【マンガ】『レイリ』6巻―熱く儚い戦国の世
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紙の本も読みなよ / A-key-Hit
『レイリ』岩明均・室井大資 / 秋田書店
⇧2019年5月8日発売。(この巻で完結です)
原作は『寄生獣』や『ヒストリエ』の岩明均さんです。
<歴史モノを楽しむには>
歴史好きの方の中には、新撰組や戦国武将に関して、ドラマやマンガで史実と異なった描かれ方をされていると怒る人がいます。
それが好きだからこそ、いい加減に扱ってほしくないと感じるがゆえのことでしょう。
「フィクションなんだから、もう少し寛容な心を持って」と言われたところで、やはり許せないポイントは存在します。
オタクとはそういう生き物なのです。(誉めてます)
歴史に詳しい方は歴史モノのマンガや映画を鑑賞しても、ストーリーの先を知っているのであまり楽しめないのではないかと思います。
どこがフィクションで、どこが史実通りなのか気にしないで物語に入っていくには、あまり歴史に詳しくない方が向いています。
幸い(?)、僕は歴史に詳しくないので歴史モノを読んでも全部新鮮な気持ちで受け止められます。
このマンガは、織田信長と武田勝頼との戦いが描かれています。
武田勝頼といえば、1575年の長篠の戦いで信長に敗れたということは小学校でも習う有名な事件ですが、それ以降の武田がどうなったのかは知らない方も多いのではないでしょうか。
このマンガでは、その長篠の戦い以後の武田の顛末が語られます。
主人公は武田勝頼の息子・武田信勝(の影武者のレイリ)です。
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<あらすじ>
軍神・武田信玄の亡きあとは、武田勝頼が当主として武田家は続いていました。
しかし勝頼は信長に負けたポンコツであり、お家再興の希望は息子の信勝だというのがもっぱらの評判になっています。
信勝はまだ幼いながらも知略や推理力に優れ、常に武田家の未来を考えていました。
戦国の世の武将たちに習って、自分の身の安全のために影武者も準備します。
そのうちの一人がレイリでした。
レイリは落ち武者達に両親と弟を斬殺されてしまい、天涯孤独となりましたが、勝頼の部下に助けられて武田領内で暮らすようになります。
彼女はひたすら剣の腕を磨き、早く戦争に参加して、家族を皆殺しにした武士たちをできるだけ多く殺し、そこで自分も死ぬことを夢見ていました。
つまり破滅願望を抱えたまま生きてきたのです。
ある日、信勝の影武者に選ばれて訓練を受けて、任務に就くことになりました。
その中で、自分より年下の信勝がはるかに大きな重圧に耐えて生きようとしている姿勢を目にします。
レイリは徐々に「死にたい」という気持ちが消えていき、信勝や信勝を慕う部下たちと「生きていきたい」と考えるようになっていきます。
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<まとめ>
結局、武田家は滅亡してしまいます。
信勝の享年は16歳。
若き天才のあっけない死。
戦国時代にはこんなことがザラにあったのですね。
レイリが単独で信勝の敵討ちに行くシーンでは、鳥肌が立ちました。
レイリは影武者の任務のかたわら、隠密のような行動も実践します。
途中、徳川家康の背後に2度も接近し、暗殺のチャンスがありました。
当時の家康は、信長と組んで武田を攻める急先鋒でした。
レイリは家康を暗殺すれば武田への軍勢が止まるのではないかと考えたのですが、
家康に「自分を殺したところで、もはや流れは止められない」と忠告されます。
家康の暗殺を思いとどまるレイリでしたが、この最終巻である6巻の終盤で、まさかそれが伏線になって感動の展開になるとは予想外でした。
『キングダム』の王騎将軍ではないですが、「これだから乱世は面白い」というセリフそのものです。
もっと彼らの生き様を見ていたかったので、全6巻という短さは寂しい気もしますが、戦国時代を駆け抜けた若者たちの儚さを感じるにはちょうどいいボリュームなのかもしれません。
やたらと長いマンガは揃えるのが大変ですからね。
最終巻発売というこの機会に一気読みしてみて下さい!
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