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【マンガ】『バトゥーキ』(1巻未発売)—ダンスなのか格闘技なのか

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『バトゥーキ』迫稔雄 / 集英社

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↑2019年1月18日に1巻発売。

 

 不思議なマンガです。

序盤では何がしたいのか全く分かりません。

ヤングジャンプに連載しているわけですが、人気をすぐに獲得するのは難しそうだと思いました。そういう構成になっていないのです。

マンガという形態は連載時に人気を獲得できなければ作品が打ち切られるので、どうしても分かりやすくて第1話から圧倒的に盛り上がる展開が編集部から求められます。

 

そういう傾向に対して『バクマン。』で福田さんが批判していますね。

「最初から飛ばすんではなくて、もっとジックリ作っていくやり方もあるはずだ」と。

 

序盤から極端に盛り上げないのは、作者的には自信があるからなのか。

編集部が作者を信じているからか。

あるいは、こういったマンガの作り方に対して脱却を図っているのか。

 

『ジョジョリオン』(荒木飛呂彦)でも『H2』(あだち充)でも

1巻は非常にスロースタートで作品世界の説明にページが割かれています。

読者としては最初はモヤモヤしますが、そういう作り方もあっていいと思います。

 

「バトゥーキ」とはブラジルの格闘技とダンスが合わさったもののようです。

ネットで調べてもよく分かりませんでした。

カポエイラも格闘技だと思っていたのですが、ダンス要素も合わさった伝統芸能がカポエイラらしいです。

カポエイラの基本がバトゥーキということなのでしょうか。

バトゥーキの中にカポエイラも含まれるということなのでしょうか。

技っぽい「型」はあるみたいですが、別にそれは習得すべき基礎技術というわけでもない感じという印象を受けました。

 

格闘技のように点数や勝敗があるわけでもなく、

一般的なダンスのようにリズムに合わせて踊らなくてはいけないわけでもない。

 相手との対話、コミュニケーションといった要素が本質的な部分のようです。

 

『昴 スバル』(曽田正人)の1巻で主人公・すばるが弟のために踊っていたように、

ダンスとは身体表現・感情表現であって、スポーツではないし競技でもないし、

実はリズムも本質的には必要ないものなのかもしれません。

さらに言えば、「踊る」とうことは「祈り」であるのかもしれません。

 

このマンガの主人公・一里(いちり)は、毎日門限通りに帰宅し、両親の言いつけを守って生活しています。本当はやりたいことがいっぱいあったのに、厳格な父親があれも禁止これも禁止で不自由さ・窮屈さを感じています。

「自由」というものに憧れていた一里は、バトゥーキに出会い、ホームレスの先生に習い始めます。バトゥーキは一見しただけでは何をやっているのか不明です。

踊りとも格闘術とも判然としないものに惹かれていくわけですが、その「分かりにくさ」が「自由」だと感じ始めます。

 

このマンガはどこへ向かおうとしているのでしょうか。

競技性がないのであれば、哲学へ進んでいくのでしょうか。

今年1番の謎マンガです。

 

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