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【ビジネス】『隷属なき道』―貧困をなくす方法

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

 『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』ルトガー・ブレグマン / 訳:野中香方子 / 文藝春秋

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 ⇧2017年5月発売。

Amazonのビジネス書大賞2018準大賞を受賞。

 

<お金か自由か>

 宝くじで3億円当たったとしたら、あなたは今の仕事を続けますか?

僕は確実に辞めます。

職場の同僚に聞いたら「続ける」と言っていました。

どちらの人間が多いのでしょうか?

 

 「続ける」と答えた同僚は、今の仕事が特別好きだというわけでもないけど、何もしていないのは落ち着かないからという理由でした。

仕事が生きがいというわけでもないけど、仕事が人生の大半を占めてしまっているために、他の選択肢が思い浮かばないようでした。

定年を迎えて仕事がなくなったらどうするのでしょうか。

 

僕は3億といわずとも、1億、いや2000万でも辞めます。

自由な時間がもっとほしいからです。

自由な時間こそ、人生の豊かさだと考えているからです。

生きていくために最低限のお金さえあればそれでいいから、とにかく自由な時間がほしいと日々願っています。

 

僕の考えとは違う人ももちろん多いでしょう。

つまり多少の自由は犠牲にしてでも、もっとお金がほしいと思っている人です。

今よりももっと良い家に住み、もっと良い服を着て、もっと美味しいものを食べて、もっと良い生活がしたいし、もっと貯金を増やして将来に対する不安を少なくしたいと思っている人です。

 

今よりもより多くのお金か、より多くの自由か。

あなたならどちらを選びますか?

 

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 <ベーシックインカム>

「ベーシックインカム」という言葉をご存知でしょうか?

 政府が全国民に対して、最低限の生活を送るのに必要な額の現金を渡す政策のことです。

審査なしの生活保護の全国民版です。

年々格差が広がっていき、大衆の貧困も拡大していっている現在、貧困問題の解決策の一つとして近年注目を浴びています。

 

財源はどうするんだと思われるかもしれませんが、生活保護や奨学金、福祉プログラムなどの保障を取りやめることで人件費や審査費用などが削減されるので、ベーシックインカムにかかる費用はむしろ現状の社会保障制度よりも安く済むと言われています。

全員に支給するので、たびたび話題になる生活保護の不正受給の問題は簡単に一掃できます。審査する必要がないからです。全員に配られるので公平ですから不満も起きないでしょう。

 

 この本では、世間の間違った偏見を正してベーシックインカムを採用するメリットや正当性が語られています。

今では実際に試験的導入している国や地域もあり、一定の効果があることを示す研究結果も出ています。 

 

小規模な例でいえば、2009年のイギリスで13人ホームレスに3000ポンド(約45万円)を与えるという実験が行われました。

酒やギャンブルに使ってしまうだろうという予想に反して、電話、辞書、補聴器などまず自分にとって本当に必要なものを買い求めたそうです。

身ぎれいにしてガーデニングを始めた人もいました。

実験開始から1年半後には、13人のうち7人が屋根のある生活をするようになったそうです。

(※You Tuberのラファエルさんの「ホームレスに100万円渡してみた」という企画でも、生活必需品を真っ先に買っておられました。)

 

よく勘違いされていますが、貧困者は怠惰で判断力がないから貧困なのではなく、まとまったお金がないから貧困から抜け出せないのです。

すぐ酒やギャンブルで浪費するというのは大衆の思い込みなのです。

 

貧困地域への支援プログラムを実施するにあたって、「魚を与えるのではなく魚の取り方を教えるのだ」というフレーズがよく使われますが、本当の貧困家庭の人々はそのプログラムがあることすら知りません。つまり支援が届いていないのです。

 そしてその支援プログラムが本当に役立っているのかは疑問視されています。

 NPOや現地政府にお金を渡し、援助プログラムを支援するよりも、直接人々にお金を渡す方がはるかに効果があるとも言われています。

また中間の官僚やNPO等の人件費にかかるお金を考えれば、実は費用対効果でも実効性のある方法だということが各地の実験データから分かっています。

 

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 <まとめ>

ベーシックインカムで全員にお金を配ったら怠ける人も出てくるんじゃないか、ギャンブルや酒に使ってしまう人もやっぱりいるんじゃないか、ソ連みたいに人々の仕事に対するモチベーションが下がるんじゃないかという懸念は拭い切れません。

しかしそれは、現状の社会でも同じことではないでしょうか。

 

貧困をなくす方法があるのだから実際にやってみて、まずかったら元に戻せばいいだけでしょう。現状のままだと貧困問題が解決しないのだからやってみた方が良いと思います。

しかし政治家たちがそれを受け入れるかは疑問です。

税金で高い給料をもらっている彼らには、現状を大きく変更するメリットがありません。むしろ現状維持こそ甘い汁を吸い続けられる方法ですから。

 

かなり昔からユートピア構想として提唱されていたベーシックインカムですが、

ITや機械が発達し、今になってようやく実現できそうな空気が醸成されてきました。

実現すれば社会が劇的に変わります。

今よりもはるかに自由な人生を、皆が送れるようになるでしょう。

そのときにうろたえなくて済むように、今のうちにどんな感じなのか知っておく必要があります。

 

ベーシックインカムについての入門書となる本です。  

 

 (※AIのさらなる進歩による「人類の一日三時間労働社会」についても書かれていますが、記事が長くなりすぎるので割愛しました。それの実現方法についても示唆に富む内容が書かれていました。)

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