【マンガ】『ランウェイで笑って』12巻―新しい価値観で服を生み出す【アニメ化】
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『ランウェイで笑って』猪ノ谷言葉 / 講談社
⇧2019年9月17日発売。
唯一無二の服飾系少年マンガです。
ついにアニメ化が決定しました。
2020年1月から放送が開始されます。
藤戸千雪役が花守ゆみりさん、都村育人役が花江夏樹さんです。
<あらすじ>
ファッションデザイナーになるのが夢である高校生の主人公・津村育人。
母子家庭で母は病気で入院中です。
彼は4人兄弟(育人が長男で妹3人)で経済的にも苦しかったため、進学を諦めて就職しようと考えていました。
しかしパリコレモデルを目指しているクラスメートの千雪の計らいで、プロのデザイナー事務所(柳田一のアトリエ)で働けることになりました。
育人はアトリエでアルバイトとして雇ってもらって働きます。
彼は高校を卒業して、アトリエで正社員として雇ってもらえないか交渉しようとする矢先、柳田はアトリエを畳むことを宣言しました。
職場を失った育人は、芸華大学に進学することに決めます。
ところが、デザイン事務所がインターンを募集していることを、芸華大学の校内にある掲示板を見て知ります。
学校で学ぶよりも現場で学んだ方がより早く成長できるだろうと考えた育人は、すぐにインターンに応募します。
育人が応募したのは業界でも有名なブランド・Aphro I dite(アプロアイディーテ)。
そのデザイン事務所は育人の他にも多くのインターン生がすでに働いていて、彼らは皆、自分の実力が評価されて正社員に昇格することを夢見ていました。
そんな中で、育人は3ヶ月で正社員に昇格するという快挙を成し遂げます。
そして育人は、彼よりも先にAphro I diteに入って、チーフデザイナーをしていた柳田の元へヘルプに行くよう指示されます。
順風満帆に実力をつけてきた育人は、柳田に戦力として認めてもらえました。
しかし周囲の社員からは「ただのコネ入社の若い奴」という嫉妬と憎しみが混じった目で見られます。
そのため育人は彼らに疎外されますが、育人の服作りへの真摯な姿勢が徐々に誤解を消し去っていきました。
そして育人のチームは結束を固めるため、NYカプセルコレクションに参加します。
一番のメインは、柳田のデザインをもとに育人が作り上げた服です。
ここで認められたら、大きな知名度を獲得できます。
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<パタンナーからデザイナーへ>
新しい服をデザインする現場には2種類の人間がいます。
デザイナーとパタンナーです。
前者がデザイン案を作り、後者がそれを実際の形に試作します。
デザイン事務所において、実績が無い人間はデザイナーになることができません。
即戦力になる者だけがデザイナーとして使ってもらえます。
育人が目指しているのはデザイナーであって、パタンナーではありません。
しかし実績が無いために、パタンナーからスタートしました。
育人も最初こそは「デザイナーに早くなりたい」と言っていましたが、今はパタンナーとして経験を積んで、デザイナーになるための土台を作ろうとしています。
育人はデザイナーの意図をくみ取るのが得意で、パタンナーの仕事を通して彼自身のデザインの発想力も磨かれていきました。
そしてNYカプセルコレクションで、重要なことに気付きます。
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<オールジェンダーの時代>
以前に育人が参加したファッションショーでは、彼のデザインはリアルクローズ(日常的に皆が着ている服)に寄りすぎていると酷評されました。
そうなってしまったのは、彼が誰かが生み出した価値観の中でしか服を作っていなかったからです。
それでは面白みのある服、斬新な服など生まれません。
そして今ある価値観の中で服を作り続けたら、デザイナーは皆、背の高いモデルを使うしかないことに育人は気付きました。
逆に言えば、新しい価値観を持った服を生み出し続けるデザイナーになれたら、
つまり世界の流行に影響を与えるようなデザイナーになれたら、
今までは人種や体格(身長)や年齢で理不尽にはじかれていたモデル志望の人達が、ランウェイで受け入れられる時代に出来るかもしれないということです。
かつてファッションは「男らしさ」「女らしさ」を強調した服が常識でしたが、
現代では性差をなくす活動が活発になり、男女の社会的境目は年々薄まっています。
その結果、今ファッション界の中心にいるのは「ユニセックス」(男女どちらでも着ることができる衣服やスタイル)です。
ではその先はどうなるのでしょうか。
著者はその先の未来予測をこの12巻で描いています。
性別の差の次は、国や人種、宗教や思想、年齢や体型、あるいはLGBT。
全ての人間が好きに着たいものを着ることができる時代(=オールジェンダー)がやって来るというのです。
素晴らしいですね。
もはや単に「オシャレ漫画」とは呼べないほど、スケールが大きくなってきました。
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