【マンガ】『アシガール』1-2巻―恋こそ戦国の世を生きるためのバイタリティ
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『アシガール』森本梢子 / 集英社
⇧1巻は2012年7月発売。
最新刊の13巻は、2019年9月25日に出ました。
とある女子高生が戦国時代にタイムトラベルする話です。
<戦国時代漫画のジレンマ>
戦国時代にタイムトラベルする作品は、世の中に数多くあります。
代表例を以下に挙げてみます。
◆『信長協奏曲』石井あゆみ / 小学館 / 1~18巻(続巻)
◆『信長のシェフ』梶川卓郎・西村ミツル / 芳文社 / 1~25巻(続巻)
いずれの作品でも必ず人が殺されます。
舞台が戦国時代なので当然のことですが、ここに戦国時代にタイムトラベルする漫画作品のジレンマがあります。
つまり、著者が殺し合いをメインに描きたいわけではなくても、設定上描かざるを得ないということです。
戦国時代そのものを描く場合は、その時代で生まれ育った人間が主人公に設定されるので、戦争で斬り合いになっても読者は違和感なく受け入れられます。
しかし現代人がタイムトラベルによって戦国時代にやって来た場合、主人公が武士たちに混じって戦争に参加して人を殺すという展開には、違和感を覚えるはずです。
現代人がその時代に放り込まれて、いきなり人を殺せるはずがないからです。。
しかし戦国時代なので、殺らなければ殺られるだけです。
主人公が取ることができる道は、大きく二つあります。
苦悩しながらも戦国の習わしに従って武士として人を殺すか、人を殺さなくてよい道(仕事)を探すかです。
戦争は残酷で悲惨に描こうと思えばいくらでも出来る題材です。
それをいかにエンターテイメントに仕上げられるか、あるいは主人公にいかに殺人を犯させないようにするかは作者の力量次第になります。
この漫画は少女漫画ということもあり、徹底して戦闘シーンの残酷さ・生々しさを感じさせないように描かれています。
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<あらすじ>
遅刻や忘れ物を連発し、授業でも居眠りばかりのアホな女子高生・速川唯(16)。
彼女は自分で髪を適当に切るなど、オシャレや流行に関心がありません。
もちろん勉強もやる気がないし、恋愛にも興味がありません。
唯一の特技は、足が速いことです。
唯には一つ年下の弟・尊がいました。
彼は姉とは正反対で、スポーツが苦手で繊細な代わりに、有名進学校に通っていて成績は常にトップでした。
特に科学の分野が天才的で、自宅の物置きを実験室に改造して、夜はそこにこもって研究をしています。
唯は夕飯の準備が出来たので、尊を呼びに物置にやって来ました。
そこで尊はタイムマシンが完成したと報告します。
それは満月の日に1回だけ可能で、片道しか移動できません。
だから一度行ったら、次の満月まで向こうで待つ必要があります。
そのタイムマシンの起動スイッチは、小刀の形をした棒を抜刀することです。
そうとは知らずに唯は抜刀してしまい、戦国時代に飛ばされてしまいました。
唯が目覚めた時、周りにいたのは城攻めに合って敗走中の足軽たちでした。
彼らは領地であった小垣城が落城してしまったことを主君に報告するために、夜通し山中を歩いていたのです。
すぐに部隊の中に見慣れぬ者(唯)が紛れ込んでいることがバレて、唯は足軽のリーダーに名を名乗るよう詰問されます。
彼女は「唯之助」と名乗り、それは戦死者の名前と一致したことで、実は生きのびていた者なのだと誤魔化すことが出来ました。
唯たちは山を一つ越え、ようやく足軽たちの主君が暮らす黒羽城に到着しました。
城を目前にして、彼女たちは主君の長男である羽木忠清と出会います。
これまで恋愛に興味がなかった唯でしたが、忠清の姿を目にした瞬間に恋に落ちました。
いきなり戦国時代に飛ばされて、帰ることもできずに困っていた唯でしたが、
この日から、忠清に近づくためにはどうしたらいいのかだけを考えて生きていくことになりました。
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<まとめ>
何の目標もなくやる気がなかった女子高生の唯がタイムスリップして、戦国武将に恋をして足軽から成り上がっていくお話です。
恋が戦国の世を生きるためのバイタリティになったということです。
戦がメインではなく、忠清に近づくことが最大の目標です。
そのため唯は、忠清が死なないように戦で頑張ろうとはしますが、人を殺そうとは考えません。
武器は弟の尊にもらった刀剣型のスタンガンです。
8割方ギャグなので、おバカな女子高生のドタバタコメディとして気楽に読めます。
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