【マンガ】『モンキーピーク』1-10巻―登山中に起きたパニックホラー
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『モンキーピーク』志名坂高次・粂田晃宏 / 日本文芸社
⇧1巻は2017年2月発売。
2019年5月に10巻が発売されました。
「kindle Unlimited」なら5巻まで無料で読めます。
パニックホラー漫画です。
<ホラーの系統>
世の中にはホラー作品が多数ありますが、ホラーの中にもいくつか系統があります。
◆幽霊や悪魔、超常現象などを扱うオカルト系
◆ゾンビや未知の生物が登場する怪物系
◆シリアルキラーなどが登場するサイコ系
◆残虐な殺戮シーンがバンバン描かれるスプラッター系
などです。
どれが一番怖いかは人それぞれですが、僕が一番怖いと思うのは「得体の知れないものに追いかけられる系」です。
監禁されたり脅迫されたりしても、その後に起こりうる最悪の事態は大体予測できますが、追いかけられるのは捕まるまで意図が分からないので、恐怖がいくらでも膨らんでいきます。
これは怪物系やサイコ系に含まれます。
逃げられる範囲を限定されたらさらに怖いですね。
その状況からずっと抜け出せないということですから。
逃げられるのは「外界と隔絶されたエリアのみ」という環境設定は、ミステリーにおける孤島や吹雪の山荘のようなクローズド・サークルと同じです。
警察という物語の進行上邪魔な存在を一定期間排除し、犯人(容疑者)と被害者を限定し、登場人物達がとることができる行動も制限できます。
緊迫感が高まりますし、読者は物語の筋を理解しやすくなります。
この漫画は集団が山(外界と隔絶された環境)で怪物に追いかけられる、パニックホラーです。
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<あらすじ>
主人公は早乙女稜(23歳)。
藤谷製薬で営業を務めています。
彼は社長を含めた36人で、レクリエーションのためにしらび山の登山にやって来ました。
社長以外は皆、「なんでこんなことやらなきゃいけないの?」とか「くだらない」とか、登山に不満タラタラで参加しています。
山頂にたどり着いた彼らは、テントを張ってそこで一晩過ごすことにしました。
皆が休んでいたところ、夜中に悲鳴が聞こえてきました。
テントの外に出た早乙女が見たものは、ナタを持ちミノをまとった2m近い巨大な猿でした。(着ぐるみを着た人間?)
なんとその猿は社員数名をナタで斬殺したのです。
猿はその後、逃走しました。
殺された社員が皆の携帯を管理しており、彼の荷物は猿に奪われてしまい、警察や救助隊へ連絡することが出来なくなりました。
夜が明けて、早乙女たちは下山を開始しました。
しかし途中の道案内の標識が猿によって偽装されており、早乙女たちはそれに気付かずに誤った道へと進んでしまいます。
道を間違えていることに気付いた早乙女は、先頭集団に引き返すよう呼び掛けに走ります。
そのとき最後尾から猿が現れ、無防備な社員数名を斬殺した後、すぐに立ち去りました。(この時点で14名が死亡。)
猿の脅威に怯えながらもなんとかして外界と連絡をとるために、一行は目の前の山を越えた地点にある山小屋へ向かうことにしました。
しかし山は険しく、水も食糧も底をつき、メンバーたちの体力は限界に達していました。
その後も一行のスキをつき、猿は突如現れ、 一人ずつ殺していきます。
メンバーの中には猿と内通している者がいるという疑念が生まれ、猿とは関係なしに殺人を犯す者まで出て来ました。
はたして彼らは生きて山を降りることができるのでしょうか。
猿は一体なぜ、執拗に残虐な殺し方をするのでしょうか。
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<まとめ>
原作が『凍牌』の志名坂高次さんなこともあり、サスペンス的な要素の盛り込み方が非常に上手いです。
ずっとハラハラした展開が続きます。
⇧麻雀漫画です。(秋田書店 / 全12巻)
『アカギ』をはじめとした福本伸行さんの麻雀作品とはまた違った、狂気的でクールな世界が描かれています。
麻雀が分からない方でも楽しめる作品です。
結束を高めるために企画された登山は、殺人猿の登場で社員それぞれの人間性を露呈するハメになりました。
団結など誰もせず、ほとんどが自分の身を守ることで精一杯です。
助かるために罪を他人になすり付けたり、でっち上げたりするズルい奴も出て来ます。
パニックホラーの醍醐味は、ヤバい状況になった時の、利己的に振る舞う者と利他的に行動する者との対比です。
この漫画にもクズみたいな奴がいっぱい登場しますが、誇張しすぎというわけではなく、現実世界でもいそうなレベルで描かれているところが、作品のリアリティを高めています。
この漫画を読めば、誰かと一緒に登山なんてしたくなくなります。
『ヤマノススメ』を読んで気分を中和させて下さい。
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