吉からも家康からも全然評価されていない武将です。
父親の晴綱が戦死したことで、元綱はなんと2歳で朽木家の当主になりました。
朽木家は琵琶湖(=淡海乃海)の西側に位置する近江高島郡の領主です。
石高は八千石。
決して大きいとは言えません。
琵琶湖東岸にある京極家や六角家とは比べ物にならない小ささです。
そんな弱小大名の朽木家が周りから潰されなかったのは、足利将軍家と親交が深かったからです。
足利将軍家と三好家は京都を巡って争っており、元網の父の代から将軍が朽木家に避難してきていました。将軍がいる以上、小物の大名は攻めて来れないというわけです。
足利将軍家は三好家と一時和睦しましたが、再び争いになり朽木家に戻って来ます。
朽木家はそれを断らず、将軍の世話を継続しました。
つまり元網は将軍家に恩を売りまくったのです。
その後も何度もピンチを迎えながらも、元網は機転を利かせて戦国の世を渡り歩いていきます。
この漫画はそのような史実をベースにしながら、フィクションも多く盛り込まれた作品になっています。
楽しみながら戦国時代を斬新な視点から知ることができます。
⇩琵琶湖
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<あらすじ>
主人公は現代社会でサラリーマンをしていた男性です。
彼が生後間もない朽木元綱として転生するところから物語は始まります。
異世界転生ものと同じように、前世での知識は保有したままです。
1550年に父親が亡くなり、元網は2歳で朽木家当主となりました。
歴史上は2歳で政治ができるわけがないので、祖父の稙綱(たねつな)が一家をまとめていたのでしょうが、この漫画では元網の補佐役になっています。
元網が2歳にして大人顔負けの会話が出来たからです。
稙綱だけでなく周りの大人たち全員が元網を天才的な子供だと思い、彼に恭順を示します。
元網は自国の貧しさを問題視し、特産品を作ることで経済を活性化させようとしました。
具体的には 清酒、椎茸、石鹸、絹糸、刀、漆器などです。
これらは各地で人気を博し、元網の国は徐々に豊かになっていきました。
また元網は関所も廃止し、税率を下げて民衆の不満を溜めないように努めます。
当時は農民の一向一揆が起こり、大名たちは彼らを恐れていたにもかかわらず、税はしっかり徴収するといった横暴をかましていました。
そして兵農分離を推し進め、元網の国には人口が少ないことから軍事力の向上には鉄砲隊を組織することにしました。
火薬の作り方も分かっているので、周辺国バレないようにこっそり生産します。
信長の長篠の戦いのように、この時代の火縄銃は一度発砲したら次弾発射までに時間がかかって隙だらけになるので、三人一組で指揮官を徹底的に狙う作戦を考案しました。
(信長の応用バージョンですね)
なかなか順調に発展を遂げていくわけですが、小国のくせにあまりに急激に経済的に豊かになったことで周辺国から目を付けられ、戦争は避けられなくなりました。
果たして元網は、どうやって強大な勢力の攻撃を乗り越えていくのでしょうか。
⇩火縄銃
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<まとめ>
普通、過去にタイムスリップした物語では、主人公たちは過去を改変してしまうことを恐れます。現代に戻ったときにどんな影響があるか分からないし、改変したことによって死ななくてよかった人が死んだりしても責任が取れないからです。
しかし面白いことに、この漫画では歴史が変わってしまうことに主人公は躊躇しません。
自分と一族を生き残らせることを最優先に考えているからです。
そのために富国強兵、殖産興業を推し進めます。
人口が少ない国で取れる戦略は、お金を稼ぐことだと判断したためです。
(※そもそも主人公は戦争をしたくない)
その後、豊かになったために他国大名から目を付けられるのは皮肉なことです。
弱小大名がどうやって生き残っていったのか、かなり詳細に描かれています。
やはり戦国時代を知恵と知識で乗り越える話は面白いですね。
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