【マンガ】『ワールドトリガー』20巻―遊真とヒュースのコンビネーション
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『ワールドトリガー』葦原大介 / 集英社
⇧2019年6月4日発売。
「週刊少年ジャンプ」から「ジャンプSQ」へ移籍後、初のコミックです。
9話分収録してあることはこれまでと同じですが、月刊誌になったからか1話分のページ数が増量されており、コミックも今までよりもブ厚めになっています。
(※週刊連載のときはキッチリ1話20ページでしたが、月刊誌になってから1話の長さは22~26ページくらいになっています。)
<最大の魅力=チーム戦>
この作品の魅力は数えきれないほどあります。
全キャラクターに嫌味がないこと。
非常にキレイな線。練られたストーリーと伏線の回収。
名言の数々。各キャラクターの成長。
広大で緻密な設定の世界観。魅力的なアイテムの数々・・・etc
しかし、何といってもこのマンガの一番の魅力はチーム戦です。
これは他のマンガと比べたらかなり珍しい方式です。
ジャンプマンガに限らず、バトルものは大抵1対1が基本です。
このパターンがダントツで多いです。
ボクシングなどの個人戦のスポーツだけに限らず、あらゆるバトルものがそうです。
キャラクターも個々に掘り下げやすいし、描くのが集団戦闘より圧倒的に楽だからです。
週刊連載で集団戦闘を描くのは自殺行為とすら言えます。
(なので『キングダム』は本当にクレイジーだと思います。)
1対1ではなく集団戦闘を描く場合、視点変更が必然的に頻繁に起こります。
これを適当にやると思考も会話も混線して、読者はワケが分からなくなります。
マンガのコマの吹き出しの形は一緒なので、誰のセリフなのか分からなくなるリスクもあります。
このマンガは相当計算されて描かれているので、ややこしくもなく、スピード感も維持しつつ面白く読める、という神業をやってのけています。
集団戦闘は個々人の身体能力だけでなく、戦術戦略も毎回読者を飽きさせないような展開にする必要があります。
かつそれが分かりやすいものでなければなりません。
少年マンガですから、 小学生でも分かるようなものが要求されます。
これだけでもメチャクチャ難しいですよね。
それも3対3じゃなく、3対3対3のチーム戦の場合、
3つの戦略を立てた上で、各キャラクターの自律した行動や戦術を組み立ててストーリーを練り上げていかねばなりません。
これは至難の業というか、もはや奇蹟と言っても過言ではありません。
この20巻に収録されているのは、なんと「4対3対3対3」です。
(今日の発売に合わせて描いた絵です⇩)
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<あらすじ>
近界(ネイバーフッド)へ行く遠征部隊へ参加するためには、B級ランク戦で上位2位に入る必要があります。
主人公・三雲修たちのチーム(玉狛第二)は現在B級4位。
同率2位でもダメなので、他のチームから多くのポイントを奪って単独2位になる必要があります。
遠征に行くためには非難されても手段を選ばない覚悟の修は、かつての敵だった実力者・ヒュースをチームに引き入れました。
そしてヒュースが初参加するランク戦・第7戦が始まりました。
戦場マップは市街地D。巨大ショッピングモール内での集団戦闘になります。
修は、まだ得意戦術や戦闘スタイルなどの情報が誰にも知られていないヒュースをメインにした作戦を立てました。
19巻ではヒュースの活躍はまだ描かれていませんでしたが、今回はヒュースと遊真が見事なチームワークを発揮します。
(2年前に描いた絵です⇩)
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<まとめ>
20巻の見所はやはりヒュースと遊真のコンビネーションです。
これまで遊真がチームのエースとして活躍し、修がサポート役を務めてきましたが、今回は遊真がヒュースのサポート役に回ります。
修と遊真の実力差はかなりあります。
遊真が単独でもかなり強いために気付きませんでしたが、これまで修は遊真の力を活かしきれてなかったのかもしれません。
遊真とヒュースという実力者同士のコンビプレーは、独創性にあふれていて感動すら覚えます。
なんでこんな戦術を思いつくのでしょうか。
サッカーではゴールを決めた者だけでなく、それをアシストした者も賞賛されるように、遊真のアシストが光っています。
最高のアシストをもらって、きちんと結果を出すヒュースも素晴らしい。
敵チームの東隊、影浦隊、村上もすごく考えられた戦い方をしています。
キャラもストーリーも絵の綺麗さも文句のつけどころがない完璧なマンガ。
それが『ワールドトリガー』です。
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