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【新書】『荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟』—ジョジョの面白さの秘密

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『荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟』荒木飛呂彦 / 集英社

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↑ネットで買っても、この岸辺露伴の帯が付いてくるかは定かじゃあないぜ。

『本の中身は隅々まで読む』 、『オリジナルの帯もゲットする』

『両方』やらなくちゃあならないってのが『ファン』のつらいとこだな。

覚悟はいいか?俺はできてる。

 

<面白さとは何か>

言うまでもありませんが、荒木飛呂彦氏は『ジョジョの奇妙な冒険』の作者です。

『ジョジョ』は漫画の歴史において、面白さ・奇抜さ・斬新さの特異点としてその名が刻まれています。

この本では、そんな人気漫画家の著者が考える「エンターテイメントとしての面白さの法則」が、様々な映画を例に挙げながら語られています。

 

エンターテイメントの基本はサスペンスにある」というのが著者の主張です。

 著者がまだ若かりし頃、「面白い漫画って何だ?」「そもそも面白いって何だ?」

 という疑問に対して、

好きだとか嫌いだとか、流行っているとか流行っていないとか、あるいは世間に受け入れられているだとか評価されていないだとか、そういった要素と「面白さ」とは関係ない、ということに気が付いたそうです。

つまり時代の価値観には左右されない、普遍の法則があるに違いないと推察します。

 

様々な映画を観ていくうちに、著者が面白いと思うものにはサスペンス要素が入っていることに気が付きます。

逆にイマイチだなと感じた映画は、いくつかのSFやアクション系の派手な映画、あるいはきれいな女優がただ出演しているような映画で、それらにはサスペンス要素が含まれていませんでした。

 (ちなみに著者はSFやアクション、恋愛映画を否定しているのではなく、サスペンス要素のない映画は個人的に面白いと感じないと言っているだけです。

サスペンス要素は、ラブストーリーや子供向けアニメなどあらゆるジャンルで取り入れられています。サスペンスとはつまり、観る者に「この後どうなるんだ?」と思わせるヒキのことです。)

 

サスペンスの重要さと奥深さに気付いた著者は研究を重ねます。

 

<よいサスペンスは5つの条件を満たしているそうです。>

1、謎があること。

2、主人公に感情移入できること。

3、設定描写

4、ファンタジー性

5、泣けるかどうか。

 これが面白いと思える普遍的条件だそうです。

 

「謎」が大事なのは分かります。

ミステリーにおける殺人事件の犯人といった例だけでなく、日常のささいな秘密や疑問もすべてが「謎」です。「謎」は観る者の好奇心を刺激し、物語に引き付ける力があります。「謎」が全くない物語は、けっこう退屈に感じます。

 

 さらに主人公に全く共感できないと、彼がピンチに陥ろうが、そのピンチを脱しようが、興味が持てないのだから観る者がドキドキすることはありません。

感情移入できるか否かは大事ですね。

 

また、よい設定があれば、観る者はその世界観に没入してストーリーに集中します。

逆に世界観がいまいち理解できなければ、ストーリーから置いてけぼりになってしまいますので、楽しめるはずがありません。

 

そして「ファンタジー性」とは妖精や怪物が出てくるような世界ではなく、

誰もが「憧れ」を抱く、日常でありながら非日常の世界のことです。

カーチェイスや、悪を倒すヒーロー、都市伝説の存在も、リアリティはあるけれどファンタジーの一種だといえます。

自分が現実では体験できない爽快感がサスペンスでは求められるそうです。

 

1~4までは非常に納得のいくものでした。

5の泣けるかどうかは、僕は個人的に重視していません。

(映画でそんなに泣くことなんてありますか?僕の共感能力が低いだけかも。)

 

面白い映画の紹介本(この映画のここがすごい)みたいな内容ですが、

こういうことを考えながら『ジョジョ』は描かれているんだと思うと、

今までとは違った角度から『ジョジョ』が楽しめるかもしれませんよ。

 

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