【マンガ】『マイホームヒーロー』(6巻)―常に機転を利かせる男
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『マイホームヒーロー』山川直輝・朝基まさし / 講談社
⇧2019年1月4日発売。
絵もトップクラスに上手くてキレイ、ストーリーも面白いのになぜ話題にならないのか疑問です。「このマンガがすごい!2019」にランクインしてもいいのにと個人的に思っているのですが・・・。
主人公がオッサンだからでしょうか。
若者が主人公では成立しない面白いストーリーも存在するんですよ?
<あらすじ>
愛する娘の命を守るために、娘の彼氏を殺害してしまった主人公・鳥栖哲雄。
彼氏(延人)はヤクザと遜色ないことをしている半グレ組織の一員でした。
延人が殺されたことが分かった組織は、犯人捜しを始めます。
報復として犯人の家族全員を皆殺しにしそうな勢いです。
哲雄は推理小説を書くことが趣味ですが、所詮は素人なので、プロの犯罪組織の集団捜査の網から抜けられません。偽装工作をしているけれど、どんどん捜索の手が伸びてきて追い詰められていきます。
容疑はかかっているけれど決定的な証拠はまだ挙げられていない状況でも、助かったとはいえません。
結局犯人が見つからなかった場合は、哲雄がスケープゴートに仕立て上げられてしまう算段になっているからです。(見せしめが必要)
前巻(5巻)でついに、半グレ集団の一人に罪を着せることに成功し、ようやく危機を脱したかに見えました。
しかし延人の父親はそれでは納得せず、とうとう哲雄の元へやってきてしまいます。
そして哲雄は罪の意識からかつい自白してしまいます。
相手が哲雄の娘の命を狙っているとはいえ、息子(延人)が殺されて許せない気持ちや、子供を失ったあとの何も残らない喪失感に同情・共感してしまったからです。
しかしだからといって、ヤクザに自分の娘を引き渡すわけにはいきません。
6巻では、格闘経験など皆無の二人(哲雄と延人の父親)がマンションの一室で争うところからスタートします。
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<機転の利かせ方>
催涙スプレーの使い方も勉強になりました。
適当にスプレーすればいいわけじゃないんですね。
部屋の中だと空気が動いていないように思えますが、スプレーを噴射する方向によっては自爆してしまうことがあるそうです。
自衛手段としてカバンに入れている方は、風向きを考えないと使用は逆効果になってしまう可能性があります。(使い慣れた武器じゃなければ持たない方がマシという教訓は、他のマンガやドラマ、映画でもよく言われることです。)
いざ使用する時は、風向きなんて気にしている場合ではない瞬間ですし、そのときは冷静でもないはずなので、自衛手段としては催涙スプレーは実は適切ではないのかもしれませんね。
それにしても、哲雄の機転の利いた行動にはいつも感心します。
(マンガだからといえばそれまでですが、僕が冷静なときに知恵を絞っても、哲雄のような機転が利かせられるかといえば自信がありません。)
1~5巻までもアイデアの宝庫ですが、6巻でもその頭脳は冴えています。
・目の見えない状況で、他人のスマホの通話を切るにはどうするか。
(どこをタップすればいいか分からない→ではどうするか。)
・目の見えない状況で、コードで首を背後から絞められたら、どうやって脱出するか。
(自分の付けているベルトをどう使えばいいのか。)
・警察が家(マンション)の入り口まで訪ねてきたら、どうやって会わずに追い返すか。(どういう理由なら警察は納得するか)
その答えは6巻を読んで確かめてみて下さい。
コネがあるわけでもなく、金があるわけでもなく、格闘術に優れているわけでもなく、体力に自信があるわけでもない、ごく普通の一般成人男性が危機を切り抜けるための唯一の武器は「機転」だけなのかもしれません。
これまでミステリーを読んできて、何の役にも立たない知識ばかり集めてしまったような気がしていましたが、いざという時のサバイバル知識として役に立つのかもしれませんね。
アウトドアではなく、非日常空間での対人間的なサバイバルとして。
まあ、何かに役立てようとしてする読書(娯楽)ほどつまらないものはありません。
なんとなく読んでいて、後日たまたま目の前の問題に関するヒント(あるいは知識)がその本の中から引き出される・・・のが僕の理想です。
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