【マンガ】『ヤングブラック・ジャック』(1巻)―医者はどこだ!
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『ヤングブラック・ジャック』田畑由秋・大熊ゆうご / 秋田書店
↑12/20に14巻発売予定。
手塚治虫の代表作の一つ『ブラック・ジャック』。
これは最初から、ブラック・ジャックが医者になって名声を獲得した状態から物語が始まります。時々、幼少期のエピソードもはさまれますが、医者になるまでの話は基本的にありません。
『ヤングブラック・ジャック』では、ブラック・ジャックが医大生の頃から物語は始まります。つまりどうやって医者になったのか、医師免許を取らなかった(取れなかった)詳細がやがて語られるのでしょう。(1巻ではまだ語られません。)
原作はあの伝説の漫画家マンガ『コミックマスターJ』の田畑由秋氏。
『コミックマスターJ』がそもそも『ブラック・ジャック』のパロディ的な要素が根底にあるマンガだったので、田畑氏は実はブラックジャックの若い頃を、以前から描きたかったのではないかと思います。
←全13巻。もはや古本か電子書籍でしか入手不可。
作画は恐るべき技術の持ち主・大熊ゆうご氏。
絵が綺麗で上手くないと、手術シーンなどは細かい部分が分からなくなってしまうので適任ですね。というか上手すぎです。
手塚版『ブラック・ジャック』では描かれなかった謎はいくつもあります。
彼がどうやって手術の腕を磨いたのか。
彼がなぜお金にがめついのか。(高額の治療費を請求する)
彼が過ごした医学生の時期は、社会はどういった時代だったのか。
(『ヤングブラック・ジャック』ではベトナム戦争の現地に行くことになります。)
手塚版『ブラック・ジャック』を神聖視・絶対視している方には、こういった他人の解釈が受け入れられないかもしれませんが、原典至上主義でない方には面白いはずです。
(「コナン・ドイル以外の作家が書いたホームズなど認めない」というシャーロキアンも、世界には大勢おられますので、何ら不自然なことではありません。偉大な作品には、オリジナルしか認めないガチ勢が必ず存在します。)
第1話のタイトルが「医者はどこだ」です。
これは手塚版『ブラック・ジャック』でも同じなので、ニヤリとさせられますね。
他にも『ブラック・ジャック』を読んでいれば思わずニヤリとさせられる要素が随所に仕掛けられています。
手塚マンガの他の作品で登場したキャラクターも何十人も登場します。
あとがきで、ネタ元が何なのか解説してくれている点も親切です。
『ヤングブラック・ジャック』を読んでから『ブラック・ジャック』を読み返してみるのも面白いですし、他の作品を当たってみるいいきっかけにもなります。
1冊で色んな楽しみ方ができるマンガです。
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