【ビジネス】『実験思考』―クレイジーすぎるアイデアの数々
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『実験思考 世の中、すべては実験』光本勇介 / 幻冬舎
⇧2019年5月9日発売。
<クレイジーな実験>
このサイズ(分量)のビジネス書ならば、普通は1600~1800円くらいします。
しかし紙の本では400円弱(原価)、kindleでは無料で読めます。
クレイジーな値段設定です。
著者は本の売上げで利益を出そうとは考えていません。
実験のためにこういう価格設定をしているのです。
それは「本の価格を自由に読者に委ねてみたら、定価で売った場合より儲かるのか?」というものです。
実験名は「価格自由」。
400円弱で買った、あるいは無料ダウンロードしたあと、本を読み終えた読者は巻末のQRコードから専用サイトに飛んで、自分が思う追加料金を支払うのです。
本の値段は読者が決めるということです。
もちろん価値を感じなければ追加支払いをする必要はありません。
本を読んだ後に、誰も追加料金を支払わなければ著者の利益はゼロです。
本が売れなかったら数千万円の損になるそうです。
その分を読者からの自由な価格での支払いで回収できるのかという実験です。
追加料金の支払額に応じて様々な特典があります。(著者との会食など)
支払い専用サイト(https://jikken-shiko.com/QR/)
で確認できます。
本当に細かく設定されています。
1500円以上払った人のリストも掲載されています。
この本が発売されてから現在1ヶ月ほどが経過しており、
6月5日の時点でもうすぐ1億円に届きそうな勢いです。すごいですね。
(支払いサイトのスクリーンショットです⇩)
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<実験思考>
何のために著者はこんなリスクの高い実験をしたのでしょうか。
著者はそもそもビジネスの実験をすることが好きなのだと述べています。
それも小規模ではなく、その計画を聞いたら正気か疑われるほどのぶっ飛んだものを。
実験なら失敗しても、それはひとつの「検証結果」なので、むしろ「価値」になると著者は考えています。
だから無駄じゃないのだと。
この「実験思考」を身につければ、今の「先が見えない時代」も失敗を恐れずワクワクして生きていけるそうです。
「やってみないと分からないことだらけなんだから、とにかくやってみよう」というのがこの本のメッセージです。
著者は他にも「CASH」というサービスを実行しています。
自宅にある物の写真を送れば、それが査定されて即座にお金が振り込まれるというシステムです。お金を受け取った人はその物を著者の会社に送ります。
一言でいえば「買取サービス」ですが、お金を先払いしている点が新しいのです。
お金を受け取って、物を送らないまま知らんぷりする人間も中にはいるでしょう。
普通ならばそういうことを恐れて、誰もそんなサービスをやろうとはしません。
これは人間の性善説を前提とした実験です。
悪い事やズルい事を考え、約束を守らない者が全体の10~20%くらいいても、利益が出せるシステムを構築すればいいと著者はいいます。
そうすれば悪人を排除する労力(コスト)を省くことが出来るのです。
画期的な視点です。
不正を許さないシステムを構築・運営しようとするから、あらゆるサービスは高額になってしまうのです。
10%の悪人のために90%の善人にも負担を強いるのはおかしいのではないか、という問題提起にもなっています。
素晴らしいですね。
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<これからの未来像>
天才起業家と呼ばれている著者ですが、一体どういう未来を想像しているのでしょうか。
第3章では多くの分野に関する未来予測をされており、そのうちの3つを紹介します。
・お金がすべてではなくなる
モノにも価値が認められて、「モノもお金」という時代になるそうです。
お金の代わりにモノで払ったり、お金を介さずにモノとモノで取引できるようになるのです。
物々交換は昔のやり方だというイメージがありますが、一周回ってまた復興するとのことです。
・「思考停止」の時代になっていく
人間がゾンビみたいになるということです。
誰かが「あっちだ!」と言えば、皆何も考えずにそれに従って動くようになるのです。
脳を使わなくてもいい時代です。
人間はめんどくさがり屋なので、便利なものが開発されていくたびに何も考えなくなっていくのです。
つまり「顧客をどれだけ思考停止させたまま、サービスを提供できるか」がこれからの商品・サービスのポイントになるということです。
・スポーツはニッチになる
フィットネスとしてのスポーツはなくなると著者は予言しています。
あと10年でスポーツジムはなくなるというのです。
人がなぜスポーツジムに行くのかといえば、健康や体型維持のためです。
それは10年後にはサプリで出来るようになるそうです。
ただのランニングはエンターテイメントになっていないので、痩せるためにあんなに運動するのはおかしいと著者は述べています。
他にも色んなアイデアが満載の、楽しいビジネス書です。
普通に生きていたら絶対に思いつかないビジネス案ばかりでした。
これを無料で配布するのは、・・・やはりクレイジーです。
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