【ノンフィクション】『バベる~自力でビルを建てる男』―クレイジージャーニーに出てきそう
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『バベる~自力でビルを建てる男』岡啓輔 / 筑摩書房
「情熱大陸」よりも「クレイジージャーニー」で紹介されそうな方です。
「クレイジージャーニー」の出演者は誰もがクレイジーですが、著者も負けないほどクレイジーです。
10年以上も、自分と妻が住むためのビルを自力で建設し続けていて、現在もその途中だという。スタートから現在までを著者の自伝的な経緯とともに描かれています。
一級建築士の資格は所持されているそうですが、設計だけして後の作業は業者にお任せ・・というのが普通の流れですが、著者はセルフビルドにこだわって、ゼロからゴールまでを自分でやろうと試みます。
現在50歳近いのに、諦めずに親に借金してまでして続けています。
色んな建築現場で働いてきた経験があり、業者に任せると手抜き建築になることを分かっている。(耐久性のあるコンクリートとはどういうものかという詳しい記述があり、僕の住んでいるマンションは確実に手抜きだろうなと思わされました。適当に外見だけでマンションを選ぶのが怖くなりますよ。)
役所からの不当な立ち退き要求もはねのけて闘うように、毎日作業を進めていく。
ものを作りたいという人間の根源的欲求を忘れないように色んなものと戦い続けている。
果たして完成できるのかどうか分からないけれど、それでも現代日本でこういう生き方をしている人を僕は応援したいです。(おそらく本の印税も建設費用に回るはず)
規制だらけの画一的で息苦しい日本の社会は、こういう活動家たちによって流れを変えていけると信じています。
(自分がやりたいことをやっているわけだからそれはいいとして、よく奥様は彼に付いて行こうと思いましたね。奥様の方がクレイジーです。)