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【ビジネス】『TRUST』―年金も企業もマスコミも信頼できないなら何を信頼する?

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『TRUST 世界最先端の企業はいかに<信頼>を攻略したか』レイチェル・ボッツマン / 訳:関美和 / 日経BP社

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 ⇧2018年7月発売。

 

<従来の信頼の形の崩壊>

2019年6月3日に、衝撃のニュースが流れました。

金融庁がまとめた報告書によれば、95歳まで生きるには(つまり老後は)年金収入だけでは2000万円不足するそうです。

これが各メディアであまりにも大きく取り上げられたので、6月11日に麻生金融担当大臣は焦って火消しに回り、報告書を撤回させました。

 

とはいえ、国民は今さら信じないでしょう。

以前から「年金制度は破綻する!いや大丈夫だ!」という議論がありましたが、とうとう政府も年金制度の脆弱さを認めたということです。

制度を信じて年金を納めていた多くの社会人が、払い損だといって怒るのは当然です。

 

また、企業も従業員に副業を認める事例が増えてきました。

昔のように終身雇用が保証できず、かと言って賃金も上げられないので、「個人でなんとかやってくれ」ということです。

年金制度も信用できず、会社も頼りにできない時代になったということです。

 

政府も企業もマスコミも学校も信頼できないなら、我々は一体何を信頼すればいいのでしょうか?

あなたは今、何を一番信頼しているでしょうか?

 

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<新しい信頼の形>

著者は本書で、時代によって「信頼の形」が変わって来ていて、今は第3ステージになったと述べています。

ステージの詳細を以下で説明します。

 

第1ステージ・・・「ローカルな信頼」

第2ステージ・・・「制度への信頼」

第3ステージ・・・「分散された信頼」

 

第1ステージは、小さなコミュニティに住み、顔見知りの人だけを信頼していた時代です。

第2ステージは、政府、役所、学校、警察、企業、マスコミを信じるようになった時代です。

 

そして第3ステージは、大企業よりも他人を信じる時代です。

それを可能にしているのがレビューシステムです。

つまりAmazonの商品レビューをはじめ、グルメや宿泊などのあらゆるサービスに関する評判や評価のことです。

多くの人が一握りの権力者のお墨付きよりも、自分と同じ立場のユーザーたちの意見を参考にして行動しているはずです。

レビューに多少の偏りがあっても、制度よりは信頼できると我々は思っています。

これを「分散された信頼」と呼びます。

 

そして第2ステージの「制度への信頼」が崩れた現在、第3ステージの新しい「信頼の形」をいち早く取り入れて事業を起こした企業を紹介しています。

 

自動車配車サービスのUber(ウーバー)、

宿泊施設貸出しサービスのAirbnb(エアビーアンドビー)、

ベビーシッターと親をつなぐアーバンシッター

銀行口座を持たない人たちのための金融アプリのTala(タラ)、

ブロックチェーン技術でダイヤモンドの産地追跡を行うエバーレジャー

などです。

 

いずれのビジネスもシェアリング・エコノミー(共有型経済)であり、

「分散された信頼」が核になっています。

これからのビジネスや社会の仕組みは、この「分散された信頼」に基づいて形作られていくので、きちんと理解して流れに乗り遅れるなと著者は主張しています。

 

多くの人は新しい信頼形態に最初は戸惑い、恐怖を覚えますが、そのうち慣れてしまうものです。(信頼の飛躍

それは歴史が証明しています。

例えば、お金も最初は物々交換から始まり、兌換紙幣になり、不換紙幣になり、電子化して仮想通貨まで誕生しました。

今、法定通貨(日本円)に不安を覚えている人はいないはずです。

ただの紙切れなのに、皆が信頼しているからお札としての価値があるのです。

信頼のステージが時代とともに上がっていっているとも言えるでしょう。

 

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<まとめ>

「分散された信頼」の形を恐れるなと著者は述べていますが、同時に慣れ過ぎて思考停止してしまうことにも警鐘を鳴らしています。

つまりテクノロジーに頼ると他人を一瞬で信頼しすぎてしまうリスクがあり、人はそれを忘れがちになるということです。

 世界があまりに自動化されて、誰を信頼するかを決めるのに機械とアルゴリズムにしか頼れないのは恥ずかしいですし、危険なことです。

 

 自動的にクリックし、スワイプし、共有し、受け入れる前に、「分散された信頼」は我々に一度立ち止まって考える余裕を与えてくれます。

「果たしてこの人物や情報は信頼に値するのか?」と自問する時間があるということです。

誰もがそれを考えて判断し続ける限り、信頼できないものは淘汰されていき、社会は良くなっていくのです。

 

 テクノロジー礼賛というわけでなくリスクや事故事例も書かれており、バランスの取れた良い本です。

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