【マンガ】『憂国のモリアーティ』(7巻)—異説・切り裂きジャックの正体
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『憂国のモリアーティ』竹内良輔・三好輝 / 集英社
歴史上の実在の人物なのに正体が分かっていない、プロフィールの詳細が不明のまま現在に至っている例はいくつかあります。
「切り裂きジャック」もその一つです。
過去多くのミステリーやサスペンスにおいて、その正体が議論されてきました。
19世紀のロンドンといえばシャーロック・ホームズですが、
同じ時期で物語のネタとして「切り裂きジャック」はよく使われます。
名探偵コナン『ベイカー街の亡霊』でも登場しましたね。
パトリシア・コーンウェルは『切り裂きジャック』という本を書くために
7億円の費用をかけて資料を調査し、科学分析を実施しました。
そこでは何人かの容疑者の中から、犯人は画家のウォルター・シッカートだと推理していました。DNA鑑定から筆跡鑑定、絵の検証など、さすが「検死官」シリーズの著者だけあって徹底しています。
このマンガでは、「切り裂きジャック」の正体を複数犯での組織的犯行だという設定にしています。この説は斬新で面白い。
その目的は貧民街の自警団(切り裂きジャックが出回っているので町の治安がより悪化するのを防ぐために銃器を所持)とスコットランド市警(ロクに捜査しないが自警団が武装強化するのはやめさせたい)との対立を煽り、衝突させることを発端としてプロレタリア革命を引き起こすことだという。
なるほど~。納得の設定です。
特定の一説を信奉している方の中には、異説に対して嫌悪感むき出しでまともに反論もせずに拒絶する例がたまに見受けられます。
別にエンターテイメントなんだから、どんな説が正しくて、誰の説は間違っているということは僕はどうでもよくて、面白ければそれでいいんです。
マンガってそういうものでしょう?
歴史上の正体不明人物を推理する本で特に面白かったのは
明石散人の『東洲斎写楽はもういない』です。
推理力と学識確かな方が本気で調査する面白さ。
ノンフィクションとミステリーの融合です。
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