【マンガ】『エンバンメイズ』全6巻―一流達の心理戦
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『エンバンメイズ』田中一行 / 講談社
⇧2016年12月に最終巻の6巻が出て完結しています。
<一流同士の対戦とは>
スポーツには二種類あります。
団体競技と個人競技です。
前者はサッカーやラグビー、後者はテニスや陸上競技が代表例です。
個人競技のスポーツでよく言われるのが、
「アマチュアは良いプレーをした方が勝ち、プロはミスした方が負ける」
というものです。
つまりアマチュア選手は自分も対戦相手もミスを必ずするものなので、上手さが勝敗を決めるわけですが、
プロは一流選手ほど実力が拮抗していてほどんどミスをしないので、「いかに相手にミスさせるか」が勝負の鍵になってくるということです。
要は技術の差よりも心理戦になってくるのです。
一流のプロはもちろん、自分のメンタルコントロールにも秀でています。
平常心を失わずに冷静でいるための方法を心得ているものです。
そんな中でどうやって相手を油断させるか、動揺させるか、焦らせられるか、不安にさせるか、迷わせるかを常に探り合っているのです。
スポーツに例えましたが、これは個人対戦のゲームなら全てに当てはまります。
つまり将棋やチェス、ポーカーなどのギャンブルもそうです。
実力がほぼ同じなら、あとは心理の読み合いなのです。
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<あらすじ>
この『エンバンメイズ』はダーツを題材としたマンガです。
ダーツはスポーツなのかギャンブルなのか知りませんが、一流プレイヤー達にとっては結局どちらにせよ心理の読み合い、騙し合いになります。
主人公・烏丸徨(からすま こう)は超一流のダーツプレイヤーです。
幼少期にダーツの専門教育を子供たちに行う施設で育てられ、そこで命を賭けた競争を勝ち抜いて鋼の精神力と一流の技術を身に着けました。
大人になった今は、地下の巨大ダーツ競技場で対戦して賞金を稼いで生活しています。
烏丸は狙った的は何度投げても決して外しません。
試合をするごとに勝利を重ねていき有名プレイヤーになり、「迷路の悪魔」という異名まで付けられました。
大金のかかった賭博場でもあるダーツ競技場では、一流のプレイヤーであることは大前提として、普通ではない奴等と普通ではない状況の中での勝負が要求されます。
冷酷な借金取りの男との長時間対戦に始まり、毒ガス装置の中での対戦や、手をどんどん刺されていき感覚がなくなっていく中での対戦など、毎回趣向を凝らした設定が用意されています。
烏丸や敵が、相手の平常心をいかに崩そうとするかが見どころです。
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<まとめ>
こういったギャンブルマンガには『嘘喰い』や『カイジ』(福本伸行作品全般)といった先行例があると思われるかもしれません。
ただ『嘘喰い』にも『カイジ』にも共通している点として、一勝負がかなり長いことが挙げられます。
特に『アカギ』の鷲巣編などは絶望的に長いです。
つまり一人の敵を倒すのに何巻もかかるのです。
敵を倒すのに時間がかかり過ぎると、読む(コミックを買い続ける)のがしんどくなりますし、前の展開を忘れてしまうので自然とテンションが下がっていきます。
できれば一冊のコミックの中で勝負が完結してほしいところです。
なんとこの『エンバンメイズ』では、それが実現しています。
コミック1冊の中で1~2人の敵と対戦します。
だからといって起伏の無いストーリーなわけでは全然ありません。
味気ない勝負で終わるわけでもありません。
むしろテンポがよく、二転三転する展開に新鮮な驚きがあります。
非常に面白く読みやすい構成です。
心理戦が好きな方にはオススメのマンガです。
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