【マンガ】『宇宙戦艦ティラミス』1巻―宇宙もの×ギャグ
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『宇宙戦艦ティラミス』宮川サトシ・伊藤亰 / 新潮社
⇧1巻は2016年5月発売
現在8巻まで出ています。
2018年にアニメ化もされました。
『ヴィンランド・サガ』の著者である幸村誠さんがおすすめしていたので読んでみました。(⇩漫画16選)
紹介記事全文(幸村誠さんのブログ)はこちら⇩
https://news.livedoor.com/article/detail/16681831/
<宇宙もの>
幸村誠さんは『ヴィンランド・サガ』の前に『プラネテス』という宇宙ものを描いておられました。
木星探査船に乗ることを夢見て、宇宙のゴミ(デブリ)回収の仕事をしている主人公が、色んな人達と出会って価値観が変わっていく漫画です。
人生のすべてが凝縮されたような、内容の濃い作品です。
『プラネテス』をはじめとして、大抵の宇宙ものはシリアスな作品です。
宇宙でふざけるとすぐ死に直結するからか、宇宙もののギャグ漫画は少ないです。
2019年のマンガ大賞を受賞した『彼方のアストラ』はギャグ要素が多めですが、基本的にはシリアスなストーリーが下敷きにあります。
宇宙もので100%ギャグでやっている作品は非常に少ないのです。
またミステリーと同様に、SFというジャンルにも「ガチ勢」は存在します。
彼らは作品の設定と科学的事実との齟齬をすぐに見つけ出し、指摘せずにはいられません。科学的に不自然なことが許せないのです。
宇宙ものの設定でふざけることは敵を作りやすいことでもあり、批判されやすくなるということです。
そういう意味でも、宇宙ものはシリアス方向で行く方が無難です。
ところがこの『宇宙戦艦ティラミス』は宇宙もので、ギャグ100%の漫画です。
シリアス要素は1ミリもありません。
さらに超絶に絵が上手く、宇宙にいる感じに妙なリアリティがあります。
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<あらすじ>
宇宙暦0156年、人類は謎の敵と戦っていました。
地球連邦軍の最重要戦艦・ティラミスはその最前線にいます。
ティラミスの中には搭乗用人型機動兵器が収容されており、そのパイロットたちもティラミスの中で生活しています。
パイロットの一人であるスバル・イチノセは、エースとして活躍していました。
彼は敵機の撃破成績は抜群でしたが、コミュニケーション能力はあまりありません。
そのためティラミス内での集団生活に馴染めず、自分専用の人型機動兵器・デュランダルのコックピット内で引きこもって暮らしていました。
ある日、スバル一人に出撃要請がありました。
120秒後にティラミスからデュランダルが射出されるとエンジニアから通知を受け、
その間に彼はコックピットの中で揚げたての串カツを食べようと試みます。
ところがペットボトルに入っているソースに串カツをつけようとしたところ、ペットボトルの口の直径が小さかったためにカツの衣が削れて飛散してしまいました。
コックピット内が油まみれになることを避けたかった彼は、焦ってティッシュを取り出そうとしますが、逆に串カツの入っていたパックをこぼしてしまい、コックピット内は食べ物の塵だらけになってしまいました。
そうこうする内に120秒が過ぎ、出撃時間がやって来ます。
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<まとめ>
宇宙ものの1話完結型のギャグ漫画です。
ツッコみ始めたらキリがないほどメチャクチャな設定です。
ずっと主人公がシリアスな顔をしてふざけ倒していますが、ツッコミ役がいないので、読者がツッコみながら読むことになります。
「宇宙で串カツなんて食べられるかい!」から始まり、ティッシュが宇宙で使われるかも疑問ですし、宇宙服の下にTシャツを着ていることも、オムツをはかずにトイレを我慢し続けるのも、ペットを飼ったりするのも完全にふざけています。
舞台が宇宙という設定なだけで、地球上での生活感覚と変わりません。
主人公もコックピットにいるだけで、家の自室にひきこもっている若者とやっていることは変わりません。
SFガチ勢にとってはデタラメな設定でしょうが、そこまで厳密さにこだわりのない方にとっては気楽に読める新感覚のギャグ漫画です。
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