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【マンガ】『3月のライオン』15巻― 将棋で得るものと失うもの

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『3月のライオン』羽海野チカ / 白泉社

⇧2019/12/26発売

 ちょうど1年ぶりの新刊です。

 

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【マンガ】『3月のライオン』15巻 / 将棋で得るものと失うもの【新刊】

 

 

<初期の『3月のライオン』のあらすじ>

 主人公・桐山零は幼い頃に家族を亡くし、父の友人の棋士・幸田に引き取られました。

幸田の家では子供たちに将棋を教えており、後からやってきた桐山だけがその才能を伸ばし、15歳でプロ棋士になりました。

これにより幸田は桐山に特に目をかけるようになり、桐山と幸田の実子たちとの間に軋轢が生まれました。

幸田の家で生活することにいたたまれなくなった桐山は、プロになると同時に一人暮らしを始めました。

 

桐山が将棋を始めたのは、元々は父や幸田に褒められたい(認められたい)という理由からでした。

しかし父親を亡くして住む場所を失った桐山には、幸田の家に住ませてもらうしかマトモに生きていく道は残されていませんでした。

それは、将棋で強くなって自分の存在価値を示し続けるしかない道でした。

つまり彼は好きだから将棋を指していたのではなく、生き残るために勉強をしていたのです。

 

桐山は生活の術を得るためにプロ棋士になりました。

一旦プロになってしまえば、それなりに生活は安定します。

それから彼は、何のために勝ち続けるのか分からなくなりました。

今までは将棋を勝つために指していたわけではなく、負けないために強くなっただけだからです。

生きていくための居場所を確保するという目的はとりあえず達成され、勝ち続ける意味を見失った桐山でしたが、負ければやっぱり悔しいので、モヤモヤしながら戦うことになり、成績は不調が続いていました。

 

 また、桐山は高校で友達が一人もいなくて孤立しており、高校に通い続ける意味も見出せなくなっていました。

彼は棋戦があれば欠席するので、進級できるかギリギリの出席日数なのです。

 

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<中期以降の『3月のライオン』>

ふとしたキッカケで川本家の三姉妹と関わりを持つようになった桐山は、徐々に生きる活力を取り戻していきます。

彼はそれまでは将棋以外のこと(衣食住)すべてに無頓着でした。 

 苦しい時に世話をしてくれた恩に報いるため、桐山は川本三姉妹たちの力になれるよう積極的に行動するようになりました。

 

 川本姉妹の次女・ひなたの学校でのいじめ問題と進学問題。

長女・あかりの結婚相手探し。

不倫して家族を捨てたはずの川本姉妹の父親が突然現れて、家を乗っ取ろうと侵略してきた問題。

これらの解決に協力していくうちに、桐山の生き方や将棋への向き合い方も徐々に変わっていきます。

 

そしてこの15巻では、初期の頃のように、桐山が将棋を指しているシーンが多く描かれています。

再び、桐山の将棋への向き合い方に焦点が当てられるわけです。

川本姉妹に出会う前までは、将棋は唯一の居場所であり、現実からの避難場所であり、生きるための手段でしかありませんでした。

 しかし今では川本家で過ごす時間に幸せを感じられるようになり、学校でも友達が出来て、現実から避難する必要がなくなりました。

 

 桐山は自分の居場所を獲得するために将棋で強くなろうとしていたのですが、将棋以外のルートから居場所が見つかったのです。

思ってもいなかった所から現れた居場所だったので、彼はそれと「将棋にかける時間」とを天秤にかけます。

幸せを感じられる居場所(川本家)に居続ければ、将棋の勉強をする時間が減り、対局で勝てなくなります。

つまり将棋に集中するためには、心地いい居場所を手放すべきなのではないかと。

 

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<まとめ>

 人間は誰もが24時間を平等に与えられています。

いくら効率的に物事を進めても、その24時間でやれることには限界があります。

何かを成し遂げるためには、何かを諦めなければいけません。

何かを得るということは、何かを失うということです。

 

桐山が求めていたのは「将棋の強さ」ではなく「居場所」でした。

その証拠に、彼は「名人になりたい」と口にしたことは一度もありません。

しかし今や、将棋は彼の血肉の一部となっているので切り離せません。

 

今後桐山は、将棋や川本姉妹とどう向き合っていくのでしょうか。

何を得て何を失うのでしょうか。

「もはや最終回なのでは?」と疑いたくなる15巻です。

 

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