【マンガ】『ローズ・ベルタン』―マリー・アントワネットの仕立て屋
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『傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン』磯見仁月 / 新潮社
⇧2019年7月9日発売
<ファッションデザイナーの祖>
「ファッションの最先端」といえば、今も昔もパリを思い浮かべる人が多いですね。
「現代のファッションデザイナーの祖」ともいえる人物も、パリで活躍したことにより、その名を歴史に刻みました。
彼女の名前はローズ・ベルタン。
フランス国王ルイ16世の王妃 マリー・アントワネットに仕え、「モード大臣」と呼ばれます。
それからマリー・アントワネットは、フランスだけでなく他国の上流階級の女性たちにも認められるファッションリーダーになりました。
ベルタンは18世紀後半に活躍した人物です。
当時は既製品のない時代であり、服は全てオーダーメイドでした。
必然的に服の価格は上がり、仕立てを頼めるのは裕福な王侯貴族が中心になります。
庶民は仕える主人のお古をもらうか、古着屋が大半だったそうです。
18世紀のフランスにおける仕事は、ほとんど男性が担うものでした。
女性が仕事をして稼ごうとすると、それだけで白い目で見られた時代です。
その中で女性に許された数少ない仕事の一つが「仕立て屋」です。
大都会であり、流行の発信地だったパリは、服を着る側にとっても作る側にとっても、女性にとって最高の舞台だったのです。
この漫画は、世界一の仕立て屋を目指すベルタンの、パリでの成り上がりストーリーです。
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<あらすじ>
1766年、フランスの地方都市アブヴィル。
父を亡くしたベルタンは叔母に教育を受け、その後バルビエという人物に師事して仕立てと髪結いを学びました。
今では町一番の髪結いと呼ばれるレベルにまで上達し、仕立てに関してはバルビエが認める程になっていました。
ベルタンは幼馴染のマルセルのことが少し気になっていましたが、女性としての魅力に自信がないため、想いを告げることなく仕事に専念していました。
やがてマルセルは、町の役人の娘と結婚することになります。
想いを吹っ切るため、ベルタンは渾身のウエディングドレスを作りました。
マルセルの結婚式後、ベルタンはさらなる広い世界を求め、パリへ旅立ちました。
パリへ到着後、ベルタンはバルビエに紹介された仕立て屋へ向かいます。
彼女は店で雇ってもらうための面接に合格し、お針子として働くことになりました。
主な仕事は縫製と接客です。
基本的には、売り台に座って縫いながらお客を待ちます。
さっそく仕事にとりかかるベルタンでしたが、店長が外出した瞬間に、同僚たちは一斉に仕事をサボり始めました。
技術も低く、不真面目な同僚たちの仕事ぶりにベルタンは呆れます。
そして早急にお針子としてのし上がり、自分の店を持つことを決心しました。
やがて、店に一人の男性客がやって来ました。
ベルタンは接客対応をしようとしますが、「君じゃない」と断られてしまいました。
お客は、自分が接客してもらいたい店員を指名するのが慣習になっているようです。
ベルタンはそれまで知らなかったことですが、パリの仕立て屋でお針子として働くのに重要なのは技術ではなく、愛想と色気を振りまきそれ目当ての男性に顧客になってもらうことだったのです。
自分の仕立ての技術に自信と誇りを持っていたベルタンは、キャバクラのような真似をしている同業者たちが許せず、「私は女を使って服は売らない」と宣言します。
果たしてベルタンは、ここからどうやってのし上がっていくのでしょうか。
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<まとめ>
マリー・アントワネットの仕立て屋として活躍した、ローズ・ベルタンの成り上がりストーリーです。
ファッションだけではなく、当時のパリのお針子事情や社会環境まで描かれています。
著者が歴史好きなのもあってか、非常に詳細に取材されていることが伝わってきます。
1話終了ごとに挟まれる、本編に入りきらなかった雑学コラムは、漫画の世界観をより深く知るのに役立ちます。
絵は細部まで丁寧に描かれており、手抜き箇所は見られません。
2巻は2020年早春に発売予定です。
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